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サブスク電球

 そういえば、街をゆっくり見て回るのって初めてなんじゃない?

 この間はギルドの依頼を急いでこなして回るだけで精一杯だったから。

「お、ねーちゃんは昨日、日光魔法付けてくれた子だろ?1時間で頼んだのに夜まで明るかったよ。今日来た子のこれも、1時間以上たつがまだ明るくて助かるよ。いつもねーちゃんに頼めたらいいんだが」

 1つ目の店で声をかけられた。

「申し訳ありません。私も今日の子も新人で不慣れなもので、上手く時間調整ができなくてご迷惑をおかけしております」

 ぺこりと頭を下げる。

「いや、迷惑じゃないよ、ありがたいと思って……」

「いいえ、日光1時間の依頼と2時間の依頼では料金が異なります。2時間分の依頼料を払ったお店からすれば、お前のところは金も払っていないのにとにらまれてしまうでしょう。ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。今、皆で訓練に励んでおります。ちゃんと時間調整をできるようにしておりますので……」

 お店のおじさんが頭をかいた。

「あははー、そうだよな。そうりゃそうだ……悪かった」

 すぐにおじさんが私の言わんとすることが伝わったようだ。

 安い値段で得しようって魂胆ですよね。

「それに、昨日と今日は「日光」の明るさがありますが、実は「日光」ではなく「LED」という明かりなのです。それで明るいのに長持ちするという。ギルドに「LED」の明かりの基本料金が出るはずですのでそちらで依頼を出していただけば、いつもの子供たちも今練習しておりますので」

「ほう、そうなのか?そりゃありがたいな。あまり金額が上がるようなら難しいが……」

 店をゆっくり見て回ろうと思っていたのが、依頼のあった店に説明して回る時間になった。

 今日、サラちゃんが明かりの調整をできずに月光の依頼の店に日光の明るさのLEDの光の玉を出したところはこぞって「LED」に期待をしていた。

「やっぱり明るいのはいいよ~。だけど日光を長時間出せる子がほとんどいないだろう?だから仕方なく月光にしていたんだけど」

「これだけ明るくなるなら、冬場も寒い思いして外に出なくてもよさそうだよ。冬は窓を閉めて部屋の中にいると暗くて針仕事もできやしないから」

「毎日頼みたいよ、随分仕事がはかどったよ。びっくりするくらい」

 ナイス!サラちゃん、月光組に、いい宣伝になったよ!明るさ調整できなかったのが、逆に宣伝効果に!

 うん。良さげな感触。あとは値段設定を間違えちゃだめだよね。高すぎても頼めないだろうし、安すぎては光属性の子たちの収入が増えない。……やっぱりサブスク形式がいいなぁ。月5000円とか定額で好きなだけ明かりをつけるよって。一部屋と言わず家じゅう。その方が収入も安定するだろう。毎日依頼の取り合い……いえ、あの子たちは譲り合いかな。しなくても……。

 今までは魔力の強い弱いで出せる光魔法の量で依頼数を制限されてただろうけどLEDなら大丈夫だろう。

 むしろ、LEDはサブスクオンリーっていうのはどうだろう。1部屋だけなら月3000円。家じゅうなら月5000円とかか。部屋数が10以上ある宿屋や豪邸は1部屋増えるごとにプラスいくらみたいな感じ。

 で、100箇所の契約を光属性の子で平等に分けていく。サブスク制度が便利だと思えば増えていくようになるはずだし。1回銅貨1枚で毎日頼んでも3000円。月光と日光でしか頼めないから暗いか短いかになっちゃう。それくらいならサブスクで月額料金払って明るくて長時間のLED使い放題の方がいいよね?

 うん、そうしよう。もしかして、買い物や飲食した人たちが店で話を聞いて家庭でもサブスク使ってみようっていう人が増えるかもしれない。……月3000円が家庭にとってどれほどの負担になるか分からないけれど……。

 うーん。うーん……。


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「研ぎ師ミチェは頑丈です~転生幼女の大冒険~」 こちらの作品もよろしくお願いします。てとてと歩いてぽてっと転びすぴぴと寝ます。
― 新着の感想 ―
家中毎日光りっぱなして普通の家はきついやろ
[一言] 他にも日光と違って商品を日焼けさせないとかも喧伝するべきじゃないかな?
[一言] 異世界で現代の便利なものを再現して無双ってよくある話だけど、サブスクを売りにするのは初めて見た
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