表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

下水道の強姦魔ー1

マイナーなつからポピュラーな奴らまで沢山出したい。

近未来海上独立都市『ル・リエー』のA区画の下水道。

薄ぼんやりとした灯りが照らす不浄の通路を恐怖に顔を引き攣らせ、息を荒げながら走る30代程の女性がいた。

余り特徴の無い女性だ。強いて女性の特徴を挙げるなら着ている服特にスカートや下着、スパッツが見るも無惨に…一歩間違えば痴女と間違えられそうなレベルでボロボロ…否、ズタズタにされている事だろう。

女性の服は何者かに無理やり引き裂かれたかの様な有様だった。

女性は何かから逃げる様に下水道を駆け抜け、石に躓いて転び。

後ろから迫る気配と足音に焦りながら背後を向いたのを最後に女性の意識は途絶えた。





場面は少し変わってA区画の下水道の簡易的に錠前と鎖で封鎖されている入り口。

その前に私立ユトグタ学園高等生の制服を着たよく言えば目に優しい悪く言えば凡庸で普通…特徴と言った特徴の無い見た目だ。

少しだけ跳ねた黒い短髪、低い鼻、覇気のない細められた黒目、中肉中背に置き勉でもしているのか見るから軽く中身の殆ど入ってない学生鞄を片手で持っている。

もう片手でスマホを持ち何らかの内容を立ち読みしているのも彼の”普通の高校生さ”を強調しているのだろう。

余人に彼の良さを上げさせてもこれと言った意見も出ず逆に悪さを上げられる事もない様な存在。

顔から始めスタイルや雰囲気さえ記憶に残り辛いくらい普通だった。その立ち振る舞いすら軽い猫背が気怠さを言葉にせずとも言い表している有様だった。

陽キャか陰キャかを聞かれれば誰もが事実を指摘する事の気まずさに口籠もりながらも陰キャと言われる様な男性。


下水道入り口前でスマホに映る何らかの内容…「ル・リエーの怪しげな噂話を集めたWebサイト」を読んでいた。

彼が見ているWebページには「多数の女性の失踪…誘拐か?!」「八つ裂きにされた様な男性の死体…凶器は不明…現代のジャック(正体)・ザ・(不明)リッパー(連続殺人)事件」等書いてある。


読めば判る事だがこれ等の記事は全てここ最近の最も目新しいA区画の下水道付近の噂話や事件だった。

勿論この中には事実も無根の意味のない内容も多数ある。

不思議な事に彼はその中から最もあり得る記事を見抜いている様だった。


「…当たりはつけたけど…生きてる人はまだいるのか……」


それ以上にそもそもどれだけ()()()()()()しているのか。

第一奴等以外にも何がいるかによって面倒くささも危険度も変わる。

とは言え限りなく可能性は低くても集めれるだけ情報を集めなければ何故ループしているのかにたどり着けない。

暫くはか細い糸にも縋る必要があるだろう。


そう愚考しながら溜息を吐き、彼は魔術【ヨグ=ソートス(不可視)()こぶし(衝撃波)】で錠前と鎖ごと金属製の扉をへし折り捻じ曲げて開いた隙間を通り抜けていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ