Ⅱ
「ふわぁぁあわ」
誰かが声を発した。
閉じていた目を開けると、そこには
男が立っていた。
人間、本当に驚くと声も出ないらしい。
固まっている私に、その男は話しかけた。
「ほーほー、ココが地球か〜オレの名前はフラン。封印を解いてくれてどーもね。」
銀髪に中性的な顔立ちの男がいる。
誰だ。なぜだ。何があった。
頭がうまく働かない。
「おーい、大丈夫かー?」
私の顔の前で手を振っている。
「け、警察呼びますよ!?」
咄嗟に叫んだ。
「おっと、落ち着けって。とりあえず話そうぜ?」
ネックレスを切るはずだった工具を男に突きつけた。
「動くな!」
「待って待って待って、怪しいもんじゃないって〜」
「信じられない」
「じゃあ、縛っていいからオレの話聞いて?」
「………………分かった。」
つい先日、雑誌を縛るために持ってきた紐しか部屋になくて心もとないがそれで男の腕と足を縛った。
「よし、これでいいな。すごーーーーく簡単に話をするからな。オレの名前はフラン。こことは違う世界から来た。」
「違う世界?」
「そう。オレの世界では人間と違って異能力者が何人かいる。オレはその中でも特殊な力が使えるうちの一人で、王に仕えていた。」
意味がわからないが、話だけは聞いてあげようと思い、黙っていた。
「んで、ここからが本題ね。簡潔に行くよ。1ジュネシスという悪の組織が襲ってきた 2オレたちガーディアンが負けそうになった 3王がオレたちをこの世界におくった 4お前に封印を解いてもらった。とまぁ、こんな感じだ。」
簡潔に話しすぎて、全然意味わからない。
ジュネシス?ガーディアン?王?
「おっと、わけわからねぇって顔してるな?まぁ、おいおい話していくから。まずは契約しよう。」
……は?
「契約?」
「そう、契約」
"フラン"という男がニヤリと笑った。