あとがき
『サウロンサウルスの標本』を書く時に残った絞りカスです
英雄コナンの『龍の刻』もそうなのですが
主人公が次々に色々な場所に行って読者は作者の考えた設定を見せられるだけー
そんな風になると予想できていたのでカットしました
(まあ、結局こうしてお出しするのですが)
また探偵!といっても私には謎解きだとかトリックみたいな
そんな気の利いたものは作れないので
昭和初期の貸本漫画みたいな拳銃を振り回してれば探偵!!と主張できる
そんな気軽な探偵モノです
物語のラストでエドヴァルダを生き返らせるか否か
それは読者の自由に任せたいと思います
↓以下フレーバーテキストの解説
『瑠璃色の研究』
「A Study in Sapphire」
そのままだと「サファイアの研究」ですがここのサッフィールは、瑠璃を指します
いうまでもなく「A Study in Scarlet(緋色の研究)」のパロディです
狂人の書いた詩集に対し、変人の観察記録の名前を当てた訳ですね
『死者の掟/尸条経典』
ネクロノミコンのこと
Nekro(死人)+Nomos(法律)
(ネクロノミコンからeikonを取っただけ)
そのままネクロノミコンを持って来ても良かったのだけど
まんま過ぎるのはつまらないので…
『アヴド・エル・アトバラナ』
ネクロノミコンの著者、狂えるアラブ人アブドゥル・アルハザード
アトバラナは水木しげるの「地底の足音」に出てくる名前
『大ヴィネア帝国/大ヴィン島』
気が付くとバ行、ヴァ行を使ってしまう!
戯画化された大英帝国、大ブリテン島に相当する国家、地域
ちなみにヴィン島はVinlandではなくV+England=Venなのでthe island of Great Ven
大ヴィネア帝国もVenia EmpireでGreatは着きません
『ヤーネンドン』
ヴィネア帝国の首都
最初、ロンドール(ロンドン+ゴンドール)とかロンドバラとか色々考えたけれど
「ブラッドボーン」のYharnamにロンドンのdonでYharnamdon
正直言って奇妙であまり響きが良い名前とは思わないけど
先史時代、人類以前の種族がここに最初に定住した時にこの名前を着けた
そんな人間らしくない語感を目指して
『大聖日元帝国』
戯画化された日本
丁度、明治期のような状態にあり、あちこちで反乱が起こっている
『チャガ』
南洋───南半球の諸地域
特に何も考えてない
たぶんインドみたいなところ
『暗黒大陸』
アフリカ大陸に相当する地域
黄金大陸に対して暗黒大陸
『黄金大陸/旧大陸/ガリシア大陸』
ヨーロッパ大陸に相当する地域
ここから北西に大ヴィン島がある
『新大陸/新世界』
アメリカ大陸に相当する作中世界で近年、発見された大陸
『アルス』
始祖たるアルス
最初の人間と信じられている英雄
黄金大陸、特にヴィネア帝国は、このアルスに連なる人種だけを人間と認めている
ただし、伝統的なヴィネア人は、アルスの血が入っていない
このためアルスの血を引く大ヴィン島の住民は、島外人種との混血しかいない
『ウルス』
軍神ウルス
始祖アルスの持っていた知恵ある盾
ウルス教のウルスはこの神の名前だがもっとも重要な神性はアルスである
(ただし、アルスを最高神だとか主神と呼ぶことはない)
最期の戦いでアルスが死んだ後も残され、彼の子孫である人間を導いたと信じられている
『ウルス教』
軍神ウルスが鋼鉄経典によって広めたと信じられる宗教
正義や勇気などの美徳を説く一方、戦争や暴力を肯定し、「常に正しいものが勝利する」を教条とする
一般にアルスとウルスを信仰の対象とする
ヴィネア帝国においてはヴィネア国教会が設置され、他の宗派が駆逐された
作中世界におけるキリスト教のような世界宗教だがカトリック教会のようなものはなく、ヴィネア皇帝が政教の首長を兼ねている
またウルスはアルスの盾であり、創造主でもない
『最初の13人/十三王国』
始祖たるアルスの13人の神妃の間に生まれた13人の長男
この13人を国祖として十三王国が成立したが黄金大陸には東方八王国、西方五王国と北部七王国、南部六王国がある
これは各々が神の子孫と主張しているためで一応、どの王国もアルスの子孫であることを証明する伝説の品が伝わっているが
大陸各地に似たような伝説の品が散らばっているため証明にはならない
ちなみにヴィネアの国祖ソナタはこの最初の13人の血筋ではない
13という数字はイエス・キリストの弟子ではなくアメリカ建国時の独立十三州に由来する
つまりアメリカが生まれた時にできた13の兄弟でそれぞれに長幼の序列がない、全員が長男というところをモチーフとした
『聖家族史観/聖家族派』
ウルス教の宗派、歴史観のひとつ
アルスの子=人類にサタハストゥールとの子供たちを加えるもの
つまりアルスの血を引いているものを人間と定義し、他の種族の血を引くものも人間に含まれる=神の家族であるという思想
民族の純血主義に反対するもので、現在は淘汰されている
『ソナタ』
ヴィネア帝国の国祖
神話の時代から現代まで生きているが失権し、地下に押し込まれている旧支配者
アルスの子を自称しているがヴィン島の原住民がアルスの血を引いていないように彼女もアルスとは全く血縁関係がない
現在、地上を支配している住民は彼女から見てハルヴォランド入植やエッサー海賊の侵略でアルスの子と混血した異民族ということになる
『創造主/造物主』
ウルス教が主たる宗教になっているため、崇拝の対象とはならないが黄金大陸の創世神話に登場する神
神話は、創造主がアルスを地上に遣わしたと伝えている
『トゥーレ時代』
大洪水によって地上が滅びる前の時代
『ハルヴォランド』
フランク帝国と古代ローマ帝国を合わせたような中世初期に勃興した国家
英雄コナンのアキロニアのようなイメージでグレコローマン風の中世フランスというかなり良く分からない雰囲気
作中世界の人々にとって古典時代に存在した理想の国家
『ガリシア帝国/ゼイル帝国』
ハルヴォランドが滅亡した後、東西に別れた
東西ローマ、東西フランク王国のような感じの国
作中の西暦3004年には、ヴィネア帝国によって滅ぼされている
『ディルモール』
黄金大陸の南部六王国のひとつ
『クンビ』
黄金大陸の南部、砂漠と山岳地域にある小国のひとつ
最初の13人に連なる十三王国に含まれない
暗殺教団発祥の地
『エッサー』
北方の複数の国々でエッサー人が暮している
北部七王国より北、北辺のヌマドゥヤより南にある
中世ではヴァイキング戦士の国だったが、この時代では落ち着いている
『ベルンフォーン』
黄金大陸の北部七王国のひとつ
騎士の国として栄えた
『エキュ』
”盾”という意味の銀貨で盾がそのまま図案化されている
ヴィネア帝国の通貨の一つ
盾はアルスの盾だった軍神ウルスに由来し、ウルス教圏で人気のあるモチーフ
『内戦』
2788年に発生した大ヴィン島各地の戦い
イングランド内戦に相当する事件で王権が伸長した
『セタハストゥール』
Sata(サタ)+Hastur
太古の双頭の蛇、アルスの敵
アルスを倒したがウルスに導かれた最初の13人に倒されたとされている
『西暦』
ヴィネア暦のこと
最西のヴィネア王国が成立したとされる年からカウントしている
他に大陸暦やガリシア暦などがある
『スケロスの書』
英雄コナンに登場するアイテムなのだけれど全く掘り下げられなかった可哀想な子
名前だけはしばしば登場する