ギルドで依頼
「何をさせる気だ?施しを与えるつもりならやめろ。あいつらだってプライドを持って仕事をしている」
あら?ギルド長は光属性は役立たずだと馬鹿にするようなことはないんだ。
「私にもプライドはあるわ」
光属性は役立たずじゃないと一番わかっているのは私。
そして、領主夫人としてのプライドだってある。かりそめとはいえ、お飾りなだけにはなりたくない。ほんの少しでも役に立ちたい。
役立たずでいるのは死んだって嫌。
「えーっと、12人が集まれる場所があれば借りたいの。依頼を受けてもいいという子たちを集めておいて。依頼内容は私の光魔法の実験の手伝い。だから光属性の子にしか頼めないのよ。じゃ、依頼をこなしてくるわね。カイ!案内お願い!」
魔力的に問題はない。だけど、65か所を回るのは骨が折れるということを失念していた。うー。
「ギルドから派遣されました」
カイが依頼表を見せて店主に説明している間に呪文。
「明度1【LED】」
LEDシーリングライトのイメージで、明るさを調整を想像。明度1~10まで。月光だと1でちょうどかな。
明るさは合わせるけど、1時間とか2時間とかいう時間指定は無視することにした。微調整をする方が大変だ。
「ギルドから派遣されました」
走るのが遅い私をおいて、カイが先に店の中に飛び込んで店主に説明する。
「明度10【LED】」
カイが依頼達成のサインをもらい次の店に走っていく。
私はそれを追いかける。
「はぁー、もう、だめ!」
疲れたぁ!
65か所を回って、へとへと。時間にしておよそ3時間。すっかりお昼だ……。
「お腹すいたよね?なんか買ってきて」
カイに銀貨を1枚渡すと驚いた顔をする。
「え?えーっと、僕には貴族が口にするようなものが分からないのですが……」
銀貨1枚……確かに1万円の食事って立派そうだけど……。
「普段庶民が口にするものでいいわ。私と、カイと、それから子供たちの分。依頼を受けて集まってくれているといいけれど……。そうね、足りないといけないから20人前くらい……銀貨1枚で足りる?」
「はい。でしたら、銅貨3枚の串焼きと銅貨1枚のパンを2個というセットを20で買ってきます」
ギルドの入り口でカイと別れる。
そういえば、このギルドって食堂が併設されてないのね。
「はい、依頼をこなしてきたわ」
ばさりと65枚の依頼表をカウンターに置く。
「え?本当に?えっと、早すぎませんか?」
「ううん、むしろ私の足が遅くて時間がかかりすぎちゃったくらいだと思うけれど?」
「魔力を回復させる時間も必要だったのでは?月光ばかりでなく日光の依頼もありましたよね?」
うん。あった。わざわざLEDの昼光色をイメージしたもん。ああ、そうだ。中には呪文がいつもと違うぞと尋ねられたこともあったっけ。大丈夫なのかちゃんと2時間持つのか途中で切れたら大損害だとか念押しされたので、多めに魔力を注いだけど、あれ、夜になっても消えなかったらどうしよう……クレーム案件かな?でもね、いまいちこう、まだLEDはどれくらいの魔力でどれほどもつかが分からないんだよね……。
「で、光属性の冒険者は依頼を受けてくれた?」
「あ、はい。10名は依頼を受けると。あとの2人は不信がって……その……」
「ありがとう」
そうだよねぇ。
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