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異世界王国と放浪少女と百合  作者: 山木忠平
2章 商人と親子
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思索 3

 朝食が終わっても二人が一向に戻らないので、僕は一人で街を散策することにした。

 ユリアはかなり取り乱してたし、説得に難航するのも仕方ないよね。



 ああそれと、よくよく考えてみたんだけど……修羅場展開で死ぬ作戦はやめることにしたよ。


 数日前はそれもいいかなって思ったんだけど、この身体はワイバーンの攻撃を受けても無傷だったわけだし、「ユリアの細腕で殺すなんて無理じゃないか?」ということに気付いたからね。

 魔法を使ったとしてもいけるかどうか怪しいし、何より試してみて上手くいかなかったら、皆に怖がられるだけで終わるしさ。


 そもそも僕に害意を全然向けてこなかったし、その時点で成功するわけないんだけどね。



 さて、せっかく一人で街をうろついてるんだし、気分を変えてさっきの話し合いを振り返ってみようかな。


 まずはノラの事だけど、過去に大切な妹さんが殺されたってことが重要なのかな。

 その娘の事が忘れられないから、出会った時には助けてくれたり、ユリアによれば同じような事を他の人にもしてたみたいだからね。


 う~ん。とはいえ、妹の代わりを探していたって解釈は行き過ぎな気もするよね。

 だって、妹だと思うなら体を求めたりなんてしないだろうし……いや、そういうこともあるのかな?


 ふむ、妹が性的対象として有りか無しかと言われれば…………断然アリだもんねぇ。



 えーっと、話を戻してと。

 ノラは妹に似た人を助けてそれで何がしたかったのか、ということが僕にとっては大事なんだよ。


 で、きっとそれを解く鍵は、ゴブリンに対して異様な敵意を持っている事だと思うな。

 彼女は、妹を殺したモンスターがゴブリンだとは明言してはなかったけど、その事が原因でアンチゴブリンになったと考えるのが自然じゃないかな?


 だとすると、見つけたゴブリンを倒すこと……もう少し広げて、モンスター全般を倒すために冒険者になったとかだったりして……。

 そして、さらには襲われている人を救うことが出来れば……もしかして、罪滅ぼしだったり?


 なるほどね。昔助ける事が出来なかった妹への贖罪(しょくざい)として、同じような状況の人を助けていたってわけだね。



 んー、なかなかいい推理じゃないかなぁ。


 何と言っても贖罪って響きがいい感じだよね! 僕もそういう生き方をしてみようかな~?

 ……あーでも、それには何かしらの罪がないとダメだよね?


 困ったなぁー。僕は悪いことなんて何もしてないから、償う罪がなかったよ。

 残念だけど、僕の生きる理由としては不適当だったね。ホント残念だな~。



 ノラの事はこの辺でいいかな。


 じゃあ次はユリアについてだね。彼女は……ノラが好きってことくらいしか分からないや。

 さっきは色々と責めることも言ってたけど、きっとあれは恋心の裏返し? みたいなもので、愛ゆえにってやつなんだろうね~。


 それ以外には……んー、今までノラにばかり注目してたから思い付かないね。


 え、体の感触や顔にはしっかり注目してただろって?

 ……いやだってさ、仕方ないと思わない?


 ユリアは本当に可愛いし……正直に言ってしまうと、ノラよりも好みなんだよねぇ~。

 そうか。だったらさ、ユリアは僕の妹にすればいいんだよ!


 そうすればノラの妹が僕で、僕の妹がユリアになって丸く収まるでしょ~?

 ……ならない? あ、はい。そうですか……。



 まあ、とりあえず言いたいのは、ユリアが次の攻略目標って事だよ。

 あっ。もちろん彼女が好みだからってだけで決めたわけじゃないからね?


 ユリアはきっと恋愛で生きていると思うんだよ。


 だからかなぁ……そんな彼女を見てたら、僕がノラに向けているものが恋とか愛とかっていうのとは別次元だという気がしてね。

 何と言うか、肉欲? 情欲? って感じの、ヤれたらそれでいいみたいな刹那的な感情っぽいよね。


 いや、それが悪いとは思わないけどさ。



 要するに、結論は何かって言うと……。



「彼女が抱いてるような強い恋愛感情って、割と参考になるかもしれないなぁ」



 って、感じだね。

 ……空を(なが)めながらつぶやいたら、近くの通行人に変な目で見られたよ……。



 さ、さあて、今後の方針も決まったし、そろそろ宿に戻ろうかなー。

 もうユリア達だって戻って来てるよね。

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