52 兄も恋のキューピッド
更新遅くなってしまってすみません(汗)
「アル兄様は気づいていたのですか?」
約束通りアル兄様とルドフィル様が迎えに来てくれて私達は別れた。私は応援の眼差しでミモザを見ていたが、ミモザが気づいていたかはわからない。
そしてアル兄様と二人きりになり、ふと思っていたことを話す。
あのときは私が恋のキューピッドになったとはいえ、少し事が出来すぎているようにも思えた。自然だったため、特別違和感を感じた訳では無いが、なんていうのだろうか……。長年アル兄様の妹をやってきた感だ。
「ああ。イリスには分かったの? あいつはいつもいつもうじうじして段々腹が立ってきたから無理やり場を作らせた。イリスも協力してくれてありがとう」
やっぱり!! でもちょっと待って。アル兄様はミモザのことはあまり知らないはずだし、アル兄様は腐っても令嬢をあいつなんて言わないから……、え、えっ!?
ルドフィル様、ずっとミモザの事好きだったの!! 知らない間に両想い!
て言う事は、今頃絶対に成功しているはず。ちょっと泣けてくる。
「良かったですね。ミモザもずっと想っていたそうでしたし……」
「え、そうなの? 僕はてっきりルドフィルの思いが一方通行になっているのだと思っていたけど……」
「私もミモザの片想いかと思っていました。けれども両想いで……良かったです。私もああいう相手が現れるといいな……」
私も是非ともああいう恋がしてみたい。思い思われたい。
でもそんなのはきらきらしていて、自分には程遠い存在だと思う。
「イリスは……イリスにはきっと現れる。もう少しだから」
「? 何か言いましたか?」
ポツリとアル兄様が何かつぶやいた気もしたが、この距離で聞こえなかったということは空耳かもしれない。
あぁあ、それにしても……これはミモザが戻ってきたときにソフィアナと一緒に事情聴取だな。やっぱり恋っていうのが一番キラキラしている。
「……そういえば、アル兄様の騎士団入団式はいつですか? きっと豪華でしょう」
アル兄様は学園卒業と同時に騎士団へ入団することが決定している。入団式が華々しく行われるのであれば是非見に行きたい。きっと人はごった返しているだろうが……是非見に行きたい。
「入団式は王城で静かに行われる予定なんだ。僕は入団時期と少し離れているから、僕だけのために華々しい入団式は行えないからね」
……これは絶対に嘘だ。アル兄様は公爵令息。しかも歴代最強とまで謳われる剣士だから、一人のためだってもやろうと思えばいくらでも豪華絢爛な入団式はできる。たぶんきっとアル兄様が嫌でやらないだけだ。
でもその気持ちも分からなくはない。だって人にずっと見られているのって予想以上に辛いもん。
そんな他愛もない話をしていると予想以上に時間が過ぎるのは早く、もうアル兄様が生徒会の仕事の時間となっていた。そういえば今年の生徒会は何をするのだろう。見回りが終わってからすぐ行うって言っていたけど……予告ではホールで行うって書いてあった。ミモザと合流したらすぐに行こう。
「もう時間だ。最近イリスとゆっくり話す時間なんてなかったから久しぶりだったね。あっという間に時間が過ぎていったよ」
「本当に、驚くほど早かったです」
「学園を卒業したら……なかなかイリスと会えなくなるね」
確かに騎士団に入隊してしまえば今みたいに気軽に合うことは出来ないだろう。でも私達は血のつながった家族だし、会おうと思えばいくらでも手段はある。
「私が王城へ会いに行きます。どうせ王城にはよく登城しますし……」
それにレオトールの約束もまだ続いている。
私の魔力操作も段々と様になってきたような気はするし、まあ4歳くらいの子ができるレベルなのだけれど、彼と話す時間は自分を作らなくていいから楽だ。
「そうだね。あまりむさ苦しいところにはイリスには来てほしくないけど……僕も出来るだけ時間を作るよ」
なんて相思相愛な兄妹だ。
そんなことを思っていると、向こうの方からおーいとこちらを呼ぶ声が聞こえる。これは……たぶんルドフィル様の声だ。ということは……、と声のした方向に視線を向けるとなんと、手を繋いでいる男女二人の姿が!!
まあまあまあ!! 真っ赤になっていらっしゃるミモザのなんと愛らしいこと! 感動してこちらまで嬉しくなる。
「うまく行ったようだな」
「おかげさまで。ありがとな、アルベルト。イリス嬢もどうもありがとう」
「いえいえ、何よりも二人の気持ちが通じて嬉しいです!」
思った通りの感情を告げると、赤くなりながらも幸せそうに見つめ合う二人の姿は死人が何人か出るくらいの破壊力は持っていた。
その後、ミモザとルドフィル様の婚約騒動は少し騒ぎになったのは言うまでもない。




