★騎士団長視点★
騎士団長視点
いやいや。性格はどうだかわからないですよ?でも、まぁ、見た目だけでも好みならば、少しは救いなのかもしれない。
「やっぱり、犠牲にするわけにはいかないよなぁ。俺と結婚したって不幸になるだけだろう」
アルフレッド様が頭を抱えた。
「いや、そうとは限らないでしょう?アルフレッド様も、来たばかりのころは苦労したでしょうが今はすっかりなじんでいるじゃありませんか」
とんでもない悪女だったとしてもアルフレッド様が気に入るならと、思わず応援するようなことを口にする。
「俺は……男だし、逃げ場もなかった。そして、何より領民を見捨てることだけはしたくなかったからな。だが……」
13歳でアルフレッド様がこの地に来た頃のことを思い出す。
アルフレッド様がリリアリス様のほほをそっと撫でた。
「こんなに可憐な令嬢が、この土地でやっていけるわけはない……。移動中に死にそうになったのだ。この土地に恐怖しか感じないだろう。だが、もし、流刑地で生きていくといのであれば……俺は、全力で……」
その先の意言葉をアルフレッド様は飲み込み、首を横に振った。
「いや、あるはずのない未来を語っても仕方がないな……」
ノックの音で、聖属性魔法の使い手である、神父がやってきた。回復魔法でリリアリス様を助けた人物だ。魔力が回復したので追加で回復魔法を施しに来たのだろう。
「ああ、神父、ちょうどいい」
アルフレッド様が立ち上がった。
「ソイ、立会人になってくれ。彼女の側はマーサに頼む」
立会人?
「結婚する」
アルフレッド様が、リリアリス様が持ってきた結婚締結書に署名しはじめた。
「ちょっと待ってください、アルフレッド様、言っていることとやっていることがめちゃめちゃじゃないですか?」
自分と結婚するのはかわいそうといいながら、速攻で結婚すようとするって……。多少はこう、歩み寄ってからとか。
「神父、頼む。さぁ、立会人の二人も並んでくれ」
「ア、アルフレッド様、恐れながら、せめてリリアリス様の意識がお戻りになってから……」
マーサの言葉ももっともだ。
「いや……早いほうがいいだろう。意識が戻るまで屋敷にいることもできないからな。はい、リリアリス嬢の署名はすでにされていて助かった。ほい、立会人確認したな。神父の祝福も受けた。じゃ、そういうことで。俺は戻る。西の街でゴブリンの巣が見つかったという噂だ。今規模を調査中だ。俺たちの手だけで足りるとは思うが、念のため騎士たちの準備だけはしておいてくれ」
すぐにアルフレッド様が出て行ってしまった。
光魔法による連絡方法の可能性について話をしたかったが、あまりに突然の結婚宣言ですっかり抜け落ちてしまっていた。
まぁ、まだ光属性持ちにできるか確認もしてないから実用のめどが立ってからでも問題ないか。
などと、後回しにしていたら事件が起きた。




