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魔法少女は信じちゃいけない  作者: 夜光始世
第一章★橋間彰宏
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橋間彰宏5

 今日はやたら寒いな。そろそろ学校でも暖房が使われる時期になってきた。俺はわりと寒さには強い方だけど、それでもブレザーの下にはカーディガンが欠かせない。

朝礼が終わり教師が教室を出ていくなり、平田が話しかけてきた。

「橋間、昨日なにやってたん? カラオケくれば良かったのにー」

 盛り上がったんだぜ、と残念そうに言う。

「わり、母さんに掃除いいつけられて」

 土曜日は涙夜にもらったクッキーをかじりながら家でごろごろし、日曜は母さんに頼まれ掃除をし、まったく外にでる機会がなかった。まぁたまにはそんな休日もありだろう。

「えー橋間の部屋綺麗じゃん」

「いや、トイレ掃除とか」

「マジか」

「おぅ」

「お前~。このいい子ちゃんめ」

 平田に頭をぐりぐりされる。別に痛くなかったから笑って好きにさせた。

「どしたの」

 平田と仲がいい木田が寄ってくる。

「あ、木田。橋間昨日トイレ掃除してたんだって。こいつ多分息子にしたい男ナンバーワンだよ」

「へえぇ。すげぇなお前、反抗期とかねぇの? グレたりしねぇの?」

「ハハッ、橋間がグレるとか想像できねぇー! おもしれーから一回金髪に染めてみろよぉ」

 からかうように言ってくる平田に適当に返し、一時間目の授業の準備をする。

「あ、でも俺さ、聞いちゃったんだけど」

 木田が思い出したように言った。

「ハシマって名前で不良の奴いるんだって! しかもなんか不良チームのトップらしいぜ。まーそっちはどういう字書くかわかんねぇし、別人なのは確かだけどな!」

「へぇ、いるんだそんな奴。ハシマなんて珍しそうな名字なのになー」

「なー。俺の姉貴の友達、ちょっとヤンキー入ってるギャル系多いんだよ。かっこいい近づきたいきゃー!って話を隣の部屋でめっちゃしててさ」

「なんか女って不良好きなー。俺らみたいな真面目なんがモテるべきじゃね?」

「いや、お前も真面目ではないだろ……」

 木田のつっこみに平田はやはーと笑う。

「まーな。今日も教科書忘れちったしな」

「おい」

 真面目ってのは委員長みたいな人のことを言うんだよ、あの人こそモテるべきだと木田が言い聞かせる。平田はいい奴で好きだけどなんでこの学校入れたんだろう……? そこそこの進学校のはずなのに。

それはそうと、チームのことごまかさなきゃなんねぇかな、と口数少なくなる俺をよそに、二人は話を続けた。

「委員長いい人だよな」

「お前は謝礼をしなきゃいかんレベルで世話になってんじゃねぇか?」

「俺たまにお母さんに見える」

「あぁ、わかるわかる」

 心配するまでもなく話題は平田がいかに委員長に助けられているかに変わっていった。

 『不良のハシマ』について追求されなくて良かったという気持ちと、やっぱ隠しおおせるもんじゃないし言っちゃいたいなという気持ちが交錯する。

 どうせ今日はXギークの報告を聞きにみんなマギダンに集まるから、その時に相談してみようか。

 ハイジの苦い顔を思い浮かべて、少し笑った。











読みやすいように分けたら、橋間さんの話が思ったより長いことに気付きました。

でも「魔法少女~」全体として文庫一冊ぐらいの分量なので、だらだらはしないはず。

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