仲間になってくれる
「な、何で?」
「いや、だってね。こんなにも時間が経っているとは思ってなかったのよ。だからもう私の仲間がどこにいるかわからないし。それなら唯一知ってるアルトと行動した方がいいかなと」
「なるほどね」
確かにこれから一人で居るよりも知ってる人がいる方が安心できるからね。それにルイスは僕が出したから責任持って一緒に居ないと。
そんな事を思っているとルイスは一言付け足してきた。
「別にそれが合理的だと思っただけだから」
「分かってるよ」
別に分かってる事を言わなくてもいいのに。
「じゃあとりあえずこの森から出ようか」
「そうね。で、どこから来たの? そこから戻らないと」
「いやーそれが……」
僕がどうやってここまで来たかを説明すると
「はあ、あんたってもしかして弱い?」
「う、うん。僕このガチャでスキルをもらうまでスキルが無かったから」
「へー。じゃあ私が色々教えてあげるわよ。魔導士なんでしょ」
「うん」
「魔法は結構得意だし」
「ありがとう。ルイス。いや師匠」
「そ、それは恥ずかしいって」
いきなりだけど僕に師匠ができた。これでやっと魔法も本格的にできるぞ。
「じゃあとりあえず飛んで戻るしかないわね。道を教えてよ」
「うん。でも僕空飛べないよ」
「分かってるって。私の背中に乗ればいいじゃない」
「いいの!」
「ええ」
ドラゴンの背中になれるなんて本当に嬉しい。
こうして僕はルイスと一緒に街に戻った。
「ルイス。ここで良いよ」
「そう?」
「これ以上この姿で行くと目立つだろうしね」
「確かにそうね」
僕がルイスに話しかけると、ルイスは察したように下に降りて人の姿になった。
「それにしても、その服どうなってるの?」
「これ? 賢者様がくれたのよ」
「賢者様ってわからない人だな。拷問したりしてるのに服くれたりするんだ」
「まあ確かに変な人だったわね。アルトも劣らず変な人だと思うけど」
「そう?」
自分では全くそんな自覚はないんだけれども。
「だってドラゴンよ。それを見て目を光らせるなんて」
「いやー。僕絵本でドラゴンを見てからずっと会いたかったんだよね」
「へーそんな絵本もあるのね」
「うん」
そんな会話をしながら僕たちは街の中に入った。