Episode 3
僕はリナに手を引かれ、草原を抜けて村へ向かった。
足元の草や木々は微かに揺れ、風が運ぶ匂いもどこか甘い。
新しい世界の空気は、確かに心地よいけれど、僕の胸の奥では不安がざわついていた。
(こんなところ、僕は本当に生きていけるのだろうか?)
言葉には出さず、目で見て進む。
周囲のすべてが新しく、目を奪われるけれど、それでも何かが引っかかっていた。
村の入口に着くと、木の家が並ぶ静かな集落が広がっていた。
子どもたちが草の上を跳ね回り、大人たちは家の前で洗濯や農作業をしている。
僕はただ黙って観察した。
リナが横で説明する。
「ここではみんなマナを使って生活しているの。戦うためだけじゃなく、植物を育てたり、水をきれいにしたり、日常のいろんなことに使われているんだ」
僕はただ頷くが、目は村人たちの手の動きを追っていた。
(どうやって動かしているんだろう…)
声には出さず、頭の中でその不思議な力の使い方を考えていた。
リナはにっこり笑って、手元の花を軽く揺らした。
「これがマナ。生き物や植物、空気や水の中にも流れていて、触れたり感じたりできる人もいるの」
その時、僕は花の周りに微かな揺れを感じた。
視覚では捉えられなかったけれど、まるで空気が震えるような感覚が体に伝わってきた。
(これがマナ…なんだろう)
その不思議な感覚が、心の奥にほんの少しだけ興味を引き起こした。
リナは、僕の反応を見て、もう一度にっこりと笑った。
「村の人たちは、みんなそれぞれ違うスキルを持ってるんだ。体を強くするもの、素早く動けるもの、物や流れを感じ取れるもの……」
彼女の声は、柔らかく優しく、けれどもどこか力強さを感じさせるものだった。
その笑顔には、今まで見たことのない温かさがあって、少しだけ胸が痛くなる。
「君も、きっと何か力を持っているんじゃないかな?」
その言葉が、僕の中で響く。
でも、すぐには答えを出せなかった。
少女に案内されて、僕は彼女の家に上がった。
木の壁に囲まれた小さな部屋は、質素だけれど温かみがあった。
外の光が窓から差し込み、柔らかく床を照らしている。
僕は自然と口を開いた。
「君の名前は…?」
少女は少し笑って答える。
「私はリナ。よろしくね」
僕は小さく頷くと、次の言葉を待った。
リナはにっこりして、少し首をかしげながら言った。
「で、これからどうするつもり?」
僕は考え込む。まだ答えは出せない。
リナはそれを見て、軽く肩をすくめると、ふわりと立ち上がった。
「いいよ、考えといてね」 そう言うと、リナは家を出て行った。
部屋に残された僕は、静かに窓の外を眺める。
風に揺れる木々、遠くに見える村の家々、、不思議な世界はまだ広がっている。
僕は何をするべきか、答えを探しながら、じっと考え続けた。
ちょいナゲーな




