表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/134

最大の問題

 でしょうね!他に希望者いなかったんでしょうね!

 でも、残念ながら前世の記憶を取り戻した私にとっては大変ラッキーな話。

 だって、王都から離れるイコール、君たち侯爵家とかかわらずに済むってことでしょ?

 それに、旦那になる20歳の公爵様も社交の場に出ないなら、私も出なくていいのもうれしい。年の離れた男の後妻でもなければ、「流刑されたハズレ領地の貧乏公爵」ってだけで、本人が猟奇的だとかいうわけでもない。

 三食食べられれ虐待されないなら問題ないし。

 現地で推しが見つかれば幸せに暮らせる自信がある!寝食忘れて推し活、寝る間も惜しんで推し活、食費削って推し活……なんて、普通だしね!三食食べられなくても睡眠時間短くても問題ないのさ!

 いや、最大の問題は、今、死にそうになってることなんだけどさ!

 うおー、息が、息が苦しい……肺もやられてるのかっ。

「ああ、それからお姉さま、怪我には気を付けてくださいね?もう、私はいないのですから。馬車が谷底に転落して大怪我しても、私なら治せるでしょうけど」

 くそ、ユメリアめぇ!

「見事なフラグを立ててくれたもんだ……」

 シューシューと息がどこから洩れる情けない声でつぶやく。

 肺がマジでやばそう。

 死なない!死ぬもんか!

 まだ16歳だぞ!うら若き乙女だ!

 推し活には体力も必要なんだよ!16歳といえば、心の体力が一番ある!推して推して推して、狂おしいほど推しまくれる心の体力が!

 いや、ほら、推しに寝癖がついてるだけで、3日はご飯がおいしく食べられるじゃろ?あれはな、アラフォーになると、推しの寝癖で仕事が頑張れるのは1日だけとかになるんよ……。どんどん新しく補給していかないと仕事で疲れ切った心は癒されない。だから課金しちゃうのだよ……。

 って、遠い目をしたら、そのまま息を引き取りそうになった!

 あっぶなぁーい!

「【光】」

 何が周りを明るくするだけの役に立たない魔法だ!

 どんどん上がっていけ!

 信号弾、空高く上がって。

 私がここにいることを、誰かに知らせて……。

 日が陰ってきた。私の上げた信号弾……照明弾ともいうんだろうか?暗くなればなるほど目立つはずだ。

 私はここ。見つけて。死にたくない。お願い!

 何とか、動く右手を突き上げ、光魔法を打ち上げ続ける。

 灯台がなきゃ、船は方向を失うし、信号機がなければ交通事故だらけだし、飛行機だって夜間飛行するには光がいるんだぞ。

 光を馬鹿にするな!

 光通信がなければ、インターネットで動画も快適に見られないんだから!光は大事!

 ああ、もう意識が……。

 寝たら死ぬぞとほほを引っぱたかれる映像を脳内に浮かべる。

 あ、あれは雪山の話だっけ……だ、め、だ……死にたく……な……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「研ぎ師ミチェは頑丈です~転生幼女の大冒険~」 こちらの作品もよろしくお願いします。てとてと歩いてぽてっと転びすぴぴと寝ます。
― 新着の感想 ―
俺には推し活そのものがわからん(興味無い)!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ