表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

告白できなくても今は許すっ!

「あー、東中出身の前川みくりです。趣味はプロデューサー…じゃなくってカテキョいじりです。ネコが好きです、以上です。」

淡々と続いて行く新学期初日の自己紹介。

かな順ではなく教師が適当に作った席順のため、順番は席の端から始まって行った。

「次、涼宮晴彦。」

教師に呼ばれ、涼宮は立ち上がる。

「ただの人間には興味ーーー」

「それもういいべー!」「去年他のやつも言ってたー!」

クラスメート同士は皆仲良くやっていけそうだ。既にからかい合えるあたり、悪い奴らはいなさそうだ。イジメに発展しそうな一方的な“イジリ”とやらも特に目につかないし。

「まぁ普通にオタクやってまーす、そうじゃない奴も絡んでくださいっ、以上です!」

涼宮の自己紹介が拍手で終わり、次の自己紹介は俺の番らしい。

「じゃあ次、狭間雄輔。」

うっす、と応え机を立つ。

「北中出身の狭間雄輔です。趣味はポッ拳とバンダムで基本ゲーセン好きです。よろしくお願いしますっ!」

「俺もそれやるぜー!」「対戦やろー!」などと一部、主に男子のリアクションは良さげだ。生憎女子受けする趣味はござらんのでな。

「じゃあ次、狭間祐奈。」

はい、と後ろから応える。

振り返って自己紹介を聞くことにすると、バットの彼女がよく見えた。

綺麗な輪郭に大きな瞳、揺れるポニーテールと周りの女子より少し、いや一回りは大きな胸に視線が持って行かれる。

「南中出身の狭間祐奈です、趣味は野球観戦、部活はソフト部です。よろしくお願いします!」


全員の自己紹介が終わり、HRは終了した。


何よりあのバットのコが自分と苗字が一緒で驚いた、まぁ別段珍しくない苗字だからなくは無いと思うが。こうなると……


「なぁなぁ、お前と狭間さん…祐奈さん?なんなのさ!?兄妹とか!?」


こうなる訳だ。


「違うしだいたい似てないだろーが。あと苗字一緒で面倒だから俺は下の名前でいいぞ。」

「じゃあ俺も晴彦でいいぞー!ゆーすけー!!」

男子校ばりのこのくっつき合い。嫌いじゃないが生憎俺はホモではないのでそこの一部女子の皆様目を光らせないでくださいお願いします。

「てか雄輔ポッ拳やるんだ、私もやるから今度対戦しようよ!」

このバットのコ、いや。いい加減名前で覚えよう。

「私も苗字一緒で面倒だから、祐奈でいいよ。さん、とかいらないから。」

祐奈はそう言ってにかっと笑った。最初は何だこいつと突っかかってしまったが、案外いい奴なのかもしれない。早くも新しいメンバーに馴染めそうで良かった。そう言って和気藹々としている中、一部男子の視線はチラチラと早見さんと祐奈の胸に集中しているのが見て取れた。

黒髪ロングで大人しそうな印象の早見さんに対して、ポニーテールと巨乳とかいう絵に描いたような美少女像が、目の前にいるわけだ。そりゃそうなる。


先ほどの後頭部の件は、今日のところは勘弁してやろう、その巨乳とナイスなポニーテールに免じて。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ