★元ギルド長ガルダ視点★
本日2話目
「お前は、今、不幸だと思ってるのか?」
レッドが俺の言いたいことが伝わったのか、ちょっと怒った顔をした。
「いや。俺は幸せだ。屋敷の皆もギルドの皆もよくしてくれる。俺は王都にいたときよりもずっと幸せだ。だからこそ、皆のためにもっと頑張りたいと思っている。だが……俺とは違う……彼女は、俺とは……」
「まぁ、お前は特殊だからなぁ。そりゃ違うだろうよ。公爵が自ら先頭に立って魔物を狩るのも珍しいが、荒くれ者の冒険者を束ねるギルド長を兼任してるなんてな。それも、屋敷にいるよりギルドにいる方が長いんだから。そんな公爵……いや、貴族など他にいるわけない」
なんて、思ってたこともあるんだよな。
「俺の嫁だ」
やけに小ぎれいな冒険者風の格好をした少女をレッドが俺に紹介した。
は?
いやいや、結婚したとは聞いてるが、冒険者と?それともこの少女が侯爵令嬢だったと?
もしかして、レッドがギルド長をしていると聞いて、自分も夫のためにとギルドに足を運んだというのか?
アリスと名乗っている少女は確かにレッドの嫁なのだろう。しかし、レッドが夫の公爵だと知らない?俺がレッドのお父様?誤解を解くべきかと思ったが、面白そうなのでこのままにしておこうか?
いやいや、楽しんでるわけじゃないぞ?レッドの考えも分からないからな。勝手にばらすわけにもいくまい。
しかし。ぶはははっ。
「規格外の嫁だなぁ……」
冒険者として登録したかと思えば、鍛え方が足りないと冒険者を叱咤する。
いやいや、規格外すぎるだろう。
さらには、光属性持ちの子供たちを集めて実験をするという。実験など、何をするつもりだと思っていたら……。
「こ、これは……」
目の前の光景が信じられなかった。
日光と月光しか光魔法にはないと思っていたのに。
火光。
まるで火属性魔法を使ったような光があるだと?
実験……。
なるほど、これは確かに実験が必要だ!
すぐに光属性の冒険者、腕回りは人一倍太いが下半身が甘いとアリス嬢に指摘されたジョンに火光を覚えさせる。
そして、レッドも連れてすぐに魔物が出る森へと足を運んだ。
火を怖がる魔物が出る場所へ。
「レッド、いたぞ、倒すなよ、脅かせ」
レッドが言われるままに、小さなファイアーボールを30体ほどの小型の魔物の群れに打ち込む。
すると、魔物は火球を避けるように距離を取った。
「次は、光魔法、さっき覚えたやつ飛ばせるか?」
光属性魔法使いのジョンが、先ほど覚えたばかりの魔法を使う。【火光】と呪文を唱えると、ファイアーボールのような見た目の魔法が魔物の群れに向かって放たれた。
火を恐れる魔物は、火光の球を恐れてさらに距離を取る。
「あっ、はははっ!魔物のやつ、騙されてるぞ!見たか、レッド、なぁ?どう思う?」
うんと、レッドが大きく頷いた。
「熱に反応しているのではなく目で判断してるのか」
「ああ。蛇なんかは温度で獲物を見つけるらしいが、あいつらは目のようだ。だから、火魔法と光魔法の区別がつかないんだろう」
「ってことは……ジョン、退路を塞いでくれ!」
レッドが火属性魔法持ちにいつもやらせていることを、指示した。
いつもの戦い方を見て知っているジョンはすぐに【火光】魔法を連打し、ファイアーボールのような球を群れの後ろに並べる。
リリアリスが何気なく使った「火光」ですが、とても役立つようです!
っていうのは、リリアリス視点からは表現できません。そう言った理由で別視点時々挟んでおります。




