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死人とクチナシ〜死を悼む日と11の詩篇〜

死人とクチナシ

黒ネクタイにベージュの腕が映える日没前にお帰りなさい。

夢みることなく眠る間に如何もなくお出まし至る乳白色。

濡れたバスタブ、それと同調(シンクロ)ってるお友達。


実益皆無な事件後は脅迫に怯える前に勝訴()ち越します。

白日の下に晒されて呼吸は未だ可能(でき)るのか?不誠実なる告発状。

蠢くパイプ、それは白膚症(アルビノ)なる人違い。


死人のように、孤独に甘やかされよう。

手を止める度、他愛なき君の声。


……忘れよう。

梔子染めの我が胸よ。

濡れたバスタブ、いま目醒めることもなし。


絶句……。

胸ならばこそ穿て。どうか。

バスタブに散る、怖くもない返り血が憂い。

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