『理不尽な召集』メンバー自己紹介1
「起きた子連れてきたよ〜」
「おー!くるみんお疲れ〜」
部屋の中央にまとまっていた内の一人が向を連れてきた女性に返事を返す。
「じゃあ、一人増えた事だしもう一回初めから自己紹介しますか!」
「またですか?あなたが仕切るといつも効率が悪くなりますね。だから全員起きてから始めた方がいいと……大体、私たちは知っている仲なのですし…………」
「ま、まあまあ、良いではありませんか。前のオフ会では来なかった人に会えたのだから」
「・・・そろそろその喋り方やめれば?引っ掛かるの初見だけだよ、クバシー。」
「…あの、すみません」
「あ、やっぱり変?ここって『LH』の設定が使われてるみたいだからそういう仕様がいいかなーって」
「奇橋は相変わらずだな!!そういうキャラがぶれないとこ、嫌いじゃないぞ!」
「いや、どちらかというとブレブレじゃないすか!?」
「細かいのは気にしなくていいのよぅ〜」
「皆さん。彼女、聞きたい事があるみたいですよ。ご静粛に」
一通り会話が回った後で眼鏡をかけている銀髪の男性がメンバーを制してくれた。
「ああ、すまない。えぇと、正直状況が把握出来ていないんだがそれは後から聞く事にしよう。とりあえず今はあなた方の情報が知りたい」
先程までは彼方に話すような口調が出来なかった向だったが、一度環境が整えば生徒会長として培ったスキルを存分に使う事が出来る。
その環境を作ってくれた男性に感謝しつつ、今度は向が仕切り始めた。
「まずは赤色の髪の貴女から。そこから時計周りで進めてくれないか?」
「オーケーだ!」
勢いよく立ち上がる。『赤』というより『深紅』の綺麗な髪色をしている女性。その色のイメージに恥じない活発な声で自己紹介を始めた。