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強力な援軍を連れてきた‼︎

「待たせたな菅原、強力な助っ人を連れて来たぞ‼」


僕は二人を連れ意気揚々と戻って来たが、菅原は無反応であった。


パイプ椅子に座りながらガックリとうなだれていた菅原は


ゆっくりと顔を起こし生気の無い虚ろな目で僕達を見つめた。


「誰、その人達?ウチの学校の生徒じゃないわね……」


そうか、美月もさやかちゃんも変装しているからさすがの菅原でもわからないか。


「確かにウチの生徒じゃないけど、この際仕方がないだろう⁉」


「まあ、その事は別にかまわないけれど……でも、私達の出番までもう一時間も無いのよ


そんな短時間で歌とかダンスとか覚えられるわけないじゃない


何処の誰なのかは知らないけれど、あまり【お台場坂49】を舐めないで欲しいわね」


絶望的な状況に追い込まれている菅原は助けに来てくれた二人に対して辛辣な言葉を投げつけた


勿論菅原のいう事は至極当然の事であり常識的に考えればそうである


だが僕の連れてきた二人は常識を超越した人物であることを菅原はまだ知らないのだ。


「【お台場坂49】を舐めているのは貴方じゃないの?」


「誰に向かって話しているのかしら?」


美月とさやかちゃんは変装用のカツラと眼鏡を外し皆の前に正体を見せた


その瞬間そこにいた者達からざわつきが起こる、菅原などは飛び跳ねる様に椅子から立ち上がり


目を丸くしながら驚きを隠せない様子だった。


「えっ、何で⁉嘘でしょ、月島美月と大橋さやか⁉どうして【お台場坂49】のツートップがここに⁉」


見ていて気の毒な程仰天する菅原だったが、そこに気を使っている時ではない。


「この二人ならば異存はないな、菅原?」


「えっ?そりゃあ、勿論……でも。どうして?」


「すまないが説明をしている時間がない、すぐに打ち合わせに入りたい、いいな?」


「えっ、うん、いいけど……」


まだ頭が混乱し戸惑いを隠せない菅原を尻目に僕は美月とさやかちゃんと打ち合わせを始める


まず美月が立ち位置の確認で質問をしてきた。


「で、欠員が出たのは何処のポジションなの?」


「二番と五番だよ」


「二番が空いているなら私はそのまま二番に入るわね」


「ああ、お願いするよ、さやかちゃん」


「じゃあ私は五番か……美香のポジションをやればいいのね?」


「うん、頼むよ。いつもの一番との違いはわかるか?」


「何となくはね、でも完全では無いからチェックするわ。細かく教えて頂戴


ところで圭一、セトリはどうなっているの?」


「この〈学園祭〉で披露するのは全部で三曲、【虹色ハッピーデー】、【幸せのカケラ】、【セフティーラブ】の三曲だ


まず一曲目の【虹色ハッピーデー】は、曲の出だしからAメロの最後まで振り付けは一番と同じだけれど


サビ前の部分で普段の美月だと一番から0番に移動するところがあるだろう?


しかし五番の場合、五番から七番に移動して曲終わりに十番に移動して左回りにターン


その際いつもの腕をクロスするポーズではなく右手を上げる、それこそ右手を天に突き上げるイメージで


二曲目の【幸せのカケラ】は……」


僕が美月に細かな説明をしている時、周りのみんなは唖然としてその光景を見守っていた


ようやく正気に戻った菅原が僕と美月の話に割り込んでくる。

 

「あの、美月さんが出るのでしたら、私が五番をやりましょうか?


それでしたらいつもの美月さんが一番、さやかさんが二番という形で普段通り治まると思うのですが……」


正直、ライブの成功だけを考えればその提案通りにするのが正解だろう


この時間の無い現状を考えればその方が、遥かにリスクが少ない


その場合、五番に下がる菅原が変更する振り付けを覚えるのが大変だが


一番に比べて五番は注目度が低いし、ましてや美月がセンターをやれば誰も菅原には注目しないだろうから


多少のミスは気にならないはずだ、しかし……


「ダメよ、そんなの」


僕が言葉を発するより早く、美月が真剣な表情で答えた。


「しかし、美月さんが居るのに私がセンターって、見ている人が不審に思うのでは?」


菅原は恐縮気味に問いかける、しかし美月は一歩菅原に近づくと再び口を開いた。


「事情は圭一から聞かせてもらったわ。貴方【お台場坂49】に入りたいのでしょう?


ご両親に認めてもらいたいのでしょう?だったらチャンスを人に譲る様な真似をしては絶対にダメよ」


「で、でも、私は今回、両親にちゃんと見てもらいたいって思っているだけで


一番でも五番でもそれは同じだと思うのですが……」


すると、その会話を聞いていたさやかちゃんが突然笑い始めた。


「ハハハハハ、馬鹿じゃないの。一番と五番が同じ?そんな訳無いじゃない


全然わかっていないのね。センターとそれ以外では天と地ほど違う、それこそ神と人間ぐらい違うのよ」


「さやかの言う通りよ、そもそも貴方は【お台場坂49】に入りたいのでしょう?


だったらこんなチャンスを逃す何て愚か者のすることよ」


【お台場坂49】のツートップに諭され困惑気味の菅原。


「チャンスってどういう事ですか?【お台場坂49】に入るには


オーディションを受けて合格するのが唯一の方法のはずですよね?」


「表向きはね。でも考えてみなさい、このライブには私とさやかが出るの


テレビカメラは無いけど誰かがスマホなどで撮影しSNSを中心にこのライブが拡散されるはずよ


ネットやテレビでも取り上げられるでしょう。そうなった時に必ず話題になるわ。


〈あのセンターで歌っているのは誰だ?〉と。そのパフォーマンス次第では


【お台場坂49】に入る前にファンが付く可能性だってある


そうなったら【お台場坂49】の運営側だって無視できない、話題性と実力


そしてファンさえついてしまえばそれこそオーディションも形だけのもので


〈事実上内定〉という事もあり得るのよ」


思いもよらない展開に言葉を失ってしまう菅原


しかし根が真面目な菅原は納得できなかったのか、食い下がる様に反論した。


「でも、それってずるくないですか?他の人はちゃんとオーディションを受けて


【お台場坂49】入りを目指すのに、私だけそんな……」


釈然としない菅原の言葉を聞いてさやかちゃんが再び笑い出した。


「ハハハハハ、わかっていないわね。普通にオーディション受けたとしても貴方は確実に落ちるわよ」


その辛辣な言葉に愕然とする菅原であった。




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― 新着の感想 ―
[気になる点] 委員長のともよちゃんの苗字は何と読みますか? [一言] 実績抜きでお台場坂49には入れないということですね。ともよちゃんは損な考えをしていたのですか。
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