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蒼航の少年  作者: さらだ
2/13

Episode 1

僕は空を見上げるのが好きだった。

昼休みの校舎裏、誰も来ない静かな場所で僕は一人、空をぼんやりと見つめていた。

広がる青い空は、僕にとって唯一の逃げ場所だった。

無限に広がるその蒼さの中で、僕は自分が小さくて、何もかもが遠く感じられる。

そのときだけは、誰とも話さなくても、どこにも属さなくても、心が安らぐのだ。

クラスの誰とも話さない。正確には、話しかけられることがほとんどなかった。

人といると、何だか胸が苦しくなる。

彼らが笑っているとき、その笑いの裏にある嘲笑や苛立ちを感じてしまうからだ。

なぜだろう、僕はそれが分かってしまう。

だから、誰もいない場所で一人きりでいるほうが、ずっと楽だった。


放課後、家に帰ると、僕はいつものように古びたノートを開く。

表紙には、誰かに見せるためではない、僕だけの大切な言葉が書かれている。

「夢日記」

そのページに並ぶのは、宇宙船のスケッチや、見たことのない星の想像図。

そして「人類が争わずに生きるにはどうすればいいか」という、僕の理想が詰まった文章だった。

ああ、僕は宇宙飛行士になりたいんだ。

誰に笑われても、この夢を捨てることはできない。

その夜、僕は夢日記を書き終え、窓を開けて空を見上げた。

月明かりの中、星が一つ、強く輝いている。

その星は、ただ静かに光っていた。

何の言葉もなく、ただそこにあった。

でも、僕はその星が、僕の孤独そのもののように感じた。

星の光が、まるで僕の心の中の寂しさを映し出しているかのようで、ふと、涙がこぼれそうになった。

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