目覚めた力
ベヒモス戦終幕
『やっと会えたな我が主よ。』
龍がいきなり話しかけてきた。
「えっ、と、どちら様ですか?」
『な!私のことを忘れたのか!』
「忘れたも何も、あったことありました?」
『おぬしと契約したではないか!」
うーん誰だったかな?あっ!
「もしかしてドラゴナーヴァ!?」
『その通り。私こそ、かの有名な龍王、ドラゴナーヴァ様だ!』
「そんなことより!早くあいつらを助けてくれよ!」
『そっそんなこととはなんだ!まっまあいい。あやつらを助けることか?まず慌てる出ない!ここはおぬしのいた場所と時の流れが違う。こちらでは1時間のことが向こうでは、一瞬の出来事なのだ。」
「あっちとは違う時間軸?よくわからんが早くあいつらを助けてやりたい!」
『おぬし、人の話は最後まで聴け!助けるのには条件がある。』
「条件?」
「あやつらを助けるのは、お前自身であること。」
俺自身?
『厳密に言うと、私の力をおぬしに譲渡して、お前自身があの化け物と戦うというのが、条件だ。』
『ただし、私の力は強大だ。失敗すれば、お前は死ぬぞ?』
「いいぞ!やってくれ。」
『・・・・・・おぬし、私の話を聞いておったか?失敗すればおぬしは死ぬのだぞ!』
「ああ。だけど、ここであきらめたら、信じてくれるあいつらを目の前で死なせることになるんだぞ!俺はそんなくそみたいな真似したくもないし、させたくもないね!」
これだけは絶対に譲れない!俺は、あのクラスの連中とは違うんだ。
『いいだろう。覚悟聞き届けたり!』
そう言った途端、俺は、痛みで視界が定まらなくなった。
「ぐっ、ぐあああああああああああ!!!」
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「くっ、もうこれ以上は、限界!」
ライノ達があともう少しで、死にそうになった時、突如、大きな爆発音がタケルのいたほうからした。全員がそちらを向いた。
「ああ!タケル様。」
そこには、圧倒的強者のオーラをまとった、タケルがいた。
黒かった長髪は、赤と金色の混ざった、メッシュカラーになっており、体は更に女性らしくなり、美貌に磨きがかかっていた。
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〈確認しました。ドラゴナーヴァとの"絆"が出来ました。これにより、ロックがかかっていた龍王のスキルが使用可能になりました。
更に、"絆"が出来たことにより、龍王の最後のスキル、「王の絆」を獲得しました。
龍王のスキルのすべてが揃ったため、タケルの種族を龍魔人から龍魔神に進化しました。
称号「守護者」を獲得しました。〉
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力があふれてくる!これが龍王の力か!
これなら負ける気がしない!
俺は前から一直線に向かってくるグリードを避け、そのままカウンターを食らわした。
グリードは反対側に一瞬で飛んでいき壁に激突した。立ち上がろうとしたが、俺は一瞬で距離を詰め、一発殴った。そのままの勢いで拳をただひたすら連打した。
弱ったところを、最後の締めに、「ゼロックス」に、「龍王の覇気」を付与して、最大出力でぶっ放した。
グリードは木っ端みじんに吹き飛んだ。
俺は力を使い切り、倒れそうになった。アーサーがやってきて俺を支えた。
「オウ!お前ら、無事か?」
「一番ふらふらなあなたに言われたくないですよ!」
「でも、無事で何より。」
そう言って俺らは笑った。
ああ。今がいままでの中で一番幸せだと思う。
そのまましばらく俺達は笑ったままだった。
美貌に磨きがかかった。とか言ってますが、タケルはれっきとした男性です。そこのところよろしくお願いします。ブックマーク、評価、コメントは変わらず、よろしくお願いします!