表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

84/145

コンテストスタート

「これくらい明るくするだけなら、まるっと1日は行けるんじゃない?魔力の多い子なら、1週間……いや、1か月……んー、実験しないと分からないけど……あ、そうそう、サブスクを導入したいって話もあとで聞いてくれる?」

「いや、待て、待て、サブスクってなんだ?日光が1日ってそんなの無理だろう。1週間ってなんだ?」

「あー、だから、これ、日光じゃないから。LEDっていうの。長持ちする明るい光。消費電力……消費魔力が少ない明かり」

 レッドの顔から表情が抜け落ちた。

「……火光以外の第三の……いや、第四の光か……?このLEDというのは、火光よりも明るくて、火光よりも長持ちすると……?」

 レッドが見上げている。

「あ、アリス様!おかえりなさい。もう皆準備万端ですよ!」

 話声で気が付いたのか、サラちゃんが奥から出てきた。

「そう、じゃあ、大会を始めましょう」

 サラちゃんと一緒に倉庫の奥に向かうと、レッドが後ろからついてきた。

「あっ」っと、倉庫整理の冒険者がまだギルド長に話が終わってないとばかりに小さく声を上げる。

「あなたたち、長時間倉庫の整理お疲れ様。少し休憩がてらあの子たちの光魔法を見てあげてくれない?」

 何を言ってもレッドは見に来るのだろう。そうすれば冒険者たちが報告したいことを報告できない。

 勝手なことを言ったかなとレッドの顔を見ると、レッドはハッとして倉庫整理の冒険者を振り返った。

「そうだな、休憩をしてくれ。観客がいた方が、これを渡すときも嬉しいだろう」

 レッドが勲章もどきを見せる。

「ありがとう」

 小さくお礼を言うと、レッドも小さな声でお礼を口にした。

「いや、俺こそありがとう。いろいろ教えられてばかりだ。こういうことはガルダも気が回らない」

 こういうこととはどういうことだろう?まぁいいか。

「じゃあ、コンテスト……大会を始めましょう!私が数を数えるから。1から100まで数える間に完成させてね!じゃあ、よーい、スタート!いーち、にーい、さーん……」

「は?完成?小さな光をたくさん出してどうする気だ?LEDって聞こえるなっていうことはあれがLED……第四の光か。部屋を照らすわけではなく何をしているんだ?……思った場所に出す練習か?並べて出すのは大変だろう。ファイアーボールも思った場所に出したり飛ばしたりするにはそれなりの訓練が……いや、どれだけたくさんの数を出せるかの競争か?それとも大きさをそろえて出す訓練なのか?いずれも繊細なコントロールが必要で……」

 うるさいなぁ。黙って見てられないのかな。

 ……でもそうか。大きさも位置も数も訓練が必要なんだ。ってことはだ、このお絵かきコンテストは案外いい訓練になるってことかな?一石二鳥?

「きゅーじゅきゅー、ひゃーくっ!はい、終了!」

 14人の子供たちとサラちゃんの絵が出来上がった。

「うわー、みんなすごいよくできてるわね!」

 パチパチパチと拍手をすると、私の拍手につられて倉庫整理の冒険者も手を叩いた。

「すごいなぁ」

「綺麗だ、光魔法ってこんなこともできるんだな!」

「宝石みたいだな」

「すごいぞお前ら!」

 そして、手放しに子供たちを褒めてくれる。

 うう、この冒険者さんたちいい人だ。

「ほら、レッド」

 レッドも褒めてよと、横にいるレッドを肘でつつく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「研ぎ師ミチェは頑丈です~転生幼女の大冒険~」 こちらの作品もよろしくお願いします。てとてと歩いてぽてっと転びすぴぴと寝ます。
― 新着の感想 ―
[一言] 火光は元々LEDを覚えさせる為に「太陽光や月光以外にも灯りはあるんだ」と認知させる為の前段階に過ぎないって教えてあげたらもっと驚かせられるかもね(笑) 後、何か言おうに呆然とし過ぎて何も言…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ