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私の妄想天国  作者: お菊
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陰キャラ

 どこの組織にも“陰キャラ”という属性に分類される人はいるだろう。

 だがそれは本人が分類しているわけではなく、他者によって決められた組織の固定観念とも言うべきか。

 そして私もその周りの思考に操られ、社内にその“陰キャラ”属性の職員を発見してしまった。

 彼もまた、私のデスクへごく稀に姿を表す職員の一人だ。

 しかし彼が出現する時間帯は決まっていて、必ず他の職員が定時で上がる頃であろう時刻にやってくる。

 彼は仕事を終えて、帰るわけではない。その日最後に出す資料を私に渡して、それから終業処理をするのだ。

 いつもぎりぎりになって戻ってくる彼は、必死で仕事をしているのが伝わってくる。

 私はそんな彼に、労いの言葉をかけるのを忘れない。

 そしてそんな彼に、“受け”の才能があることを、私は決して見逃さない。

 彼はいつも自分が一番最後に外から戻っていていることを知っているようで、私に資料を渡すとき必ず謝罪をする。


「すみません、よろしくお願いします」


「はい、ありがとうございます。お疲れ様です」


 彼は申し訳なさそうにその場を去る。しかしその一生懸命さは、ひしひしとその“陰キャラ受け”オーラから伝わってきていた。


(はい、おつかれさん!今日もがんばってはるね!ええよええよ、そんな必死に頑張ってる姿、めちゃくちゃ受けにぴったりやよ。そのまま攻めに連れていかれてまえ!)



 最近そんな彼がこの4月から、他の支店より移動してきたようだと知った。

 私は先日彼が困っているとき、勇気を出して声をかけた。

 すると彼の方もそれ以降、仕事に関して分からないことがあるとき、私に聞いてきてくれた日があった。


(チャンスやん!この子の受けを見極める、絶好のチャンス到来や~~~!!!)


 私はその時彼に寄り添い彼の力になりながら、受けの妄想データを収集しつつ、自ら“当て馬”になる覚悟を決めたのだった。



 つづく。

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