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オタク女子イケメンパラダイスに降臨!  作者: 暁月
始まり

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23/61

イケメンはごめんなさい!! 20

 颯人は夢を見た。

 懐かしい、夢。


「………レイズ?」


 久々にその名前を口にした気がする。

 随分と昔の夢だった、まだベルフルール()が店になる前の。


 外は、まだ雨が降っている。

 窓を叩く様な激し雨。


 あれからどのくらいたったのだろうか?


「確か、雨の中誰かを追いかけて、いや、違う。()()……感謝祭の最中で、早めに皆が戻って来て……」


 ああ、身体がだるい。

 頭もぼんやりしてる。

 思考が、まだ少し微睡(まどろみ)に浸かっているみたいだ。


 ザァー、ザァー。


 雨音は次第に強くなっていく。

 元の世界に居た時もそうだったが雨は苦手だ。


 ギシリっと軋むベッドの上でゆっくりと身体の向きを変え、視線を天井から外に向ければ空はまだ暗い。


「雨の日は、今も昔も好きじゃないな……」


 雨音しかない部屋に、颯人の寝息が聞こえてくるのは早かった。連日の徹夜続きでの寝不足もあるのだろう。

 リーフが部屋に居ることにも気づかない程に颯人は疲れていた。ベッド脇のサイドテーブルから小さな硝子の平皿をリーフは取り出し、テーブルの上に置く。

 昔、颯人が作った試作品の1つだ。皿の上に三角に固めたお香を置けばゆっくりと燃え出す。

「ゆっくりお休み、颯人」

 リーフはそう言って静かに部屋を出た。


 静かになった部屋には、雨音と颯人の微かな寝息。


 それと、師匠が昔眠れない時に焚いてくれた懐かしい匂いに包まれ深い……。


 深い、眠りへと落ちて行った。



 ***



 感謝祭4日目の朝はあいにくの雨。

 リアム邸、使用人屋敷の自室から窓の外を眺めていた部屋の主人は長い溜め息を吐いた。

「セナ様、心配かもしれませんが手が止まっていますよ?」

 少年執事のネルがクイッと指で眼鏡を押し上げながら、セナの手元をピシャリと細い棒で叩く。叩かれたのに全然痛くないそれにセナの意識は戻ってきた。

「!?……ごめんなさい、ネル君」

 セナは視線を窓の外から手元の本へと移動させ。セナの意識が本に移った事を確認すると、ネルファデスは続きからまた読み出す。今日の授業はラルミノ国の歴史の復習、本来であれば今日も商業地区の感謝祭に参加しているはずだった。

 けれど、昨日の夜。リーフが直接このリアム邸を訪ねてきて、運営から今日の露店参加の中止の連絡をくれたそうだ。その時私は、就寝中で対応したのはネル君、その事を知ったのは朝だった。

 中止の理由の1つは、雨。昨日の夜の段階で丸一日、豪雨になる予報が出た為に商業地区で露店参加をしている店には本日の中止が伝えられた。

 2つめは、颯人の体調が思わしく無かったこと。豪雨の為、感謝祭の中止に便乗しお店の方も今日はお休みにするそうだ。

 最後はあの時雨の中、薬を買いに行った2人が行方不明になったからだった。

(今日、中止になってくれて良かった。颯人さんの体調も心配だけど。なんで、あの2人が………!)

 心配で、ペンを持つ手に力が入ってしまう。あの時、雨の中を走っていく2人を止めれば良かったと今更ながら悔やむ。

「……セナ様。今日はもうお勉強はやめておきましょう。いくらやったところで頭に入っているようには見えませんので」

 ネルファデスはパタンと本を閉じ、セナの部屋に運び込んでおいたお茶セットでお茶の準備を始めた。

「そう、だね。ごめんなさいネル君」

 セナも本を閉じ、側に置いてあった連絡用宝珠をテーブルに置き眺めた。以前、リアムの書斎で見た珠はこれと同じ宝珠だと知ったのは今日の朝だ。あの時の宝珠よりも、今セナの前にある宝珠のが何倍も大きいのには色々と理由があるらしいけれどそれは今は置いておく。

 ネル君の話によれば、昨日来てくれたリーフにこれと同じ物を持たせてあるらしい。何か進展があれば連絡をしてくれる事になっているが、何も情報がない状況で待つのは精神的にとても疲れるのだと私は初めて知った。

 琥珀色の宝珠を物珍しそうにツンツンと指で触っているセナに、温かい珈琲をネルファデスは差し出す。

「どうぞ、お疲れでしょうから今日は珈琲にしておきますね」

「ありがとう、ネル君」

 ふわりと芳る珈琲の匂いを楽しみながら淹れたてを頂く。なんて、贅沢なのだろう。少しばかり疲れた身体に()み渡る。

「……本当、いつもありがとうございますネル君」

「いえ、お気になさらず。お茶一杯でセナ様の疲れが飛んでいくのなら幾らでもお淹れしますから」

 いつもの少年執事スマイルに癒されながらセナは残りの珈琲を口に運んでいく。先程よりも血色が良くなったセナの顔を見ながら、ネルは自身のポケットへと手を伸ばす。最近、感謝祭の準備などで忙しそうにしているセナには濃いめの珈琲を出すことが多くなったと思う。この屋敷の主人であるリアム様も徹夜続きの時は珈琲が多くなるが、主人思いの少年執事は植物に加え薬学のエキスパートでもあった。その為、主人にバレない様に薬を盛ることもなきにしもあらず。本日は、セナに一服盛ってある。

 何も知らずにカップに口をつけ、喉へと流し込まれていくのを見届けながら、セナには分からない様に笑を浮かべるネルファデス。本日の薬は遅効性、身体中に行き渡るにはもう少し時間がかかるだろう。



 そして、ネルファデスの目論見通りセナが目を覚ました時はもう夕方。

 外の雨は止み、まだ厚めの雲が空を覆っていた。

「あれ?私、いつの間にか寝てた?」

 最近は徹夜続きでろくに寝ていなかったセナはグイッと身体を伸ばしながらベットから身体を起こした。

 ぼんやりとした頭で覚えているのは、ネルに寝室の準備が整ったと言われた事だろうか?

(う〜ん?良く思い出せない、思い出せないんだけど何だか頭の中がスッキリしてるのは何故?)

 そんな疑問を持ちつつも、ベッドのサイドテーブルに置かれた宝珠へと自然と視線が向かう。だが、うんともすんとも言わない宝珠にセナは肩を落とした。

「そんな直ぐには見つからないのは分かっているし、凄い心配なんだけど……何だろう?2人より昨日別れ際にみたリーフの顔のが気になるのは」

 心配と不安とごちゃごちゃと考え始めた頭の中はショートしそうな程疲れ、気が付いた頃にはもう外は夜になっていた。

 暗く、厚く覆っていた雲は今はもう何処かに行ってしまったようだ。代わりに暗い空には瞬くように輝く星が雲の隙間から見えている。本邸の屋敷とは違いこちらの使用人部屋の自室には外に出る為のバルコニーはない、代わりに上下にスライドする窓を上げ外の空気を室内へと取り込む。


 空気は雨上がり独特の湿気と草の匂い。


 そして、

 微かに香る甘い花の匂いに瀬奈の心がざわめいた。



 その日の夜。いつもより遅い時間ではあったが、日課になりつつあるランニングを終えて自室に戻ると、リーフから明日の露店再開の連絡とそれとは別に騎士団からも1つ連絡があった。


 感謝祭のこの時期を狙って女子供の連れ去り事件が頻発している。と。



 ***



 時は少し戻り、感謝祭3日目。

 バシャバシャと雨の中を走る小さな影が2つ。その1つが前の影へと追いついた。

「待っ、てよ!エバー!!」

「……なんだ、シャルか。どうした?」

 息を切らせながら前を走るエバーに追い付いたシャルはすかさずエバーの傘の中に滑り込み不服そうな顔で、そんな事を言うエバーを見上げる。

「なんだ?じゃないよ、お金忘れてる!」

 エバーの顔に突きつけるように、リーフから預かった硬貨の入った袋をエバーに押し付ける。

「お、おう。ありがとう」

「ふんっ!」

 シャルは鼻息荒くしながらエバーの隣に立ち一緒に歩き出した。

「一緒に行くのか?」

「当たり前でしょ?傘ないし僕、こんなに濡れてるの見て分からないの?これ以上濡れて風邪でも引いたらどうするつもり?」

 ビショビショに濡れた服でひっついてくるシャルに、若干嫌な顔をしながら。

「俺達、風邪なんかひくのか?」

「……………さぁ?」

 ほんの一瞬だけ考えたが、()()には分からない。その疑問に答えてくれそうなリーフは今ここには居ない。

「それよりさ、エバー!今度……あっ!!」

 シャルが声をあげると同時に首から下げていた紐が切れ、その拍子にセナから貰った蜻蛉玉がコロコロと路地裏の奥へと転がっていく、シャルは急いで追いかけ拾い上げる。

「あ〜、良かった。罅割(ひびわ)れしてないみたいせっかくセナが作ってくれた……エバー?」

 シャルを追いかけて来たエバーの顔つきが突然険しくなった。

 辺りはゴロゴロと雷も鳴っている。

「シャル!後ろ!!」

 シャルに向かって走り出すエバー。

「後ろ?」

 シャルが振り返ると稲光は暗い裏路地を照らし出す。そこには、数人の男達と、麻袋に詰められ様としている子供と女性の姿。次に稲光が辺りを照らし出した時には、僕達の前には気持ち悪い笑顔をした男が立っていた。


 激しい雨と雷。

 僕達の音が消されていく。



 ***



 カラン カラン。


 と、軽いベルの音を響かせながらベルフルールの正面扉をくぐるのはセナだ。

「おはようございます。颯人さん、リーフ」

 店の中にいた2人に元気良くセナは声をかけた。

「おはよう。瀬奈ちゃん」

「おはよう。セナ」

 2人はいつもと同じ挨拶を返した。けれど、今日は2人分足りない。分かってはいたけど少し寂しい。

「はいはい、僕もいますよー」

 セナの後ろから今日も元気なアヴィがぴょんぴょん跳ねて主張をするが。

「はいはい、アヴィは今日も元気そうでなにより。それでさ、露店の方に行く前にちょっと裏庭の畑みてくれないか?」

 颯人にそう言われアヴィはそのまま裏庭に連行されてしまった。アヴィの本職が警護ではなく庭師だと知ったベルフルールの皆は、時間があると良く裏庭へと連れて行く。畑や土の状態などをみてもらってるんだとか。それよりも、セナは正面に立つリーフを見た。

「あの、大丈夫?」

「……私は、大丈夫。心配してくれてありがとうセナ」

 いつもと同じ微笑みを浮かべるリーフにセナは馬鹿な事を聞いてしまったと後悔する。

(私ってば、何言ってんだろう大丈夫な分ないのに大丈夫?だなんて聞くなんて。でも……)

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()。何か、喉に詰まる感覚にセナは難しい顔をしてしまった。何だろ?昨日も感じたこの感じ。言葉にするなら……違和感とでも言うのだろうか?

「………一昨日の事はもう聞いた?」

「え?あ、うん。昨日の夜、騎士団の人がお屋敷を訪ねて来たからその時に、私がシャルにあげた蜻蛉玉を見せて貰ったよ……確かに、私が作った物だった」

 昨日の晩、リーフから連絡をもらった後。黒の騎士団の方々が屋敷へと訪ねてきた。話の内容は簡潔に言えば、事件の現場に私がシャルにあげた蜻蛉玉が落ちていたと言う事。騎士団は蜻蛉玉(それ)がベルフルールの露店で販売している物だと知り、まず初めに店に来たそうだ。対応に出たリーフに騎士団が驚き、理由を聞けばあの日の夜。目撃者がいたことが分かった、その目撃者からリーフと同じ風貌の子供が連れ去られたと聞いていたのに全く同じ風貌の子が目の前に現れた事に驚いたのはいわずもながだが。2人は人身売買をなわりとしている野盗達の現場に鉢合わせてしまい、そのまま連れ去られた可能大と言う事だった。

 今、騎士団と警邏隊の一部で編成を組んで野盗達の根城を探しているそうだけど……。

「セナ、そんなに強く握ったら跡になっちゃうから駄目だよ」

 リーフの小さな手がセナの手に触れた。いつのまにか強く握っていた手をリーフは優しく包みこむ。

「この国の騎士団は優秀だから心配しなくても大丈夫」

「………」

 一本一本、セナの指を伸ばしていき最後に傷がないか確認するとリーフはその手を取り、恭しく持ち上げたかと思ったらセナの手の甲にリーフの唇が軽く触れる。

「っ!!?」

「元気が出るおまじない」

 リーフは軽くウインクし、何事もなかったかの様に裏庭にいる2人に声をかけに行ってしまった。

(び、ビックリした!一瞬だけ颯人さんかと思うくらの流れるようなあのスムーズな動き!!……将来が末恐ろしい!!)

 突然の事にドギマギしていると。

「どうしたんです?セナ様」

 背後からアヴィが話しかけてきた。今、リーフが呼びに行ったはずなのに何で背後に?そんな疑問は一瞬だけ浮かんだが。

「キャァ!!」

 ビックリしすぎてそのまま足が絡れ倒れそうになるが、アヴィが腕を掴み倒れる事はなかった。

「あ、ありがとうアヴィ君?」

 アヴィはセナの手を凝視したかと思うと、懐からハンカチを取り出し力いっぱいセナの手を拭き出した。

「いたた!何?」

「……何か、変な汚れが付いていたので」

「汚れ??」

 セナは自分の手を見るが汚れなんか付いているようには見えない。むしろアヴィのおかげで手の甲が赤くなっている。図らずも先程リーフにキスされた手の甲だとは言わなかった。が、いったいアヴィには何が見えていると言うのだろうか?


 感謝祭5日目。天気は晴天!とは言えないけれど先日の雷雨に比べれば、雲の隙間から青い空がチラチラ見えているので晴れと言っても良いだろう。

「はい!ありがとうございました。もしよかったら『ベルフルール(お店)』の方にもいらして下さいね」

 セナは露店で買い物をしてくれたお客様を見送ると、午後の準備の為に商品の補充の準備をはじめる。

 昨日は急遽中止になったので、今日は少しお客の入りは少ないかもなんて思っていたけれど全然そんな事はなく、少なくなるどころかむしろどんどん多くなっている気がするのは気のせい?

「気のせいじゃないよ。最終日に向けてこれからどんどん人が増えて行くんだ」

 リーフは昼食用に持ってきていたノジル特製スタミナモリモリサンドを紙袋から取り出す。

「確か最終日は日付けが変わるまでお祭り騒ぎになるとかって、颯人さんが言ってたっけ?」

 確か、露店の参加が決まった時にそんな話を他の生徒さん達と共にしていた気がする。

 セナは補充を終え、いくばくか人がはけた合間に昼食を取るためリーフから渡されたフレッシュな野菜とピリッとした辛味のソースのかかったチキンサンドを頂く。

「僕、感謝祭最終日ってお屋敷からしか見たことがないので今回はちょっと楽しみです!」

 アヴィはセナと同じ物に更に追いソースをかけて食べ始める。最終日は大量の花火が時計台から打ち上がるらしい。

「お屋敷からも見えるの?」

「はい、結界が張ってあるのでボンヤリとですがバッチし見えますよ」

 2人が話している横でリーフは紙袋に手を入れもう1つ紙に包まれたソレを取り出し2人とは逆に座る彼に渡した。

「えっ?俺の分?いや、良いよ」

「隣でお腹の虫鳴ってたら気になるから」

 はい、とリーフから手渡されたサンドをなにやら戸惑った表情で見るのは赤毛の例の彼、レイズだ。確かに今日の朝は慌ただしく出てきた為に腹は空いていた。……それに、まだ腹の虫はまだ鳴っていないハズ。

「…………………」

 レイズが今日ここに居るのは急遽、騎士団と警邏隊の合同組みから派遣された護衛だからだ。シャルとエバーの2人が攫われ、同じ顔のリーフが狙われないとも限らないので作戦が終わるまで護衛に付くことになった。そして何故か、護衛にきたはずが店員の真似ごとまでしているのが本日のレイズである。

「どうしたの?今日はまだまだ忙しくなりそうだから今のうちに食べないと夜まで持たないよ?」

 リーフは上品にサンドを手で千切りながら口に運び、咀嚼しながら隣で大人しく座っているレイズを見る。

「あ〜、俺は……いや、何でもない」

 何か言いたそうなレイズであったが諦め包みをあけてパクリと一口。

「んっ!!?」

 想像していた味とは違ったのか、パクパクと食べてあっという間に完食。朝食べ損ねた分余計に腹が減った感じはするものの指に付いたソースをペロリと舐め隣に座るリーフを観察した。

(えっと、騎士団の奴等の話じゃ三つ子だっけ?その2人が連れ去られたって言うのに随分と落ち着いてるなコイツ。まぁ、見た目通りの年齢ってわけじゃないだろうけど)

 観察すればする程、落ち着き過ぎているリーフにセナが感じた違和感とは別の違和感を覚えたレイズだが何がそんなに気になるのかは分からない、けれど気になりすぎてつい見過ぎてしまった。

「………そんなに見つめて、私の事が気になるの?」

 切れ長の綺麗な緑の瞳が俺を横目で見る。だが、何処かで見た様な気がするのは何故だろう。

「いや、気になると言うか……そうなんだけど……なんて言えば言いんだ?」

 リーフから視線を外し、自分の頭をガシガシと触る。確かに気にはなるのだが言葉で何て伝えたら良いのか良く分からない。すると、正面に置かれている蜻蛉玉が目に入った。確か、セナがくれた玉の護符はこのリーフと言うハーフエルフが付与した物だと聞いた。

(…………ハーフ、エルフ?だよな?さっきそう紹介されたけど………いや、まさか)

 レイズは気付く。レイズがリーフに対して感じている違和感に。

「もう1ついかが?」

 差し出された包みとリーフをレイズは見る。その瞳を見て疑問は確信へと近づいていた。

「いや、俺はもう……!」

 その見た目からは意外な程力強い力で手を掴まれ、真新しい包みのサンドをリーフは押し付けるようにレイズへ渡した。

()()()()()()()()だっただろう?まだ、辛いのが苦手なのかな?」

「おま、やっぱッッ!!?」

 リーフの食べかけのサンドがレイズの口に押し込まれる。気付くべきだった!()()の所にいるエルフと言ったらあの人しか思い出さないではないか!リーフの人差し指は口元に向かい、影のある王子様風から一変レイズの良く知るあのエルフの顔へと変わる。

 蠱惑的な笑を浮かべ、リーフはレイズにだけ聞こえる様に囁いた。


「しぃー……まだ、内緒だよ?レイズたん」

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