料理人たちの密談……結論が、それか……
文字数上手く調整できず。途中から視点変わります。
「どうしよう、俺、泣きそうだ。王都から嫁いできた貴族のリリアリス様が魔物肉を……」
「ああ、馬鹿にされるのは覚悟していたが、馬鹿にされないだけではなく、ご自身も召し上がると言う」
「そればかりか、どうすればおいしく食べられるのかと考えてくださり……」
「俺、一生リリアリス様についていく」
「あ、ずるいぞ、俺もだ。アルフレッド様がリリアリス様を追い出すというなら、抗議するぞ」
「追い出すじゃないだろ、リリアリス様を王都に帰してあげるって話だろう」
「王都に帰っちゃうのか?……引き止めては……だめだろうな」
「そうだ!王都よりこちらのほうがいいと思ってもらえるように頑張ろう!」
「王都よりこちらのほうがいい?王都のことはよくわからないが、何かいいところがあるか?」
「あ……うーん、人が少ない、娯楽が少ない、食べるものが少ない、物が少ない、買い物できない……舞踏会もない」
「魔物が多い、冬が長い……って、いいところがないっ!」
「王都になくてここにあるものが一つくらいないのか?」
「……夫?」
「「それだ!」」
「リリアリス様の夫はここにしかいない!アルフレッド様との愛はここにしか!愛する人はここにしか!」
「……なぁ、二人の間に愛はあるのか?」
「「……、……」」
「アルフレッド様、顔はそこそこいいので頑張ってもらう!」
「「おー!」」
仕事をしながらなんか時折盛り上がっている。
何の話をしているのだろう?うまい具合に焼きあがったとかそんなのかな?
……ちらちらと、料理人がこちらを見ている。
あ、もしかして、邪魔?
……ですよね。
ずっと何もしない女が立って見てたら、視線すら邪魔だよね。
わかるわかる。
お前も仕事しろよ、とか思っちゃったりするよね。
……いや、仕事しようとしたら怒られるけど。
★アルフレッド視点★
団長と打合せをして訓練所に戻ってみると、どすどすと矢を的にいるような音が響いている。
だが、どこにも矢を構えた人の姿は見えない。
「説明を」
俺の声に、副団長が訓練を一時停止させた。
「リリアリス様よりアドバイスをいただきました」
は?また、リリアリスか?
水魔法で魔物を倒す方法を教えてくれたのが少し前の話だろう?
水を出すことはとても大切なことで、水場がない場所で命をつなげるのは水属性の者たちのおかげだ。騎士団にはなくてはならない者たちだ。
しかし、魔物との戦闘においての殺傷力は水魔法にはなく、注意を引くとかひるませる程度しか役には立たないと……。そんな常識をリリアリスが覆した。
毒との併用。
毒は今までも使用されてきた。主に剣や矢じりに塗り相手を傷つけることで弱らせる。だが、実際にはほとんど使われてはいなかった。万が一、剣に塗った毒で傷を負ったら自分自身の身が危ないからだ。
それが、経口させることで弱らせる毒が使えるとは。
遠距離から安全な場所から毒を飲ませることができるとは。
正確に素早く毒を含ませて魔物の口元を狙える訓練を早速行う。
的役に水属性以外の者が動き回る。静止した的にいくら当てられても実践では使えないからだ。
相手の攻撃をよけながらも、的役の騎士の顔に水魔法を当てていく。味方には謝って当てないようにと動いているが、混戦すると味方にもしぶきがかかることがある。
そこに、愛は、あるのか?
料理人、料理の腕とともに、筋肉を鍛えるのだ!リリアリスを引き留めるために、筋肉を……!(匿名希望)
コミカライズ1巻24日発売予定です。予約受付中!もうめちゃめちゃ素敵にかいていただいています!ぜひぜひ!お手に取っていただけると!私が長く楽しめます!連載が続くかどうか1巻で決まるそうです……切ないな。




