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初恋が終わるまで  作者: 生ハム
高二編
37/43

入部

「俺、やっぱり軽音部入るよ」


仁は、突然言った。


「え?本当に?」


私は咄嗟に聞き返したが、薄々そんな気がしていた。


渉とのバンドの一件があった後、仁は以前より楽器に興味を示すようになった。


しばらく、私のベースを弾かせてあげたり、教えてあげたりしていたが、この間、ついに自分のベースを買ったと聞いていたからだ。


真っ赤なそのエレキベースは、仁の明るい性格と、大きな手にぴったりに見えた。


「うん。あやかがボーカルやってみたいって言ってたし、一緒に軽音部入って、他校生とバンドやるんだ」


嬉しそうにそう言う仁。


他校生のいるバンドは、文化祭には出られないので、そういうバンドは普通、一般のライブイベントに参加する。


「そうなんだ。頑張ってね。ライブするなら見に行くよ」


私はそう答えた。


------


それからたまに、仁が部活に顔を出すようになったが、正直私は、少しだけ居心地が悪かった。


茉莉と仁は、クラスメイトということもあり、すぐに馴染んだようにも見えたけど、私にとって、部室に彼がいるのは、なんというか、知らない人が家にいるみたいな気分だった。


あまり、彼氏に対して抱いていいとは思えない感情を誰にも言えなかった。


(私が、内田くんとバンドなんかしようとしたから…)


仁のバンドのライブ日程が決まると、私は電話越しに、彼の奏でるベースラインを聴きながら、なんだか複雑な気分になっていた。

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