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そういえば今何時くらいかしら?
部屋を見回しても時計と思わしきものがない。
ていうか、晴夏が知る現代機器が何一つとしてないよ。
目についたクローゼットを開けると色とりどりのドレスがズラズラと並んでいる。
ドレスって⋯⋯いつの時代よっ?!
見た感じくるぶしまでスカート丈あるよね?
うわぁ〜〜〜〜〜⋯⋯⋯⋯可愛い!!
会社のハロウインでお姫様ドレス着てみたいと思っていたのよね〜〜〜。
ここでなら合法だから問題なし!! だよね?
着ちゃう? 着てもいいよね?!
一着ドレスを出してみるとジッパーがなくて小さなボタンがずらずらと並んでいる。
どれだけ体が柔らかくてもこのボタン全部止めることはできないわ⋯⋯。
とりあえずこの子に一番似合いそうなドレスを手にして鏡の前であててみた。
「ん〜〜〜〜!! 可愛い!! ほんと似合うよ! この子なら何着ても似合うよ!!
そう、若いっていうだけで何着てもいいのにその上この美少女っぷり!!
日本の可愛い服も着せてみたいわ〜〜!!」
ん? 机の上に紙が置いてある。
「なんだろう?」
なにか書いてあるけど読めない⋯⋯。
本当にどうすればいいの〜〜〜?!
当初の不安に立ち戻ってしまった。
ホントどうしたらいいんだろう。
窓の外を見ると陽が昇って間もないとなんとなく思った。
紫の空⋯⋯。
まだ鳥ですら目覚めていない静謐な時間。
太陽は一つで、月は⋯⋯⋯⋯よかった。一つね。
この世界でも朝焼けであってるよね?
「はぁ〜。地球よりすごく綺麗。
この景色を見れただけでもここに来てパニック起こしていても価値があるね」
現実逃避を止めて再度部屋の中を見回す。
雰囲気からして外国だよね? 決して2026年ではない。
科学が進んでいないことだけは確かだわ。
PCもないし、テレビもない。
ざっと見た感じで想像がつかないっていうような物がない。
ドスンとベッドに腰を落とす。
皆川晴夏の体じゃないから転移じゃないよね。
だったら転生になるの?
でも生まれ変わった感じはしない。
それに、この子の記憶もないから転生でもない気がする。
なにかのゲームの中とか? 小説の中の人物?
っていうかっ!!
それより私死んだの?
それにこの子誰よっ?!
誰か助けてぇぇぇ〜〜〜〜〜!!
『あの〜〜ぉ⋯⋯⋯⋯。聞こえますか?』
ん? なに?
『皆川さん、聞こえます?』
はい。聞こえてますが⋯⋯誰?
頭の中で声がするんですけど!
えっ? SFの世界?
『良かった。繋がったようで』
繋がる⋯⋯なにと?
『あっ、申し遅れました。わたしはこの世界では一応、神と言われている存在です』
え〜〜〜〜?! 神なんていないよ〜〜。
『いえ!! 神はいるんですよ。
地球の神は人間の行いに口は出さない主義とか言ってますが、この世界の私(神)は気が向いたらドンドン口も手も出すんです』
ありえない⋯⋯。
日本? 地球? の神様? 口出さない主義だったんだ⋯⋯。
知らなかった⋯⋯。
『取り敢えず話が進まないので神は居ると言うことにしてもらえませんかね?』
それもそうですね。了解しました。
あれ? そういえば言葉通じてる?
『思念で話しているので言葉は関係なしですね』
言葉は関係ない⋯⋯? ちょっと納得行かないんだけど。
『通じているんですからそこはほれ、深く考えないのが吉っていうやつですよ。
その体の子のことを話したいので聞いてくださいって』
渋々ですが、分かりました。
『⋯⋯⋯⋯実はその体の子、ナンシー・マッカートって言うんだですけど、婚約破棄されたとかで服毒自殺しちゃったんですよ」
こんなに可愛くても婚約破棄されるの?!
この世界って怖いわぁ〜〜〜⋯⋯⋯。
『で、そんなに可愛い子が死んじゃうなんて、勿体ないと思ってちょうどフラフラしてた魂を掴んで入れたらあなただったっていう訳なんですよ』
軽いですね〜〜。
酷い話ですねぇ〜〜〜。
そんな簡単に人の魂掴んじゃ駄目なんじゃないですかね?
何も分からず言葉も分からずでは私、生きていけないと思うんですがっ!!
『困っちゃいますよね〜』
こ、ま、り、ますよ!!
『ですよね〜 なので死んじゃったナンシーの記憶をあなたに渡そうと思うのですが、いいですか?』
ナンシー的にはどうなんでしょう?
『う〜〜ん〜〜〜? でもナンシーの記憶がないと困ると思いますよ。そこで生活することになるので⋯⋯』
まぁ、そ、そう、ですね⋯⋯。
分かりました。やっちゃってください。
『一気に十五年の記憶が入っちゃうとすっごいクラクラすると思うので、ベッドに寝転がってもらえます?』
分かりました。
この子十五歳なんだ⋯⋯。全体的に小さいな。
栄養不足かな?
次話 1月26日 21:20 UP予定です。




