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第1章-先を視る- 4話
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あれは、高二になったばかりの頃。
クラスではあまり目立たないけど容姿端麗で、学年で上位に入る学力を持つ少年を、私は少しずつ好きになっていった。
七月のある日。私は思い切って彼に告白した。
あまり思い出せないけど、シンプルな言葉だったと思う。
そしたら彼は、暫く考え込んでからはっきりとした声で言った。
「金島さん、ごめん。僕好きな人が居るんだ。それに、」
ーーー君みたいに、他の女子を苛める人は嫌い。
少年は、全てを見通していた。
まるで、透視の様に。