次の光は!
サラちゃんの前にオレンジ色の光の玉が現れた。
「で、できました!」
嬉しそうにサラちゃんが私の顔を見る。
「うん、うん、できたね」
「すごいです。光の魔法は月光と日光しかないと思っていたのに!火光があるなんて……!」
やっぱりか。イメージは大事なんだ。魔法にはイメージ。
光といえば、月の光と、日の光くらいしかこの世界の人は知らないから、光魔法はそれだけの物だと思っていたんだ。
火も灯りに使っていたんだろうけど、火が光源だから「火魔法」の領分だと思い込んでいたんじゃないだろうか。
実際は、太陽光だって、太陽がものすごく燃えてるから、火から発せられる光だし、月明かりなんて、反射光だよ。いうなれば同じ太陽の光……火が大本なんだよね。
私は室内での光というと「蛍光灯」が一番に思い浮かぶから、それを無意識にイメージして使っていたんだろう。前世の記憶がはっきり戻る前も、前世の記憶が無意識化に影響を及ぼしていたんじゃないかな。例えば、魔力の足りなさを補うためとか。自分を守る手段として記憶の一部が解放されたみたいな?
死にかけて、自分を守るための前世の記憶が全開放されたとか?
「どう?魔力の消費量は。月光や日光に比べて」
「えーっと、ちょっと試してみます。【日光、月光、火光】」
サラちゃんは器用に3つの小さな光の玉を出した。いやいや、器用過ぎないか?さっき、火光を出すのに目を閉じて時間かけて出してたのに。
一番明るい日光はすぐに消えた。その10倍ほどの時間で月光は消えて、さらに倍くらいの時間で火光が消えた。
「え?なんで?月光より火光の方が明るいのに長く持つの?どうして?」
サラちゃんが驚いて声を上げる。
うーん。私の仮説。
日光は太陽光。太陽ってものすごいエネルギーを持ってるよね。だから魔力がたくさんいる。
……っていうか、小さな太陽みたいなものを魔法で出すって考えたら、ものすごくない?3時間小さな太陽出現させるんだよ?うひゃぁーだよ。
そして、月光は太陽光の反射光だ。どっかで7%がどうのと書いてあるのを見た。何の数字化分からないけど、7%を反射してる?よくわからないけどそう考えれば、月光は日光の10分の1以下の魔力で大丈夫なはず。で、火光はエネルギー量が魔力なのであれば、ほとんどは熱にエネルギーは取られ、明るさに使われるのは少ないんじゃないかな?と。知らんけど。
「分からないけれど、光には他にも種類があるのは分かったよね?」
うんと、サラちゃんが頷いた。
「で、天井の近くにあるあれ。あれは日光じゃないの。LED。えーっと発光ダイオードで作られたライトなの」
サラちゃんが興味深く聞いている。
「LEDはもっと長持ちするんだけど、サラちゃんもチャレンジしてみて」
うんとサラちゃんは頷いた。
「【LED】」
光魔法改革だ!と、サラちゃんがLEDの光の玉を出すのを期待して見つめる。
光の使者……リリアリス……!
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