表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

59/67

56 そっち系では有名になりたくない

おそく……なりました(−_−;)

私たちが自己紹介すると言っても生徒会メンバーが私達を選んでいるため必要あるかとも思うが、これから仲良くしていく上では必要なのだと思う。



「新しく生徒会長になったヴィラクス・エルアティナだ。よろしく頼む」


まあ、、まあそうよね。彼は王太子だしそう言う言い方も、、まあ許されるよね。

学園で言えば後輩にあたるから考えたりも……しないよね。だってヴィラクス殿下だもんね。


「1年、イリス・ラナンスキュラです。副生徒会長をさせていただきます。よろしくお願いします」


一瞬エリーナ様とエレン様の表情が動いた気がしたが、、気のせいだろうか。え、私何も変なこと言ってないよね。


「1年、ミモザ・ライラックです。エリーナ様の後を継がせていただきます。至らぬ点ばかりだとは思いますが、よろしくお願いします」


ミモザの挨拶にハッと気づく。私もこう言わなきゃいけなかったんだ!初めからミスってしまった。いやでもヴィラクス殿下の後だったら必然的にこうなるのは仕方のないこと……言い訳は良くない。私もまだまだというわけだ。


ひと通り挨拶を終える。アル兄様、ルドフィル様、エリーナ様以外はメンバーは同じであるため、これから何をすればいいのかわからないと言うわけではないだろう。それに前世までの知識を振り返ってみても、業務で詰まったことは一度もないはずだ。


「それじゃあ、取り敢えずひと通り終わったし、私達はお暇するわね。引き継ぎは私達が卒業するまでに少しずつ行えばいいし、後は新生徒会メンバーで楽しんで」


そうエリーナ様が言い残すと4年生達は生徒会室を出ていってしまった。



「それでは私達は早速仕事といきましょうか。生徒会入会早々悪いのですけれど、卒業パーティーの詳しい内容を詰めなければいけません。これは毎年恒例なのでご了承ください」


「大体のことは決めてあるのですが、流石に生徒会長と副生徒会長が抜けてる状態だと詳しく詰めるのは難しかったので、確認をしていきましょう」



こういった外部発注や細かな事をするのは庶務であるトーマス様の仕事なのだがなんせ彼は素晴らしいほどに仕事ができる人なので、たぶん彼がいないと生徒会はまわっていない。


皆席に着き、早速議論を交わす。

入会して初めだから、、といっている暇はない。少しでも良い卒業パーティーにするために私達は動き出した。





◇◇◇



「……ほんとのところね、私、イリスちゃんってもっと傲慢な令嬢だと思ってたの」




え、とエレン様の言葉に思わずカップを落としそうになる。


ある程度卒業パーティーの事もまとまり、慌しかった生徒会も落ち着きを戻した頃、私とミモザはエレン様からお茶会に誘われた。前世までは一切そんなことはなかったため正直何か起こるのではないかとヒヤヒヤしながら挑んだが、普通に楽しいお茶会だった。ただ今その普通に楽しいお茶会が違う方向へ行き出しているのではないかと思い始めたところだ。

ちなみに話しを重ねていってだいぶエレン様とも打ち解けたと思う。イリスちゃん呼びになるくらいは仲良くなれた……と思いたい。


「ど、どうしてですか。私もしかしてそっち系で有名……?」


前世までは傲慢で高飛車な女として学園中に名を馳せていた私だが、今世はどこからもそんな情報なんて入ってきていなかったため油断していた。もしかするとアル兄様とミモザ達が私の耳に入る前に遮断していた可能性だってあるかもしれない。


「そんなことないわ。ただあのアルベルト様の妹でしょ?それに公爵家だし、あまりヴィラクス殿下とは仲が良くないって聞いていたから私が勝手に思い違いをしていただけ」


ヴィラクス殿下と仲良くないのはあってる。本当はもっと婚約者らしい事をしなきゃいけないんだけど、私だけしても虚しいだけじゃない。それに自分の気持ちが向いてなかったら尚更。国のためとか知ったこっちゃない。私だって1人の人間であり、人権だって存在する。


「でも初めの挨拶の時に公爵令嬢で私達の前だと権力を振りかざしても全く法には触れないのに、凄く丁寧だったから私その時びっくりしちゃって」


いやまあヴィラクス殿下はめっちゃふりかざしてたけどね。


「確かにイリスは初めは近寄り難い雰囲気は出していますよね」


……!!ミモザまで……!

チーム分けの時に話しかけてくれたじゃないか!


「第一印象なんて外れるのが普通ですし、今のイリスを知っていたら私は充分だと思います」


ミモザ……!


「そうよね。私ももっとイリスちゃんのこと知らなきゃいけないわね。もちろんミモザちゃんのことも」


そう言って意気込むエレン様。知るも何も私結構自分裏表のない人間だと思ってるのですが……。だって前世の時みたいに能面令嬢って訳じゃないし、友達いるし、家族もみんな冷遇してくる訳じゃないし、、。

もっと表情豊かにした方がいいのだろうか。


「私も気が強そうって言われることが多いし、言われたら傷つくことが多かったから、、嫌な思いさせてしまってたらごめんね」


「いえいえ、私も仲良くなりたいなと思っています。生徒会でもお世話になりますし、これからもよろしくお願いします」


じゃあ手始めに休日は何してるの?から始まり、これから紅茶を3杯くらいおかわりはしたのを記憶している。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ