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わたしはタダの侍女ではありません  作者: タカハシあん


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44 魔法伝授

 自分の指から水が出たことに驚くミニオさん。


「え? え? なんで!?」


「魔力があって出し方がわかれば出せますよ」


 よほどの特異体質でなければこの世界の者なら可能なこと。と、おばあ様が言ってたわ。まあ、今のは強制的にやらせたんだけどね。


「ミニオさんは特に水の魔法に適してますから、鍛えれば人が入れるくらい水を出せると思いますよ」


 魔力は量と言うより質が重要だ。質がよければ魔力量が少なくても効果は絶大よ。


 ……ちなみにわたしの魔力は量も質も人の域を出ているらしいわ……。


「ま、魔法を覚えるには学校に通わなければ無理なはずでは……?」


 学校? 学園ではなく?


 おば様とおじ様の子、ハドリーお兄様やミジーお姉様が貴族が通う学園に通っていること知っているし、魔法を教えているのも知っている。けど、学校と言うのは初めて聞いたわ。


 学校と学園ってなにが違うのかしら? 学ぶところとなのはわかるけどさ。


「わたしは通わなくてもこうやって学びましたよ」


 おばあ様はわたし以上に人の域から出てるので強制的に覚えさせるのも……あれだ。うん。ちょっと言葉にはできないかな……。


「……こんな簡単に使えるなんて……」


「魔力と素質がないと簡単に、とはいきませんけどね」


 使えることは使えるけど、魔力と素質のある人と比べたら差は大きいでしょう。同等になるには相当の努力は必要でしょうね。


「仕事に支障ないていどに鍛えてみてください」


 慣れないうちは魔力を使うと疲労する。加減を間違えたら気絶するかもしれないわね。


「は、はい。鍛えてみます……」


 指先から水を出すミニオさん。体に覚えさせたとは言え、すぐにできるのは素質があるからでしょうね。


「あ、あの、わたしにもできるでしょうか?」


 わたしたちを見ていた侍女さんたちか迫って来た。


 ……裸の女性が迫って来るってちょっと怖いわね……。


「ま、まあ、覚えることは可能ですよ。覚えてからは各自の努力になりますけど……」


「教えていただくことは可能でしょうか? もちろん、お礼はさせていただきますので!」


 お礼はともかくこの状況で断れる者はいない。教わりたい人……は全員でした。皆さん、向上心がおありで……。


「では、皆さん。近くの方と手を繋いで輪になってください」


 って、服を着てからにすればよかったわね。裸の女性が手を取って輪になってるって異常な光景だわ……。


「皆様方にわたしの魔力を通します。人によって感じ方が違うので慌てないでください。体に害はないので」


 全員を見回し、心の準備をさせる。


「では──」


 右手から魔力を放ち、十八人いる侍女さんを通して左手から受け取る。


「手を離してください」


「これで終わり、ですか?」


 ちょうど向い側にいるナタリーさんが半信半疑に尋ねて来る。ってことは水の魔法の素質は薄いかもしれないわね。


「わかった方は水を出してみてください」


 今のでわかった人は素質がある人だ。


 それで出したのは四人。結構少ないわね。水の魔法はそれほど難しくはないのだけれど。


「四人の方は抜けてください。残りの方はまた手を取ってください」


 また見回してから魔力を通す。今度は火の魔法だ。


「今のがわかった方は、手のひらから出してみてください」


 それでできたのは九人。偏りすぎじゃない?


「火は水を沸かせることもできます。このように──」


 小さな火の玉を出してお湯に放つ。


 ただの火なら入れた瞬間に消えるでしょうが、魔力を帯びた火はすぐに消えたりはしない。魔力によって水を弾いているからだ。


 三つ数えるくらいで披露玉は消えてしまったが、その間の熱は水に伝わっている。これをやればお風呂になるわ。


「火を出した方は外れてください」


 残りは五人。今度は風の魔法を流した。


 大抵の人なら水、火、風は使えるので、五人も風の魔法を使えるようになった。


「風は髪を乾かすこともできますし、風を操れば埃を集めることもできます。試行錯誤してみてください」


 水も火も試行錯誤すればいろんなことができる。皆様の努力を応援しております。


 皆さんが魔法に気を引かれている間に体と髪を洗っちゃう。奥様たちをいつまでもお風呂場で寝かせておくわけにもいかないしね。


 と言うか皆さん、自分が裸だと言うことを忘れてません? はしたないですわよ。


 なんて、わたしが言っちゃダメか。まあ、わたしが終わるまで好きにやっててくださいな。


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