やらかしぃぃぃ
視点戻ります
どうも。リリアリスです……。
「ご、ごめんなさいっ!」
朝から私は頭を下げていた。
寝坊した!
寝坊、した!
だって、昨日、街中めちゃくちゃ走ったんだもん、疲れちゃったんだもん。今も足が筋肉痛よ!
「謝らなくても大丈夫ですよ。今から朝食をご用意いたします」
マーサがサラちゃんに朝食を持ってくるように指示したところで、はしっとサラちゃんの服をひっつかむ。
「サラちゃん、お願い、手伝てぇ。午前中にギルドで光魔法の依頼をこなさないといけないのぉ……。ギルドの子たちには別のこと頼むって言っちゃったよぉ……」
ぐしゅぐしゅ。
「分かりました。リリアリス様のお願いであれば任せてください!」
「本当?詳しくはカイに聞いてくれれば分かるから!あ、カイにはお昼ご飯昨日と同じようによろしくって言っておいて。あ、これ、お昼代。そうそう、依頼は全部LEDで。あと、依頼票い書いてある時間の調整とか難しいだろうから無視しいいわ。長いことに文句はないだろうから」
文句、ないよね?夜も明るくて寝られなかったとか……クレーム……。
「はい、じゃあ、行ってきます」
ニコニコ笑てサラが出て行った。
その後ろ姿をマーサが嬉しそうに見ている。
「あんな楽しそうなサラの姿が見られるなんて……」
「マーサ、朝食食べたら私もすぐに行くから」
マーサが私の顔を見た。
「護衛役の……カイが戻ってから行くと言いましたか?」
「ううん、すぐに行くわ。カイが戻ってからじゃ間に合わない」
マーサが顔に笑顔を張り付けたまま無言で私を見ている。
「あ、はい。カイが戻ってから……カイにお昼に間に合うように迎えに来てと伝えてください……」
ぐすん。
マーサには逆らえないよ。
朝ごはんを食べながら、カイが迎えに来るまで何をしようかと考える。
まずギルドに行ったらギルド長に謝らないといけない。
……私の勘違いで叩いた上に嫌いとか言い捨てちゃったんだよねぇ……。
どの面さげてのこのこ行けばいいというのか。恥ずかしすぎるし……。
かといって、謝らないわけにはいかない。
あーあ。メールが遅れれば昨日のうちにすぐ謝罪メール送れたのにな。手紙にする?でもギルドに行って顔を合わせるのに手紙とかはないか。
ギルド長は忙しいって言ってたから、いないかもしれないよね?手紙を書いて渡しておいてくださいって感じでどうだろう?
よし。そうしよう。
……いや、待てよ?
人前で盛大にやらかしちゃったもんなぁ。ギルド長をぶっ叩く登録したての冒険者……。なんていうか、めちゃくちゃギルドでも私の評判悪くなっちゃうんじゃない?やっぱり光属性はロクな人間がいないなんて、風評被害の原因になってはいけない……。
「よし、マーサ、私、料理するわ!」
「は?」
「何を言っていらっしゃるんですか、料理は、料理長が……」
マーサが悲しそうな顔をした。
「もしかして、お口に合いませんか?……あの、料理長は悪くないのです。いろいろ研究はしていますが、ここでは揃わない食材も多くて……」
くっ。
またまた、やらかしたぁ!