プロローグ
皆様こんにちは。
今回はプロローグなので少し静かめに。
結構長くなる予定ですが、良ければ最後までお付き合いください。
今日の朝頃にまた投稿します。
「こちらを見ないで!! 穢らわしい!」
「なぜこんな子が、この家に産まれてきたんだ……お前のせいで私達の人生は台無しになってしまった。何も出来ないくせに何故のうのうと生きている」
薄暗い小さな部屋。少しの間私の部屋だったところ。そこでは、聞くにも堪えない罵声が飛び交っている。
この人たちは私の両親だ。これは、まともに受け取るだけ無駄なのだと理解したのはいつだっただろか。
私はそんな両親の言葉を静かに聞いていた。ただ、いつにもましてかけられる声が酷い。
ああ、そうか。今日はあの日だ。私は生まれたときからこのあとに何が起こるかを知っている。
そろそろかなと思うと案の定、自分が思っていた通りの言葉が父の口から出てきた。
「イリスには、ここから少し離れた「離れ」へと移ってもらおう。そうすれば顔を見ることもないし、ましてや殺すわけでもない。いい提案だろう」
と。
もう何度も聞いているから何も感じない。悲しい、寂しいという感情はとうの昔に忘れてしまった。
こうして私はみんなの部屋とは少し離れた小さな屋敷へと隔離された。
ラナンキュラス家 公爵令嬢
イリス・ラナンキュラス
これは私の名である。
なぜこんなにも散々と言われているのか。それは私の人とは少し異なった外見をしているところにある。
白いのだ。
髪も瞳も肌も何もかも。
しかも髪はただの白じゃない。光の当たり方によって見え方が変わる、不思議な色をしている。
この世界では薄いブラウンや赤色など、様々な髪の毛の色がある。が、白はいない。
そんな髪の色は人間ではなく、人間のなり損ないだと、近寄るなとさんざん言われ続けてきた。
そしてそれを私は信じて疑わなかった。何故こんな色で生まれてきてしまったのか。ただの白ならまだ良かった。光の加減で色が変わるなどこの世のものではない、それこそ悪魔のような色だ。それに私の瞳の色も同じような色合いをしている。この髪色と瞳のせいで私は両親から捨てられた。
見るのも嫌だったらいっそ殺してくれれば良かったのに。
悪魔のような私を殺したら公爵家が呪われるから、だの、なんとも馬鹿らしい理由で私を生き殺しにしている。
また憂鬱な人生が始まったと、一人でそっとため息をついた。
今の私は、これからの人生が大きく変わることをまだ知らない。
次回からは結構明るいです。
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