03幕 『異なる世界へようこそ』
さぁ、
これからこの【おもちゃの国】について説明いたします。
必要の無い方は見る必要はございませんよ。
では、説明を始めましょうか
先程も申し上げましたが、ここは【おもちゃの国】と申します
あなた様の世界とは異なる世界…つまりは異世界でございますね
…………えぇ。あなた様がこの国へ来られたのは白ウサギを追ってですね
え?あの白ウサギは私だと?
くすくす。いえ、失礼
えぇ。確かに私はこの国では〔白ウサギ〕と呼ばれております
あなた様を導いたのも私です
なぜ?
くすくすくす
………さぁ?なぜでございましょう?
まぁまぁ。この国のお話でございましたね?
あの塔は何なのか?
アンディングと言う人物は何なのか?
アリス…あなた様は時の番人にお会いになられたのですか?
不気味な赤と緑の森は何なのか?
不気味って………
落ちついてください。アリス。
一つひとつお話いたします
あの塔は『立ち入り禁止区域』、と先程申し上げましたね?
そうですね。あの塔はとても美しい
『立ち入り禁止区域』と言うのはおかしな表現ですが……
はは…他の表現方法がわからないのですよ
実際に立ち入った者は、『掃除屋』とでも申せばよいのでしょうか?
えぇ。まぁ。とりあえず掃除をされてしまうのですよ
いえいえ。とりあえずは物騒な事はございませんよ
くすくす
とりあえず………ですけどね
え?いえいえ。何でもございませんよ?
気になさらないでください
気になると申されましても…ねぇ?
ほらほら。座ってくださいませ
続きが説明できませんから。ね?
はい。ありがとうございます
まぁ、そういう事で色々あり、あの塔付近は立ち入り禁止区域なのですよ
ここ…でございますか?
いえ。ここはその区域には入りません
立ち入りの禁止な区域は塔の中と、後はごく付近の場所だけですから
あの塔に立ち入って罰せられないお方、ですか?
そうですね……とりあえず『番人』でしょうか?
そうです。番人は立ち入りを許されているはずでしょう
『番人』とは何か?どういう事か?
その話も順に。
我が国には『番人』は2つあります
まずは『時の番人』
あなた様は先程、アンディングと名乗る者にお会いになられたでしょう?
その通り。
あなた様が先程お会いになられたアンディングが『時』の番人でございます
彼が消えた?
えぇ。そうですね。彼はいつもいつもその様なものでございますよ
突然現れたり、いきなりに消えたり……
この国でも彼に会えるのは極少数なのですから
運がよろしかったですね。アリス
わっアリス?!すみません!すみませんでした!
怒らないでくださいませ!!
………申し訳ございませんでした!!!
…え?『時の番人』誰なのか?
あぁ。もう1人の『番人』は〔トカゲ〕こと、『真実の番人』でございます
いえいえ。ふざけている訳ではありませんよ?
爬虫類が真実の番人をしているわけがない、って……
アリス。トカゲと言うのは二つ名です
ほら、私にも〔白ウサギ〕と言う二つ名がありますでしょう?
彼はアンディングのように滅多に会えないのか?
いいえ。彼はそうではありませんね。
むしろ、私の場合はほぼ毎日お会いになっております
全くもって『番人』のありがたみも無いほどに。
それよりも、不気味な赤と緑の森というのはどういうことでしょうか?
あの塔から外を見ていたら緑の森に赤の斑模様が乗っていた?
あー…あれでございますか………
また帽子屋様でございますね
えっ?!あれって何か?帽子屋とは誰?
いえいえいえ!何でもございません。こちらの話です!!
ま、まぁ……他には色々ありますが、とりあえずは
<この国のものには皆ではないが『二つ名がある』>
<この国は、『ゲーム』と『ルール』で成り立っている>
…………と、だけは言えます
詳しい所はご自身も瞳で見られることを推奨いたします
後はもうひとつ、
<この国のものは皆≪おもちゃ≫である>
さて、もう体力は回復いたしましたね?
では参りましょう。
どこへ?
私の敬愛なる主君がいらっしゃいます。
ハートの城にございますよ
さぁ、行きましょう。
アリス
全セリフがハングでした。
ぜんっぜん大切なことは書いていない気が・・・
そ、それは本編で説明するってことで!
◆ハング『白ウサギ』
根っからの執事気質で常に(?)礼儀正しい
たまに含みのある笑いをする。
かなりの苦労人らしい
実は少しばかりヘタレだったりした
(現時点、アリス視点の記録です)
>>次回『ハートの城へようこそ』