表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

第1章-先を視る- 2話

その夜、僕は廃ビルへと向かった。

壁を這うツタ、地面に散らばるゴミ、ますます老朽化が進んでいるが、まだ壊れる事はなさそうだ。


錆び付いた屋上の扉を開けると、真正面には煌々と輝く月が見えた。

月といえば、三年前のあの日。あいつが立ち去ってから一時間程して、吸血鬼化の症状はぴたりと止まった。

まあ、止まっただけで戻りはしないから、吸血鬼の能力を使えば目は赤くなってしまうし、日光に当たる事は出来るけど嫌いだし、怪我したって一分程で元通りだ。

老化が遅い事は喜んで良いのか微妙だが、とにかく三年前とはあまり変わっていない。


夜風に当たりながら月を見ていると、後ろから人影が近づいてくるのがわかった。


ゆっくりとした足音は、僕の丁度真後ろで止まった。




「ーーーもうすぐ、貴方は死ぬ事になるわ」



高く、けれども凛とした声が聞こえて、僕は後ろを振り返る。


そこに人影はない。その代わりとでもいうのか、一輪の黒薔薇が地面に落ちていた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ