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02幕 『おもちゃの国へようこそ』

 落ちる おちる

 おちていく

 この先には何がある?

 楽しい世界? 悲しい世界?

 何もない、真っ白な世界?

 何も見えない真っ黒な世界?


 ―――――いらっしゃい アリス




 ―――――ここは、どこだろう?


 

―――――ここは、どこだろう?


アリスが目を覚ますと見た事の無い景色が広がっていた


「んぅ?」


塔?とっても高い…

風が気持ちいい

見晴らしもいい


そう。風が気持ちいい。見晴らしもとてもいい


しかし、


「ここはどこ?!」


アリスは、外の景色に向かって大声で叫んだ


いや!本当にここどこ!?

お願い!夢なら覚めて!!


「……さい」


「へ?」


急に後から男性とも女性とも似つかない声が聞こえてきた


「………うるさい」


振り返ると黒いローブを目深に被ったとても怪しい人物がいた


「…………なに?」

「はい?」

「………何しに来た」

「えー…と」


まず、この人は誰?


「アンディング」

「あい?」


アンディング?


「アンディング=アリストル」

「なに?」

「ディーンでいい」

「な、なに?」

「名前」

「名前?」

「お前の、名前」

「え。ディーンってあなたの名前?」

「そう。」

「あ。そうなの……」


短い……この人、一言一言が短すぎる!

言葉のキャッチボールは?!


「だから。名前」

「わたしの?」

「そう。お前の」

「あ、アリス=リデル」

「わかった。」

「……………」

「…………」


え。もう終わり?


「………………『アリス』」

「え…?」

「…あ……」


この人………ディーン(だっけ?)が何かに気付いたように、わたしの後ろを眺めた


「ディーン?…え!?」


しかし振り返ると何もなく、ディーンのほうを向き直るとついさっきまでいた筈のディーンはいなくなっていた


「な、なに……?」


なんなのここ…


見知らない風景


見知らない人物


いきなり消えたアンディングとか言うとても怪しい人

一体何なの?わたしの日曜日はどこに行ったの?


「あ。ようやく見つけました!!」

「ひゃあ!?」


足音がしたかと思うと先程の白髪の青年が息を切らしていた


「よ、よかったです。どこに行ったかと思ったらこんな所にいたのですね」

「な、なに…………………」


喜びのような安堵のような表情を浮かべて彼は近づいてくる


「私がついておりながら、大変申し訳ありません。

女王陛下に申し訳がつきません……」


なんなの?なんなのよ………


「申し訳ございません。私の名は『ハング』と申します」

「あ。どうも…わたしはアリス=リデルと言います」

「存じ上げております」

「はぁ……」


暫くすると息が整ったらしく、ハングと名乗った彼はにこりと微笑んでアリスに一礼した


「あの……名前は分かりました。ここってどこですか?」

「ここは【おもちゃの国】」

「おもちゃの、くに………」


なんだか可愛い名前だ。

しかし、わたしが習った世界中の町や国に、そんな名前の国は無い

新しく国ができたと言う話も聞いていない。

そもそもそんな名前の国が出来たらすぐさま報道されている筈だし…


そんなアリスの心境を読み取ったのか、ハングはくすりと笑って再び口を開いた。


「ここはあなた様の世界とは異なります

いわゆる『異世界』…とでもいいましょうか?」


………………………………い


「異世界いぃぃぃぃ?!」

「わっ、わ、わ!!し、静かにしてください!アリス!!」(小声)


アリスが思わず大声をあげると、ハングが素早くアリスの口を抑えた


「はぁ………」

「落ち着きましたか?」

「はい。…ごめんなさい」

「いえ。いいのですよ。私の方もご無礼を」


口だけではなく、心から言っているようだ。

まるで耳があったら、ヘ垂れているような…………

耳………うーん。

例えるとウサギ?

白髪だから、白ウサギ?

……ん?

ウサギ、白ウサギ?


「あー――――っ!!!……ムグッ」

「お静かに!頼みますからお静かにしてくださいませ!」(小声)


アリスは再び口を抑えられた状態でコクコクと首を上下に動かす


「ぷはっ…」

「ふぅ。アリス。ここは立ち入り禁止区域なのですから…」

「な、ああぁぁぁぁ!?――――んぐぐっ」

「ですからお静かに!」(小声)

「んぐぐっ!むうむ!!」

「お静かにしていただけますか?」


コウコクコク、とアリスは必死に首を動かす


「ふはぁ…………」

「本当に、勘弁して下さいませ」

「はい。ごめんなさい」

「いえ。私も…乱暴をいたしまして………誠に申し訳ありませんでした。

そうですね。私としても、いつまでもこの場にいるのは気が進みませんし……」

「はぁ…。」

「ひとまずはここを出ることにいたしましょう」


それから状況を説明いたします、とハングはわたしの手を引いて見晴らしのいい塔から降りていく


――――――――――


「はぁ、はぁ…」


疲れた…この塔って一体どれくらい高いの?!

降りるだけでこんなに疲れるなんて………………


「大丈夫でございますか?」

「は、いぃ………」


何でこの人、そんなに平気なの!?


「近くに小屋がございます。そちらに参りましょう」

「は…いぃ………」


ハングは疲れきったアリスの手を再び引いて、少し離れた小屋に向かう


――――――――――


「ふはぁ……」

「どうぞ。」

「どうも。」

 

疲れた上に歩かされたアリスは小屋にたどり着いてから、ぐったりとイスにもたれかかった


「申し訳ありません。アリスの体力を考えに入れてませんでしたね」

「次から入れるようにお願い、します……」

「かしこまりました」


そう言ってハングは綺麗な姿勢で、一礼した

…この人、根っからの執事気質だ。


「そうだ。

えっと、ここ…おもちゃの国、とか言ったっけ?」

「はい。そのとおりです」

「その、始めから説明してもらえます?」

「わかりました」


そう言ってハングも近くのイスに腰掛けてこの国のことについて説明を始めた



 色々と変です。

 そして1・2話と3話からのアリスの性格が変わってます

 次回からチョクチョクとキャラ説明を入れています!

 ・・・・・さて。最後まで頑張らねば。


>>次回『異なる世界へようこそ』

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