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2 決心

とは言ったものの、何をしなければいけないのか……。


と、とりあえず過去のことを少し整理しよう。嬉しいことにここには紙もインクもたくさんあるのでね。貴重品らしいが、、別に誰も来ないし好きに使ってもいいだろう。そんな貴族が手が出せないほど高いものってわけでもないし。



まず、私の過去の死亡原因。



一度目……エルアティナ国第一王子、ヴィラクス殿下が愛するマリアナ子爵令嬢をいじめた罪で処刑。


二度目……エル…以下略、ヴィラクス殿下が愛するマリアナ子爵令嬢を暗殺しかけた罪で処刑。


三度目……ヴィラクス殿下が愛するマリアナ子爵令嬢をいじめた罪で国外追放され、途中で山賊に殺される。


四度目……理由がわからないまま暗殺。


うわあぁぁぁ


書き出してみると結構残酷だな、おい!

しかも理由がわからないまま暗殺って……。それでいいのか、私よ。しかもいじめただけで国外追放? この国終わってるわ。



……気を取り直して、次に直接関わりのあった人達だ。



ヴィラクス・エルアティナ


この国の第一王子。

・私と同級生で、6歳のときに婚約が結ばれる。

・学校の卒業パーティーで婚約破棄をつきつける。



マリアナ・ラスケル


・ラスケル家 子爵令嬢

・ヴィラクス殿下のそばにずっと一緒にいる。

・何回かの処刑では、私がマリアナ子爵令嬢をいじめた罪で処刑。



アルベルト・ラナンキュラス


・ラナンキュラス家 公爵令息

・私の兄、私より3つ歳上。

・アルベルトが9歳のときにヴィラクス殿下の側近に選ばれる。



ふう、ざっとこんなものかな。

ペンをおいて自分で書いたものを見つめ返す。


一度目の処刑は私がマリアナ子爵令嬢をいじめたからだ。これは事実。

一度目の人生では誰かに愛されたかった。そして初めて優しくしてくれたのがヴィラクス殿下だったのだ。だからヴィラクス殿下に愛されているマリアナ子爵令嬢が憎かった。今考えると、我ながら幼稚な理由だなーって思う。


でも二度目の人生からは私がいじめたとして処刑されたけど、いじめなんて一度もやっていない。

三度目からは諦めた。結果もがいたって無理なんだってどこかで悟って。

でもよくよく考えてみるとおかしな話だよね。なんで私は何もしてないのにいじめたって言われたの? とくに公爵令嬢として恥はかかない程度に生きてきたのに、位が3つくらい下の子爵令嬢にとやかく言われても国外追放されなきゃいけないのか。ま、今考えても仕方ないか。


ひとまずこれから何をしておかなければいけないか考えなくては。


目標を立てていこう!


まず一つ目、近づかないこと。

これが一番だよね。

だけどね、私もそんなに馬鹿じゃないから学習したんだよ。一回目の人生でね。だから二度目の人生からは近づかなかったのだよ。でも向こうから必要以上に近づいてきた。これは不可避……。


と、いうのをふまえたうえで、

二つ目の目標は華麗に返せる術を身に着けようと思う!

いかにもわかりやすくその場を回避したらどうせあとで色々言われるんだよ。だからこう、スムーズにできるように知識を蓄えておこう。


三つ目、証拠を掴んでおく。

二度目の人生ではあらぬ噂で私がやったことになってたからな……。

証拠は色々と見つけておいて損はない。ただ気をつけなければいけないのが証拠見つける際に不自然な動きしない。どうせまたとやかく言われる。


四つ目、逃げる場所を作っておく。

なんだかんだ言ってもこれが一番大事だ。

勝手にやってない罪を押し付けられて、勝手に処刑されて、、私の人生ほんとに終わってるからね。

逃げ場所は作っておかないと。


さて、ここで皆さん疑問に思った人もいるだろう。

なぜヴィラクス殿下と婚約を結んでいるのか。なぜ、断罪される前に破棄しないのか。


私もそれが一番大事手っ取り早いと思うんだ。でも無理なんです……。

これは、過去の私がそう呟いている。




そもそも、なぜこんな呪われたような外見をしている私に婚約の話が来たのか。


エルアティナ国の爵位は上から順に、

公爵→候爵→伯爵→子爵→男爵

となっている。

そして、この国にある公爵家はラナンキュラス家を合わせると三つしかない。

そこで歳が一番近くて、身分的にも釣り合う私が選ばれたわけだ。

一応ラナンキュラス家は、私の存在を公表している。あとあと何かに使えるかもと思っていたそうだ。死ぬ前に言われたことがある。表向きは体が弱いから外に出られないということにしているらしい。


前に婚約を解消してくれないかと頼み込んでみたけど……だめだった。

一週間くらいご飯抜かれたな。あれは辛かった。ただでさえご飯少ないのにもう骨よ、骨。

王家と関わりを持つと色々と便利なんだって。

結局解消はしてくれないし、下手したら餓死するわ!!

そういうことで、諦めるしかないよね……。



さあ、荒削りだけど目標は決まった!


唯一関わりがありそうな私の兄、アルベルトは多分今は私の存在を知らない。だからとりあえず無視!


知識をつけることは大事だから、この部屋の本を全部読んでみようかな。今までは読もうと思ったこともなかったけど。


よし! 今回は長生きするぞー!!

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