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第二話 新たなるコミュニケーション
第二話 新たなるコミュニケーション
オギャーワが、人類史上初の果たし合いから数百年の時が経った。
その間に、腕力で解決するのではなく、葉っぱや木の枝と小石を駆使しての会話へと伝達方法が、移行したからだ。しかし、脳筋のオギャーワの子孫達は、石板を彫る伝達方法しか持っていないので、次第に、時代から取り残されて、適応出来なくなっていた。石板は、一度彫ったら、それまでだが、新しい伝達方法は、葉っぱと枝と小石の配置によって、多数の情報を伝えられる画期的な伝達方法だ。それを考案したのは、オギャーワ族よりも、小柄な体格の“ヨチモト”族の若き族長のヨスケという類人猿だった。腕っぷしは、一族の中ではからっきしなのだが、痛い思いをしたくなかった事により、葉っぱと枝と小石を使った伝達手段を考案した。最初は、興味を持たれなかったのだが、前の族長の娘へ、このやり方で、人類初の婚姻が成立する事となった。これを機に、ヨスケのコミュニケーションが、部族内に浸透するのに、時間は掛からなかった。これが、“恋文”の起源となるのだった。