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08幕 『変則な時間へようこそ』

 「えーと?で、なんだっけ?」

 「まずはえっと・・・・・ずっと気になってたんだけど」

 「うん。」

 「わたしとハングが来た時は『昼』だったよね?」

 「はい。その通りです」

 「で、グリフォンが起こされてお茶会が始まったのが『朝』だよね?」

 「うん。そうだね」

 「それから、『夜』になったからってお茶会が終ったよね?」

 「えぇ。それが変かしら?」

 「変でしょ!?昼から朝になったり朝から夜になったり!!」

 「あら?それって普通じゃないの?」


 女王はきょとんとして小首をかしげる


 (うっカワイイ・・・・・・・!)

 「女王、アリス達の世界ではそれが『普通』じゃないんだよ」

 「へ〜ぇ・・・・そうなのアリス?」

 「え?あ。うん。わたしの世界じゃ普通は『朝・昼・晩』って進むの」

 「アリスの世界ではそれが『普通』ですが私共(わたくしども)の世界では違うのですよ」

 「どんな風に?」

 「そうでございますね・・・・アリスが言った通り『変則的』なんですよ」

 「変・・・『昼・朝・昼』『朝・夜・昼』みたいな?」

 「ちょっと違うねー『夜・朝・昼』になったりもするし

 同じ日に同じ時間帯(じかんたい)は来ないし。」

 「・・・・・どういうこと?」

 「んーとねー、図に書いて説明するとー」


 グリフォンはいつの間にやら持っていたペンや紙にすらすらと文字を書いていく


 「ん〜こんな感じかね?

 詳しい事は言うより書いたほうが分ると思うから」


 ―――――――――――――――

  

  朝…約5時間.

  昼…約12時間.

  (内3時間は夕方).

  夜…約7時間.

  全…約24時間



  ○一日は朝昼夜によって

  成り立っている 

  例)

    昼→朝→夜→一日終了

 

  ○続けて同じ時間帯は来ない

  例) 

   ×昼→夜→夜

   ×昼→昼→昼


 ―――――――――――――――


 「これでわかるかな?」

 「ん〜まぁ。・・・何で夕方が昼に含まれるの?」

 「さぁ?たったの3時間だからじゃない?」

 「っていうか、コレで一日とか分るの?」

 「日にちとか分からないけど大体でどうにかなるから」

 「季節は?」

 「一応ちゃんと変わるよ」

 (どっち?)

 「まぁ、特に決まってないから同じ時間帯が続いたりしたら、

 『あー。一日終ったんだー』な感覚でいいから」

 「はぁ・・・・。

 (イマイチ分かんない・・・・・・・・)」

 「ま〜。時間帯はこの位でいいかー。

 このままだらだら言ってると時間的にもきついし」

 「へ?」

 「んにゃ。なんでもない。」

 「えと・・・で、アリス、後はどのような疑問が御座いますか?」

 「ん。あの塔にいた時に赤と緑の(まだら)の森があったんだけど、あれって何なの?」

 「え!アリス・・・・・あの塔にいたの?!」

 

 いきなりグリフォンが顔を青くしていきおいよく立ち上がる。

 その際に勢いよくイスが倒れて大きな音を立てる


 「う・・・うん・・・・・・・・」

 「それを知ってるのは!?」

 「は、ハングとティーに・・・後、アンディングって人、だけだと思うけど・・・・」


 血相を()いて一体どうしたというのだろう

 目も、おそろしいほどに鋭い・・・


 「女王に宰相さん、それにディーン、ね・・・

 何か、余計なものとか見た?」

 「余計な、もの?」

 「あ。いや・・・・・なんでもないよ

 知っているのはあたし達だけなんだね?」

 「う、うん」

 「そう。じゃあ、塔の中にいた(その)事は外でも中でももう口にしないでね?

 女王も、宰相さんも。・・・もちろん、アリスも」

 

 そのとき目配せしたグリフォンは本当に怖かった

 グリフォンの急変に戸惑いながらも頷き返したら

グリフォンはバツが悪そうに頭を掻いてから椅子を立たせて座りなおした


 「ご、ごめん。で、赤と緑の(まだら)な森だっけ?」

 「うん。」

 「・・・またあのいかれた変人ね。」

 「誰?」

 「最高にいかれた帽子を被っていて最高にいかれたお茶会を開いている

 最高にいかれた最っっっ低な人がその森にいるのよ」


 ティーは満面の笑みでにっこりと笑っているが言っているのは悪口だ(しかも饒舌(じょうぜつ)

 ・・・・・・・その人に何か恨みでもあるのだろうか


 「あの森にはドランクっていう人がいて二つ名は『いかれ帽子屋』」

 「どういう訳か女王陛下と帽子屋様はずいぶんと仲が悪いのですよ・・・」

 「へ、へぇ〜・・・・それってどういう人なの?

 (いかれ・・・?)」

 「会いに行けば分ると思うけど・・・・・・・・・」

 「だめよアリス。あんないかれた人にわざわざ会いに行く必要なんてないわ」

 「・・・と、まぁ女王陛下がこうなのですよね」

 「つまりはその帽子屋さんを根っから嫌ってるわけね」

 「そ。でさ、そのドランクさんがあの(まだら)模様の森を作ってる

 ・・・・・・・・・・・って、あの人またやってんのか。オイ」

 「(わたくし)もアリスから聞いたときは驚きましたよ。」

 「今度は何人犠牲(いけにえ)になったの?」

 「さぁ?私にはわかり兼ねますね」

 「何なの?あれ」

 「アリスは、まあ、知らなくていいよ。むしろ知らないほうがいいや。」

 「?」

 「えっとねーそのドランクさんとのトコには、

 『三月ウサギ』のハーヴと『眠りネズミ』のヴェインがいるんだ」

 「帽子屋さんに三月ウサギと眠りネズミ?」


 コレは正に母が私が幼い頃に読んでくれた童話だ。

 ・・・物騒なのは女王様の筈だったんだけど、気にしないようにしよう


 「あれ?ハーヴって?」

 「そ。さっき話にぽつって出てきたでしょ?あたしのケンカ友達なんだ〜♪」

 「ヴェインって?」

 「ヴェインはハーヴの双子の兄弟だよん」

 「えぇ。あの眠りネズミは最低でいかれた人のところにいるわりには、

 随分カワイイ子だったわ〜」

 「へぇ〜」


 その嫌いなドランクさんの所にいるからってその子の事は(けな)したりはしないんだ・・・

 ちょっと関心。


 「でも三月ウサギの方はいかれた人の(そば)にいるせいかしら?

 それとも元の気性なのかしら?かなり野蛮(やばん)で下品よね」

 「・・・・;」


 感心した途端それか


 「あーまぁ〜・・・この国の人たちの事は任せてよ。

 あたしは交流範囲(こうりゅうはんい)がすっごい広いんだよ」

 「そうですね。国内の案内は全てグリフォンに任せるとしまして、

 他に何かありますか?」

 「え。あたしが言ったことだけど国のこと全部押し付けられるのは流石にキツイよ?!」

 「一度自分で言ったのなら最後までやりましょう?グリフォン」

 「「女王(陛下)が言えるセリフじゃない(です)」」

 「あら〜見事にハモッたわね〜」

 「意外にグリフォンとハングって息と気が合うんだねー」

 「そうよ~この二人って意外と気が合ったりするのよ~」

 「そんな意外かな?ハングさん?」


 きょと、とした顔で正面のハングに話を振って首を傾げる


 「意外なのではないですか?

 一見しただけでは私とグリフォンは正反対とは言いませんが対照的な印章がございますからね」 

 「へーそんなもんなのかね。・・・って言うか女王さ、今、微妙に話し逸らそうとしてなかった?」

 「気のせいよ」

 「・・・さて、嘘をおつきになった女王陛下には後でたっぷりと説教をして差し上げるとして、

 アリス。他に何かございますか?」


 さらりと笑顔で言ってのけたハングにティーがピシリと固まった。


 「お。女王が石になった。

 (女王が固まったのひっさしぶりに見たなぁ~)」

 「貝じゃないの?」

 「拗ねたわけじゃないからね。つまりは恐怖でかたま・・・」


 今度はグリフォンが固まり、ギギギ・・・とハングのほうを向いた

 ハングは変わらず、にこっりと微笑んでいる

 

 「?」

 「どうかしましたか。グリフォン?」

 「ま、まぁ。それはどうでもいいとして!」

 「どうしたの?」

 「いいから!何も聞かずに質問して!!お願いだから!ハングさんに殺されちゃう!!!

 (怖い恐い怖い恐い強い怖い怖い怖い恐い・・・・・・・・!)」

 「・・・・・・・・・は?」

 

 殺す?

 誰を。グリフォンを。

 誰が。ハングが。


 「????」

 「なんでもないですよ。ねぇ?グリフォン?」

 「・・・・・・・・・・・・!!!」


 グリフォンは真っ青になりながらコクコクコクコクと何度もうなずいていた


 「さ、アリス。他に気になる所は?」

 「え。あーえっと・・・ずっと気になってたんだけど、真実の番人って会えるの?」

 「え?真実ー?いっつも会ってるよね。ハングさん」

 「全く持って番人というありがたみの欠片もございませんね」

 「酷い。あなたはなぜ私にそう辛辣?」


 「へ?」


 「あ。サァムさん!いらっしゃ~い」

 「グリフォン・・・あなたは私に、食器洗いを、押し付けて・・・・・」

 「あ、あはは~まぁ、そっちのが先輩なんだからー・・ね?」

 「ね?じゃない・・・!

 ・・・・・・・・・・・・おや?あなたは、アリス・・・。」

 「へ?名前・・・言いましたっけ?」


 言った覚えがまったく無い。

 そもそもこの人とは初対面のはず。


 「失礼。私はサァム。訳あって本名は、伏せます。二つ名は〔トカゲ〕」

 「トカゲ・・・・・」


 さっきハングとグリフォンが言っていた人?

 前髪が隠れるほどに長い髪。

 なんとなくカタコトに聞こえる言葉

 ひょろりとした細い体

 灰色の衣服

 ・・・その中でも一番目が行くのが

 腰のホルダーに納まった2 本 の 包 丁


 (な、何で包丁?っていうかなんで台所じゃないのに持ってるの?しかも2本!!)

 「あ。悪いですね。常に包丁を持っていないと、落ち着かないんで」

 (そ、そんなもんなの!?)

 「えぇ。そんなもの。」

 「ちょっと。サァムさん?何話してんの?話題が全然わかんないよ」

 「サァム。独りでぶつぶつと気味悪いですよ。」

 「聞かれた質問に、答えただけ。そして気味が悪いとは、酷い。」

 「相手が声も出してないのに独りだけぶつぶつと喋って入れは十分気味が悪いですよ」

 「だから、なぜあなたはそう、私に辛辣・・・」

 「・・・・?わたし声、出してなかった?」

 「うん。」

 「そっか・・・気づかなかった」


 (((天然ッ?!)))

 (いやいやいやっ!?そこは何で声を出さずに話せてたとかを疑問に持つところだよね?!

 そっちもだけど普通は声に出してないのに会話が成立してる方を疑問に持つよね!!)

 「こ、今回の。余所者は、天然、なのですか。」

 「わ、私もそこをつっこまないとは・・・予想外でした」 


 グリフォンは頭を抱えたり、サァムさんやハングわたしのほうを見て驚いたような顔をしていた



・・・・あれ?まさか5まで行っちゃいます?

せめて5で終わりにしたいですね・・・・ヽ(;・ー・)ノ


◆サァム『トカゲ』

腰のホルダーに出刃包丁と柳刃包丁を挿している

深緑色の前髪が長く、両目を隠している(たまに片目が見える)

灰色の服装を好み、いつも着ているが、

ティーとハングに『汚いからやめなさい』といわれている

本人曰く『別に色以外は綺麗なんだからいいじゃないか』と、いう


次回、『女王空気』

・・・・・ではなく、

>>次回『余所者』

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