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11幕 『不法侵入』

ごめんなさいごめんなさいごめんn(ry

ようやく更新したいと思います<(_ _)>


「あらあら。アリスったら、こんなところで居眠りして。」

「あ。姉さ………?」

「おはよう、アリス」

「お、おはよう……」


あれ?わたしは兎を追いかけて、穴に落ちて………

おもちゃの国についたはずなのに。


「帰ってきた…………?」

「アリス?」


突然の出来事に困惑する私に姉さんは小首を傾げて不思議そうに「大丈夫?」と聞いて来る


「う、ううん!なんでもない!!

姉さん、父さんの用事は終わったの?」

「お父様?お父様には呼ばれていないわよ?」

「あれ?おかしいな…確かに寝る前にイーディスが姉さんを呼んで………」

「ふふ、寝ぼけているのね?

こんな所で寝てはだめよ?風邪をひいてしまうわ」

「ごめん。ぽかぽか気持ちよくてつい………」

「まぁ、ふふふ」

「それよりも、何を読んでるの?」

「これ?あなたは覚えているかしら?

ほら、小さいときにお母様がよく読んでくれた本よ」


 姉さんが本を閉じて、表紙を見せてくる


「うーん……」

「お母様は余程この本が好きだったのね。」

「なんで?」

「私も、アリスも、イーディスも皆、この本に出た人たちの名前だもの」

「うん。」

「お母様は、貴方とイーディスが生まれてくるって分かっていたのかしら?」

「なんで?」

「だって、お母様が本当にこのお話が好きのなら、一番初めに生まれたわたしに主人公の名前をつけるでしょう?」

「そうなの…かな?」

「そうだとおもうわ。よかったわね、アリス?」

「姉さん…?」

「本当に。よかったわね」

「姉………さん?」


突然に周りの風景が歪んで、滲んで来た


大好きよ、アリス


(姉さん?姉さん?)


段々と、姉さんまで歪み、滲んできた


アリスなんて、大嫌い


(姉さん!!)


――――――そして、まっくらになった



……………………ス


ア………ス


アリス?


「んぅ?」


起きなよ


「………?」


「おーきーなっ、て、ばっ!」

「うひゃあ?!」


どすん


……………痛い

えー…、今起こった事をありのまま話しますと、わたしが寝ていた(らしい)

目を開けると逆さまになったグリフォンの顔があった


「グリ、フォン?」

「やっ。起きたね?」


…違った。逆さまなのはわたしの方だった。


「……ベッドから落とされれば誰でも起きると思うんだ」


グリフォンは逆さまで睨むわたしを正位置に戻して立たせる


「はっはっはっ。

大丈夫。あたしがいつもやられてる事だし」

「えー………」

「あ。でも女王はこれでも起きないらしいよ。むしろ自分から落ちてるって」

「ティー…。………?

……いやいやいや。ティーって女王様だよね?」

「ん?だよ?」

「うわーそれでいいんだ…」

「いいのいいの。」


寝相の悪い女王様………うわぁ、何かシュール…


「あ。そういえば、グリフォン。

何でわたしを起こしたの?」

「あ。そうそう、もう昼になったから帰ろ」

「え?!もうそんな時間?!」

「アリス~?こっちとあっちの時間は違うんだよー?」

「あ。」

「はは、まぁ。帰ろうか」

「う、うん…?

あれ、ドランクさんは?」

「あーあの人?

………仕留められなかった……!」

「いやいや。そうじゃなくて。」

「ん?あぁ。あの人は適当に屋敷の中をうろついてるんじゃない?」

「ふーん。………」

「アリス…?」

「グ、グリフォン……」

「ん、ん?ど、どした?」

「お手洗いって、どこ…?」

「え"。お手洗いってWCと書いてトイレって読むアレ?」

「そ、そう………」

「よく覚えてないけど確かあっちだったはず」

「ありがと!すぐ戻って来るから!!」


わたしはグリフォンの返事を待たずに早歩きでグリフォンが指差した方向へと歩きだした


「あー、行っちゃった………

ドランクさんはいいとして、あいつらに見つかったらどうすんの全く……」


グリフォンは苦笑しながらすでに視界から離れたアリスを追いかけて行った


〓〓〓〓〓


同時刻、帽子屋の屋敷近くの森の茂みからあちこち擦り切れ、

ボロボロの服を着た二人の少年が息を切らしながら出て来た


「っはぁ………ヒデェ目にあった…!」

「……何も考えないで熊の子供を追いかけるから………」

「だってよ?誰があんなとこで親熊が出て来ると思うよ?」

「…普通、想像できると思う……それに、逃げ切れたと思ったら道に迷うし…」

「だから、お前は来なくていいっつったろ?」

「……ボクは一人で帰れないし、帰れたとしてもボク達は二度と会えないと思うんだぁ…」

「………………!お前はそんなにオ「あー」……どうした?」

「ドランクさんの屋敷、女の子がいる…」

「グリフォンじゃねえか?」

「…グリフォンなら解るよー…」

「じゃあ、誰だ?」

「…行ってみるー……?」

「だな」




>>>>>

〓〓〓〓〓


「ふぅ………」


適当に早歩きで探してたけど見つかってよかった…

…というか、大きい屋敷のトイレって何となく想像できないけど広いんだ……


「えっと、出口ってどっちだっけ?」


とりあえず、上にさえ行かなきゃ迷う事はないよね?

………ドランクさん、ホントにこんな広いところに一人で住んでるのかな?


「おい」


出口を探そうと歩こうとした時、不意に後ろから声がかかった


「?……………!?」


ふりかえると、そこにはわたしより二、三歳あたり年下に見える

ツンツン髪の少年とふわふわ髪の少年が二人、立っていた


…服がボロボロなのは気になるけど。

重要なのはそこじゃない。

問題はわたしに声を掛けた方の少年が肩に担いでいたもの。

少年は自分の肩まであろう、大鎌を肩に担いでいた


「あんた、何でこんなとこにいるんだ?」

「…迷子ー?」

「ま。迷子にしろ、そうでないにしろ、こりゃあ立派な不法侵入だよな?」


ツンツン髪の少年はニイィ、と口角を上げて大鎌を構えた


「え、え、えぇ?!」


不法侵入って言うなら君達はどうなの?!

ここドランクさんの家だよね?!!


――――って叫びたい!



なぞ(?)の二人登場。

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