実行委員
期末テストも終わり、夏休みを目前に、2学期のはじめに開催される体育祭の色分けが発表された。
私の通う高校は、毎年体育祭と文化祭を交互に開催するらしい。今年は体育祭だから、私の学年は、体育祭、文化祭、体育祭の順だ。文化部の私としては、文化祭が多い方が嬉しかったので、少し残念だった。
「赤白黄青の4色に分かれます。抽選の結果、1組は黄、2組と4組は赤、5組と6組は白、3組と7組は青です」
担任の先生の声が響く。
(……青組か)
私は7組なので青組。
5組は白組――つまり、渉とは違うチームだった。
(期待してたのにな……)
渉と同じチームになることに期待していた私は、一気に落胆した。
(6組も白組ってことは…)
瑠夏は渉と同じチーム。
その事実が、心に小さな棘を刺した。
(チーム合同練習とか、あるのになぁ)
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そんなことを考えながら、感傷に浸っていると
「次は、体育祭実行委員を決めたいと思います。実行委員は、夏休みの補講の後、午後から委員会活動をします。運動部は部活があると思うから、文化部の人はぜひ立候補してくれよ〜」
先生の説明を聞いて、私は思った。
(もしかしたら、内田くんも立候補するかも……。同じチームじゃないけど、委員会なら一緒にいられる時間が増えるかもしれない)
少しでも近づきたい一心で、手を挙げた。
「お、柏木、やる気じゃないか!よろしく頼むよ」
こうして私は、下心満載で体育祭実行委員になったのだった。
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1学期最後の放課後。
実行委員の初めての集まり。
私は、緊張しながら教室に集まった。
視線の先に、渉の姿を探す。
(……いない)
どこにも、いなかった。
(やっぱり……)
肩が落ちる。
(確かに、内田くんは、こういう集まりに参加するような性格ではないか…)
夏休みの午後、渉と一緒にいられると期待していた自分が、急に恥ずかしくなった。
(私、何やってるんだろ……)
窓の外には、真夏の陽射しが眩しく照りつけていた。
(夏休み……楽しくなさそう)
静かにため息をついた。