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異世界王国と放浪少女と百合  作者: 山木忠平
2章 商人と親子
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パーティ結成 1

 翌日、僕は冒険者ギルドにある大きな掲示板の前にいた。

 そこには所狭(ところせま)しと依頼書が貼り付けられており、冒険者ランクなどの条件をクリアする依頼を受けることが出来る。


 僕が探している隊商護衛依頼も数件あって、条件も先日受けたものと同じようなものだった。


 結局この前は、ノラ達の好感度を上げる事がメインになって、商人はそっちのけで終わっちゃったんだよねぇ。

 あ、それが悪いとかは全く思ってないよ? おっさんと美少女がいたら、美少女の方に行くのが当然でしょ~。


 だからまぁ、もう一度受けてみてもいいと思ったんだけど……うーん、どうしようかなー。

 このまま受けたってさぁ、次もたぶん商人に興味持てないよ……。


 ――いや、そうか。おっさんの商人から依頼を受けるからダメなんだよ。

 美少女な商人の依頼を探せばいいじゃん!



「って、依頼人の外見に関する情報なんてどこにも書いてないよねー」



 行き先とか必要なランクとか報酬の額とか、注意事項とか……。

 はぁ、どうでもいいことは書いてあるのに、重要なことが抜けてるよこの紙切れ。


 あーあ。やる気なくなったし、もう宿に帰って寝ようかなぁ。

 それで、夜になったら昨日の酒場に行ってみよ~。


 ずっと料理担当だったカルラは顔も見れなかったし、今日は会えるといい――。



「いいじゃんか! 仲間は多い方がいいだろ?」



 と、この後の予定を考えながら出口に向かっていたら、少女の大声が聞こえたきた。

 声のした方には、小学生くらいの少女と四人の若い男達がいる。


 今の声はあの()のものみたいだ。

 仲間どうのって聞こえるから、彼らのパーティにでも入りたいのかな?


 ふむ。周りの冒険者達は見てるだけで、止めるつもりはないみたいだね。

 というか見世物になってるし、じゃあ僕も見物させてもらおっと。



「あー分かった分かった。だがワリィけどよ俺達、ガキのお遊びに付き合ってやれる程暇じゃねぇんだ。

 冒険者ごっこがしたいなら、広場で遊んでるガキ共でも誘ってくれよ」


「……ガキって、あたしのこと言ってんの?」



 どう見ても子供にしか見えない少女は、男の言葉に不満そうだ。


 きっと背伸びしたい年頃なんだろうねー。

 でも、赤紫色の髪をサイドテールにしてるところなんて、幼さが強調されてむしろ可愛さアップだと思うけどなぁ~。



「お前に決まってんだろ。他に誰がいるんだよ?」


「はぁ、人間ってヤツはどいつもこいつも……ハイ、まずはコレ見て。

 耳の先、尖がってるでしょ? で、この小柄な体型。もう理解できたと思うけど、あたしはドワーフなの。

 だからガキじゃないし、てかあんたらより長く生きてると思うよ?」



 あホントだ。エルフみたいに耳が長いわけじゃないけど、先の方が尖ってるね。

 んーと……? ドワーフの特徴ってそれだけ? 


 もうちょっと異種族感が欲しいなぁ、とか思わないでもないけど……髭モジャよりは、こっちの方が可愛いか。



「ドワーフか……。おい、どうする? 入れてやるか?」


「……俺達五人で十分じゃないか? あまり多くなっても、連携が取り辛くなるだけだぜ?」



 相手がドワーフだと分かったことで迷いが生じたみたいだけど、結果は変わらなかったみたいだ。


 うーん、何か反応が微妙っぽい?

 エルフと比べると、ドワーフはそこまで特別感ないらしいね。


 アレ? "五人"? ……ああ、ホントだ。

 四人しかいないように見えてたけど、彼らに囲まれて見えてなかった位置にもう一人いたよ。



「ですねぇ。リーゼもぉ、パーティメンバーはこのままがいいですぅ。

 あんまり多くなっちゃいますとぉ、みんなのことを深く知れなくなっちゃいますからぁ」


「っ! そ、そうだよね!

 リーゼちゃんのいう通り、まずはお互いのことを知ることが大事だよな! なっ、みんなっ?」


「ああっ」「だよな~」「うんうん、俺も賛成!」



 まるで砂糖菓子のような甘ったるい声が聞こえたと思ったら、四人の男達はその言葉へ即座に同調し出した。

 声の感じからするともしかして――うん、思った通りだ……! 五人目は可愛い女の子だね~。



 少し立ち位置を変えてみれば、ピンクのふわっとした髪をツインテールにした少女が男達の中心に立っていることが確認出来た。

 周りの男達より頭一つ分小さいために、完全に隠されていたようだ。


 冒険者というより、普通に街中を歩いていそうなおしゃれな女の子……ガーリッシュって言うのかな?

 そんな服装をしてる。なんとなく庇護欲を掻き立てられる娘だね。



「そ、それも一理あるけど、一人くらい増えても変わんなくない? だからさ――」


「あのぉ、準備もしたいですしぃ、これからみんなでお買い物に行きませんかぁ?」


「ああ、もちろん行こう! ……あ、荷物持ちなら俺に任せてくれよ? 力には自信あるんだぜっ」


「――は? えっ、ちょっと待てって!?」



 そして、話の途中にもかかわらずに置いて行かれるドワーフの少女。

 彼女の加入交渉は見事に失敗したっぽいね。

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