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初恋が終わるまで  作者: 生ハム
高一編
16/43

実行委員

期末テストも終わり、夏休みを目前に、2学期のはじめに開催される体育祭の色分けが発表された。


私の通う高校は、毎年体育祭と文化祭を交互に開催するらしい。今年は体育祭だから、私の学年は、体育祭、文化祭、体育祭の順だ。文化部の私としては、文化祭が多い方が嬉しかったので、少し残念だった。


「赤白黄青の4色に分かれます。抽選の結果、1組は黄、2組と4組は赤、5組と6組は白、3組と7組は青です」


担任の先生の声が響く。


(……青組か)


私は7組なので青組。

5組は白組――つまり、渉とは違うチームだった。


(期待してたのにな……)


渉と同じチームになることに期待していた私は、一気に落胆した。


(6組も白組ってことは…)


瑠夏は渉と同じチーム。

その事実が、心に小さな棘を刺した。


(チーム合同練習とか、あるのになぁ)


------


そんなことを考えながら、感傷に浸っていると


「次は、体育祭実行委員を決めたいと思います。実行委員は、夏休みの補講の後、午後から委員会活動をします。運動部は部活があると思うから、文化部の人はぜひ立候補してくれよ〜」


先生の説明を聞いて、私は思った。


(もしかしたら、内田くんも立候補するかも……。同じチームじゃないけど、委員会なら一緒にいられる時間が増えるかもしれない)


少しでも近づきたい一心で、手を挙げた。


「お、柏木、やる気じゃないか!よろしく頼むよ」


こうして私は、下心満載で体育祭実行委員になったのだった。


------


1学期最後の放課後。

実行委員の初めての集まり。


私は、緊張しながら教室に集まった。

視線の先に、渉の姿を探す。


(……いない)


どこにも、いなかった。


(やっぱり……)


肩が落ちる。


(確かに、内田くんは、こういう集まりに参加するような性格ではないか…)


夏休みの午後、渉と一緒にいられると期待していた自分が、急に恥ずかしくなった。


(私、何やってるんだろ……)


窓の外には、真夏の陽射しが眩しく照りつけていた。


(夏休み……楽しくなさそう)


静かにため息をついた。


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