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5 アルベルトについて

アルベルトについて、もう一度詳しく書き出してみよう。


①九歳のときに第一王子ヴィラクス殿下の側近に選ばれる。

②魔法、魔術類が少ししか使えない。(生活に困らないくらいは使える)

③剣の才能がずば抜けている。(学園卒業とともに、最年少で騎士団長就任)

④怖いくらい頭がよく回る。

⑤物事への興味が薄い。常に絶対零度。


私が知っている知識だけだとざっとこんなものだ。

こう見てみるとアルベルトって完璧人間なんじゃね? 唯一の弱点であるのは魔法、魔術類が少ししか使えないってところかな……。



ここで登場! ちょっと役に立つ豆知識

エルアティナ国の魔法、魔術編!!


ざっくり言うとエルアティナ国には魔法と魔術がある。


魔法とは、日常生活で使える火を起こしたりとか、水を出したりするやつ。ほとんどの国民が使える。

魔術とは、魔法の進化系で発動させるには、使用者の魔力量と魔法で特化しているものが関係してくる。

例えると、水魔法が得意な人は水魔術が使えたり、火魔法が得意な人は火魔術が仕えるのである。


魔術を使えるものは少ない。たとえ使えたとしても魔力量が少なかったりすると少ししか使えない。

だから。王国では重宝され「魔術師」という位の高い職がある。

ここだけの話、お給料がめちゃくちゃ高いらしい。


魔術師は貴族でも平民でもなれるため、平民は少しでも素質があったら魔術師を目指すし、家督を継げない貴族なんかは目指す人も少なくない。

でも、結局は魔力量が高いのって高位貴族、しかも長男長女なんだよね。


どんな仕事をしているのかは私も知らない。たぶん、魔物退治や国へのエネルギー供給だろう。


忘れていた。魔法には5種類ある。

自分の中でも整理するためにわかりやすく書いてみる。



水魔法……小量の水を出すことができる。

火魔法……少量の火をおこすことができる。

土魔法……家を建てるときによく使われる。土を少し動かすことができる。

風魔法……自分の周りの風を少し操ることができる。

光魔法……周りを明るく照らし、この国のエネルギー源でもある。


この5つはほぼ100%の人が使える。


魔力量を測るために一番わかりやすいのは髪の色だ。不思議なことにエルアティナ国の人々の魔力量は全て髪の色に出るからね。

魔力量が多ければ多いほど黒に近くなっていき、少なければ少ないほど白に近くなっていく。


そしてどんなに頑張っても生まれ持った魔力量は変えることはできない。みんな生まれながらにして魔力量は決まっているらしい。


魔術というものは使い方によっては武器にもなるし凶器にもなる。

何百年か前には大魔術師っていう地位を得た人もいる。その人は全種類の魔術を使っていたとかいないとか……。

大魔術師って下手したら国王以上に発言力があるときもあるからね。基本対等になっているんだよ。


あとおまけで目の色は関係ないです!


以上、説明終了!!


で、これをふまえて私達の髪の色を考えてほしい。

アルベルトの髪の色は金色が少し入っている銀髪のようなシルバーブロンド。とても白に近い。つまり、イコール魔力量が少ないという事になる。


そして私はというと……それを上回る白。

いや、真っ白ってわけじゃないんだよ。でもほぼ白。

だから私は魔力量が非常に少ない。魔法を使う分の魔力がないから使えない。


もともとラナンキュラス家では魔力量の多い子が生まれてくるのが珍しい。だからこの家では魔力量が多い、少ないは重要視していない。アルベルトを見れでばわかるだろう。


ではなぜ、私がこんなに虐げられているのか。その理由は前にも言ったね。私の髪が真っ白じゃないとこだよ。


私の髪の色が光の当たり方によって色が変わる。なんで変わるのかは知らない。逆に教えてほしい。


こんな色は見たことがないって、私がまだ「離れ」に移っていないときに両親が言い合いをしているのを聞いた。

産まれたときは両親のどちらにも似ていなかったから喧嘩になった。父は母をせめ、母は毎日泣いていた。で、八つ当たりみたいに「あなたのせいよ!」って毎日言い聞かされてきた。


あの二人は基本仲がいい。

恋愛結婚だったって前に聞いたことがあるような気がする。それで結局調べても疑わしい事は出てこなかったから最終的には父が母に謝って解決した……はずだった。

ところが次は私をどうするかで揉めだした。

母は殺せ。父は隠せ。この二択だった。私の人権総無視よ。毎日毎日喧嘩ばっかり。ほんとに恋愛結婚なのか疑ったくらいだ。

屋敷にはアルベルトがいたため私の部屋でくらいしか話すところがなかったのだろう。

毎回嫌々顔で入ってくる母。そんなに私は気持ち悪かっただろうか……?


で、結局勝ったのは父だ。

もう私の誕生を公表してしまっているのが一番の大きな勝因だろう。

もし母が勝っていたら私はこの世にはいないよ……!



そんなこんなで私がアルベルトに勝てるところは一つもない。


……これは……アルベルトの何事にも興味が薄いところにかけるしかないよね。

私が今できることはアルベルトの地雷を踏まないことくらいだ。

今はまだ私に対して、良い方の興味を持ってくれているのが救だ。敵に回したら一番厄介な相手である……。







……………………はっ!!


気がつくと、アルベルト襲来から2時間が経過している。


今日の夜ご飯はあるかな?

そう思いながら私には少し高すぎるドアを開けた。

そこにはパンとスープがおいてあった。


あっ、今日はある!

大体2日に1回くらいは忘れられているため常に賭けだ。

私のところにまで運ぶ人がいないのだろう。もしくはここにたどり着く前に逃げ帰ってしまうか……。

まあ、持ってきてくれるだけありがたいんだけどね。



私はそれらを食べ、体を拭いて寝る準備をした。

今日のことを考えていると、いつの間にか私は深い眠りに落ちていっていた。

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