Ⅰ
声が聞こえる………
「………………ケロ……ケテクレ……」
アナタハダレ?
―――――――――――――――――
「ってば! ミコトってば!」
はっ、と意識がもどる。
「ごめん。なんだっけ?」
「だからぁ、そのネックレス!すごく似合ってるね!って話」
「あぁ、これ?昨日雑貨屋で見かけて買ったんだよね」
サアヤがまじまじとネックレスを見てくる。
普段はアクセサリーなんて付けないし、興味もない。
でも、昨日このネックレスを一目見た時
気づいたら購入し、身につけていた。
シンプルな小さな紫色の石がついたネックレスだ。
外そうとしても、金具が引っかかってか分からないが外せなかった。
しかも、このネックレスを付けてから
頭の中で誰かが話しかけてくるような感覚がする。
これは、呪いのネックレスとかでないだろうかと少し不気味に思ってきた。
「サアヤ、このネックレス外してくれない?
」
「え、外すの?いいよー」
「ありがとう。」
「あ、あれ?おかしいな。このネックレス外すとこなんかないよ?どうやって付けたの?」
「え?昨日はあったはず……なんでだ?」
「特殊なネックレスなのかな?帰って切るしかないんじゃない?」
「うーん。そうしてみる。」
サアヤと別れてからずっと頭がぐるぐるしている。
なんで、外れないの?
なんなのこのネックレス?
いつの間にか家の前まで来ていた。
「ただまいまー。」
まだ、誰も帰っていないみたいだ。
このネックレスを切ろうと工具を探す。
「よし。」
ネックレスを切ろうとしたその瞬間
「…………ヤメロ…………」
また、この声だ。
昨日からかすかに聞こえる声。
「………………フ、ラ、ン……トイエ……」
「ふらん?」
私がそう言った瞬間
眩い光が私の部屋を包んだ。