まばゆい
「あ!もしかして、離婚した後にギルドで働かないかっていう勧誘?」
「り、離婚?」
しまった。もし、私の正体がばれたら、公爵夫人は公爵と離婚するための偽装結婚してるというのまでバレちゃうじゃん。
「あ、いやぁ、その……。り、離婚したら考えるわ。今は、その、夫と仲良くやってるし?」
「は?夫と仲良く?」
レッドが顔を真っ赤にした。
何を想像したんだ。下ネタか?ごめん。誤解させるような言い方して。本当は、顔も知らない関係なんだ。
「……離婚して実家に戻りたいわけじゃないのか?離婚した後、ギルドで働くことを考えるってことは……どういうことなんだ?」
「と、とにかく、この話はおしまい。人の結婚生活についていろいろ聞くもんじゃないわよ」
ぽんぽんと、レッドの腕を叩いて立ち上がる。
ふふ。いい筋肉だわ。どさくさに紛れて触っちゃった。
「皆、食事は終わったわね。じゃあ、今日は、えーっと」
4人新しい子が増えたんだ。魔力属性が光だと分かっているんだから8歳以上で、ギルドに登録できない年齢の子が4人。
「えーっと、じゃあ、この子たちはまず魔力を……」
計算が得意だった12歳くらいの女の子が手を挙げた。名前を紙を見て確認する。マルティナちゃん。5時間以上の魔力大の子だ。
「あの、昨日帰ってから測りました」
マルティナちゃんの言葉に別の子がうんと頷いた。
「この二人が1時間と2時間の間くらい。こっちの子が2時間で、この子が3時間だった」
なんと!すでに昨日のうちに魔力の大きさをはかっていてくれたのか。
「ありがとう、じゃあ、皆揃って次の実験ができるね!」
なんて気が利くんだろうか。マルティナちゃん、優秀過ぎない?
レッドの手から紙を取り戻して、名前を聞いて書き加えていく。
「待て待て、で、昨日はなんで廊下に出ていたのかの理由を聞いてない」
「あ、まぶしかったから」
「え?」
「昨日は、えーっと12人で一斉に日光を部屋の中で出したら、まぶしくて部屋の中にいられなかったのよ」
レッドが口をぱかっと開けげ頭を押さえた。
「……だったら、地下室を使わないか?部屋を日光で照らすだけ照らしてそれを眺めていただけなんてもったいない……」
「地下室?」
「ああ、この部屋よりも広い。普段は倉庫として使っている。せっかく実験で光を出すなら、倉庫を照らしてくれないか?そろそろ倉庫の在庫のチェックもしたいし……その、別途ギルドからの依頼ということで、一人銅貨1枚上乗せさせてもらう」
「本当?ありがとう!」
銅貨1枚でも、ちゃんと依頼としてお金を出してくれるなんていい人だ。場所代を取られるわけでもないし。