Episode 6
僕は歩きながら、リナからもらった地図を手に、次の目的地を目指していた。
……アルデリス。
その名を、僕は彼女から聞いた。
強者が集い、技術と戦闘が日常のように交錯する都市。
剣も、魔法も、知識も……力を持つ者たちが自然と集まる場所。
なぜだろう。
話を聞いた瞬間から、胸の奥が静かに熱を帯びていた。
地図には、街へ続く道がはっきりと描かれている。
僕はそれを確かめながら、一歩一歩、確実に前へ進んでいた。
腰にはリナから渡された水筒と食料。
心細さはあるが、不思議と不安だけではなかった。
ふと空を見ると、日が傾き始めている。
「……日暮れ前に、少しでも進みたいな」
立ち止まり、地図を広げたその時。
遠くの街道を歩く人影が目に入った。
荷物を背負い、大きな剣を腰に下げた旅人。
その佇まいだけで、僕よりずっとこの世界に慣れていると分かる。
少し迷ったが、僕は意を決して声をかけた。
「すみません。アルデリスへ行きたいんですが……この道で合っていますか?」
旅人は一瞬驚いた顔をし、それから穏やかに笑った。
「アルデリスか。ああ、道は合ってる」
「ただし……」
彼は剣の柄に軽く手を置く。
「この先は、盗賊が出ることもある。油断はするなよ」
「盗賊……」
「珍しくもない。道を塞いで、弱そうなのを狙う連中だ」
「まあ……君みたいな若者でも、覚悟があれば通れない道じゃない」
その言葉に、胸の奥が少しだけ引き締まる。
「装備は……最低限、整えた方がいいな」
「ありがとうございます。気をつけます」
「生きてたら、またどこかで会うかもな」
旅人はそう言って手を振り、再び街道を進んでいった。
僕はその背中を見送り、もう一度地図に目を落とす。
……道は、間違っていない。
やがて川に辿り着き、僕は水筒を満たして小休止を取った。
パンをかじりながら、流れる水を眺める。
この世界は、静かで、そして確かに危険だ。
それでも。
……強者が集まる街。
その言葉が、頭から離れなかった。
未知が集まり、力が交わる場所。
知らないものに挑む人間が、自然と集まる場所。
(……悪くない)
胸の奥で、確かな高鳴りを感じながら、僕は再び歩き出す。
……アルデリス。
その街に、何が待っているのか。
どんな人々と出会うのか。
それを確かめるために、僕は前へ進んだ。
…って打つの楽しくなってきた




