引き分けです。
「わー!すごい!顔ができた!」
「おいらも、おいらもやってみる!」
「私も!お花描いてみる!」
「ボクは猫!」
みんな、夢中になって小さなLEDを数多く出して光の絵を描きだした。
「……あの、リ……アリス様、実験はいいんですか?」
子供たちがはしゃいで遊びだしたように見えたのか、サラちゃんがこそっと私の耳元でささやいた。
「ん?ええ。これも実験の一つよ。どれだけ自由にLEDが出せるようになるか……そうね、せっかくだから……最後にコンテストでもしましょうか」
「コンテスト?ですか?」
うんと頷く。
カイがポンっと手を叩いた。
「剣術大会みたいなものってことですか!」
「まぁ、そんな感じ?」
剣術大会があるのか!もしかして、……。
き、き、き、筋肉祭りなのでは?見たい、見に行かなくちゃ。ひゃほーい!いいこと聞いた。
おっと、落ち着け私。
「皆、聞いて!今日の最後にコンテストをします。えーっと、そうね。100数える間に、光魔法で何か書いてもらいます。光の大きさや数に制限はありません。制限があるのは時間だけです。例えば、大きさを変えた光の玉を出せばこういったものもできます」
大きな丸が一つに、小さな丸を2つ。版権が厳しいネズミのシルエットの出来上がりだ。
「あ!こういうことですね!」
頭の良いマルティナちゃんがすぐに理解したようだ。小さな丸を並べることで絵をかくだけでなく、大小を使って絵をかく。
大きな一つに少し小さな丸を並べて囲む。
「あ、お花だ!」
「上手よ!その調子でいろいろ自分なりに考えて100数える間でどれだけかけるか考えてみてね」
分かったと、皆が練習を続ける。
「ねぇ、カイ、さっきの剣術大会の話なんだけど、大会って、その」
聞きたいことがいっぱいあって、質問が整頓できない。いつあるの、どこであるの、誰が参加するの、何人くらい参加するの、それから、それから……。
「大きな物は国を挙げて王都で行われているそうですが、アルフレッド様は毎回欠場しています」
へ?
王都で?そんな素敵な催しものがあったの?
「アルフレッド様が欠場?」
「はい。各領地の騎士団で予選会を行い優勝者が王都での大会に臨むのですが……」
「……もしかして、アルフレッド様って、剣が得意なの?」
強いというのは聞いたけれど、火魔法が得意だからだよね?もしかして剣術も得意?
っていうか騎士団の予選会?騎士団に入ってる?
ってことは……、体、鍛えてる?
「その大会は騎士しか参加できないの?冒険者は参加できないの?もしギルド長が参加したら、アルフレッド様とどっちが強い?」
もし、アルフレッド様の方が強いのなら……私のあったこともない旦那様、立派な筋肉の持ち主の可能性が!
期待に満ちた目でカイを見ると、ふいっと目をそらした。
え?なぜ、目をそらす?
「ねぇ、どっちが強いと思う?」
そらした視線の先に顔を移動してカイにもう一度尋ねる。
タイトル……