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次の波乱を予感させた‼

「詩織が泣いているというのに、アンタは何をやっているのよ‼︎」


僕の胸ぐらを掴みながら鬼の形相で問い詰めてくる美月。


「いいから少し冷静になれ、もう少し落ち着いて……」


「いいから答えなさい、詩織を放っておいてアンタは何をやっていたのよ‼︎」


「何って……そりゃあ【お台場坂49】のライブを見に行っていたんじゃないか」


「泣いている彼女を放っておいて、そんなもの見に行っているんじゃないわよ‼︎」


「お前がそんなものといかいうな‼︎……じゃなくて、とにかく落ち着け」


興奮状態の美月をなんとかなだめようと必死に説得してみたが、僕の声は全く耳に入っていない様である。


会話の通じない状態で胸ぐらを掴まれながら激しく揺さぶられる僕。


もうどうしていいかわからず困っていると


美月は急に僕の服の袖を握りうつむきながら小さく震え始めた。


「詩織、泣いていたじゃない、何やっているのよ、圭一。詩織が泣いて……」


やっぱり原因は僕としおりちゃんの喧嘩だった。全くこいつはしおりちゃんのこととなると


我を忘れるというか見境ないというか……だがダメだ、このままじゃあ。


周りに人が集まり始め、何やらザワザワと話す声が聞こえてくる


スマホを取り出してこちらを撮影している奴まで現れ始めた、マズいぞ。


「一旦外に出るぞ、美月。ちゃんと説明するから」


もはやなりふり構ってなどいられない、強引に美月の腕を引っ張り外へと向かう僕


側で見たら完全に痴話喧嘩だ。だが【お台場坂49】では恋愛沙汰は御法度である、


もしこんな事でスクープとかニュースとかになることだけは避けたい


こんな訳のわからない誤解で美月をスキャンダルに巻き込み芸能生活に支障をきたすことになったら


全国の【お台場坂49】ファンに顔向けできない。


「すみません松永さん、事情は後で説明しますから」


「えっ、ああ……」


松永さんをはじめ呆然とするさやかちゃんファン達を尻目に


美月の手を引っ張りながら外に出て急いでタクシーを拾う。


「すいません世田谷区の深沢〇〇丁目に行ってください」


急いでタクシーの後部座席に乗り込む、だが美月は僕の服の袖を掴んだまま離さない


それとも離せないのだろうか?


「詩織が泣いているのよ、私何もできない、親友なのに……


いつも助けてもらっているのに、何もできないのよ……」


タクシーの後部座席で小刻みに震えながら独り言の様に呟く美月。


コアな【お台場坂49】ファンですらこんな姿はみたことがないだろう


さっきまでドームでさっそうとしたパフォーマンスを披露していた人物とはとても思えない


ステージ上ではいつも凛としていて自信に満ち溢れている【お台場坂49】の絶対的エース


それがこんな風に変貌してしまうのである。美月にとってしおりちゃんはそれほどの存在なのだろう。


「しおりちゃんが泣いているのは僕の責任だ、だから僕に任せてくれ。必ずなんとかするから」


悲壮感を漂わせ激しく動揺している美月を少しでも落ち着かせようと何とか説得を試みるが


美月は僕の言葉を真っ向から否定するかのように激しくブンブンと首を振った。


「信用できない、圭一は、信用できない……」


まるで呪いの言葉の様に低い声で語る美月、今回のことでますます僕の信用は失墜してしまったか……


いや元々僕に対しての評価は最低のどん底だっただろうから


今回の事が無くとも信用など全くなかったのだろう。


そんな事を考えていた時、美月が力ない声でボソリと僕に話しかけてくる。


「圭一のスマホを貸して……」


独り言の様な小さくか細い声で思いもよらない要求をしてきた美月。


「僕のスマホを、なんで?」


「自分のスマホを楽屋に置いて来てしまったのよ……だから貸してよ」


虚ろな眼差しのまま、まるで生気の感じられない表情で僕に頼みごとをする美月


いつも強気の美月にこんな顔されたら従わないわけにはいかない。


僕は渋々スマホを差し出すと、美月はひったくるように僕の手から奪い取り、何やら色々いじりだした


しばらく放っておいたがどうにも気になってきてチラリとスマホの画面を覗いてみる


するととんでもないモノが僕の視界に飛び込んできたのである。


それはラインの画面だった。相手はもちろんしおりちゃんである


そこにはこう書かれていた


〈僕圭一、もう別れよう、君ほどの女性は僕のような虫けらにはもったいない


君は美月といつまでも幸せに暮らしてくれ、僕は君と美月の幸せを祈っている BY虫けら〉


「テメ~、何書いていやがる‼︎」


僕は珍しく声を荒げ慌ててスマホを奪い返した。


あと数秒遅れていたらこのメッセージがしおりちゃんに届いていたかと思うとゾッとする


当の美月は不機嫌そうに僕を睨んできたが今回ばかりは僕も睨み返した


怒りたいのはむしろ僕の方だと思うけど、間違っていますか?



色々なやり取りがありながらも、情緒不安定な美月をなんとかなだめながら自宅マンションへと無事送り届けた。


だがこうしてはいられない。しおりちゃんとの仲を早急になんとかしないと……


僕は改めてしおりちゃん宛にメッセージを送る、内容は〈ちゃんと話をしたい、電話してもいいですか?〉


という内容だ、しかししおりちゃんからの返事はなかった。ヤバい、思った以上に良くない状況だ


このままでは……僕の心の中に黒い暗雲が立ち込めてくる、なぜだ、どうしてこうなった⁉︎


どれだけ考えてもわからない、答えの出ない自問自答を繰り返しながら


僕はモヤモヤした気持ちのまま一晩中しおりちゃんからの来ない返事を待ち続けた。



一方その頃。別の場所ではとんでもない事態が起ころうとしていた。


それはドームライブを終えた【お台場坂49】のメンバー達が集まっている楽屋裏での出来事


メンバーの一人が血相を変えて楽屋に飛び込んできたのである。


「ちょっと、大変よ‼︎」


「どうしたのよ、美香。そんなに慌てて」


「ちょっと聞いてよ、さやか。さっき姫がステージ衣装のまま慌てて飛び出して行ったじゃない


そうしたらこんなことになっていたのよ⁉︎」


美香と呼ばれるメンバーがスマホの画像をさやかちゃんに見せた


するとそこには僕のむなぐらを掴んで激怒している美月の画像が写っていたのである。


「何よ、これ……」


「よくわかんないのだけれど、近くのファミレスでの出来事だったみたい


聞いた話だと、どうもさやかのファンの集いの中に姫が怒鳴り込んでいったみたいよ」


「私のファンの?どういうこと?」


「わかんないよ。でも大丈夫なの、コレ?」


メンバー達はこの緊急事態にどうしたらいいかわからず皆不安な表情を浮かべていた。


【お台場坂49】の中心である美月がスキャンダル騒動にでも巻き込まれると


チームそのものの屋台骨が崩れかねないからである。


【お台場坂49】の運営側に相談すべきなのか、美月の事務所に報告するのか


それとも美月本人に問いただすべきなのか。


しかしその選択を間違えるととんでもない大事になってしまう事はわかっていた。


それ故に【お台場坂49】ナンバー2であり副リーダーでもあるさやかちゃんに決断を委ねたのだ。


さやかちゃんはその画面をジッと見つめしばらくの間何かを考えていたが


意を決したかのように立ち上がり皆に向けて語り始めた。


「みんないい?この事に関しては〈知らぬ存ぜぬ〉で通して。くれぐれも迂闊な発言とか書き込みは控えてね


私の方でこの事態の真相は調べておくから。この件は私に任せて頂戴」


こうしてさやかちゃんが預かるという形でその場を収めた


しかしそれはこの先の波乱を予感させるだけのものでしかなかったのである。


頑張って毎日投稿する予定です。少しでも〈面白い〉〈続きが読みたい〉と思ってくれたならブックマーク登録と本編の下の方にある☆☆☆☆☆から評価を入れていただけると嬉しいです、ものすごく励みになります、よろしくお願いします。

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