表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初恋が終わるまで  作者: 生ハム
高一編
7/43

男子

昼休み。

私たちは食堂でお昼ご飯を食べた後、教室に戻って、午後の授業の準備をしていた。


ふと廊下に目をやると、数名の男子生徒が廊下からこちらを覗いていた。


「どの子?」

「ほら、あの子だって」


隠す気もないのだろう。こちらまで聞こえる声で話している。


1年7組の教室は、校舎の1番端。廊下の先には階段しか無いので、クラスメイト以外が前の廊下を通ることはまずない。


「あれ、バレー部の男子じゃない?」


真美が言う。


「うわ、アイツら来やがった」


顔を歪めるあやか。


(まただ…)


男子たちは笑いながら、誰かを指さしている。どうやら、クラスの人気のある子を見に来たらしい。


(関わりたくない…)


私はすぐに視線を逸らし、小テストが出る英単語帳を開いた。


「ちょっと!あんたたち、何してんの?」


あやかの声が飛んだ。


男子たちが一瞬ひるむ。

けれどすぐに「いや別に〜」とごまかして笑っている。


「別にじゃないでしょ。早く帰れ!」


あやかは腕を組んで、堂々と彼らを睨みつける。

その迫力に押されて、男子たちは「はいはい」と苦笑いしながら、そそくさと廊下を去っていった。


(さすが…)


「まったく、しょーがない奴らだな!」


あやかはため息をついて、私の隣の席に腰を下ろした。


私は小さく笑ってみせる。

「ありがと、あやか」

「別に。クラスにまで押しかけてくるとか、うざすぎでしょ」


それだけ言って、あやかは何事もなかったように単語帳を開く。


私はもう一度、廊下の方を見やった。

するとバレー部の男子が1人だけまだ残っていたようで、目が合った。


(うわ、最悪だ…)


そう思い、すぐに視線を逸らす。


「おい!仁!帰れって!」


気付いたあやかが、再度追い払い「まったく…」とため息をついた。


(やっぱり、ああいう男子は苦手だな)


私は、心の中でそうつぶやいて、英単語に集中した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ