魔王の真実
ここで迷宮編は終わりです。この次の部は、一旦、整理の意味も込めて、キャラクター紹介にしようと思います!この後もどんどんキャラクターは出てくるので!
その後、しばらく休憩した俺達は、グリードを倒した時に現れた、扉の中に入った。
「よお!待ちくたびれたぞ!」
そこには、さっきの声と同じ声の人がいた。
「お前がここの管理者か?」
「ああ!そうさ!お前達を待ってたんだぞ!よくぞ俺の部下を倒した!誉めてやる。」
そう言って、俺の肩を叩いて来た。
「お前のせいでこっちは死にかけたんだぞ!」
俺はその腕を振り払い、胸ぐらをつかんだ。
「ああ。わかってる。だが、俺だって自分の後継者をあんなのに負けるような奴にしたくないのでな。」
「後継者?何だよ、それ。」
「おっと、自己紹介がまだだったな。」
俺から離れて、言い出した。
「はじめまして。俺の名前はマモン。元魔王にして、七つの大罪、強欲の罪だ。」
俺はそれを聞いて、呆けた。
「えっ?もっ元魔王?しかも、七つの大罪?」
「ああそうだ。」
そして彼はこの世界のこと、なぜ後継者を探すことになったのかを話してくれた。
「この世界は数多の種族が暮らしている。人族、ドワーフ、獣人、エルフ、妖精、巨人族、亜人、悪魔、天使、妖魔族、龍、竜人。ありとあらゆる種族が、共存して暮らしている。まあこれぐらいは知ってるよな。これらの種族の頂点にいるのが魔王。これを庇護しているのが、神だ。魔王は、この世界を安息に導いていくのが役目だ。そのために、破壊したり、作り直したりしている。」
その話は初耳だ。
「じゃあ、昔、この世界を破壊しようとしたのは嘘なのか?」
「いや、嘘じゃない。だがそれには意味があった。人間共は、この世界を自分達の物にしようとし、そのために、数多の生き物を殺した。このままでは、世界が滅びると考えた神達が俺達に全てを破壊するよう命じたが、ここで邪魔が入った。当時生まれて間もない神の子供達が、人間共にそそのかされ、牙を向けてきた。俺達は、結果惨敗し、世界の各地に散った。神達も、封印されたり、滅ぼされたりして、消えていった。今神って名乗ってる奴らは、全員、そのときの子供達だ。だが、そのままではこの世界を正しく導いていく者がいないままだ。そう懸念した俺の友人が、後継者を探すことを依頼した。」
「友人って言うのは、誰のことなんだ?」
「お前もよく知っているはずだ。そいつの名は、創造と破壊の神、シヴァだ!」
ああ!俺を魔王にして力を与えてきた奴。
「魔王は、7人で構成されている。前は、俺達、七つの大罪の全員でやっていたが、メンバーがバラバラになってしまったため、誰が時代の魔王になるのかわからない。」
「わかっていることは1つもないのか?」
「魔王の条件はわかっている。毎回その条件は変わるんだが、今回は、異世界から来た者であること、七つの大罪を象徴する者であること。七つの大罪に認められること、の3つだ。」
条件はわかった。だが、
「2つ目の七つの大罪を象徴する者であることって言うのは?」
「おそらく、憤怒、強欲、暴食、色欲、怠惰、嫉妬、傲慢の7つに関係する人物ってことだろ。」
あれ?
「タケル様って関係なくないですか?」
ライノの言う通り。俺関係ないぞ。
「いや、ある。お前、魔王になる時、条件達成とか言われたろ。それの最後の項目言ってみろ。」
「えっ?えっと確か、"全てをも飲み込む欲望"だったと思う。」
「やっぱりな。それは強欲の条件だ。だから関係してる。」
まじか。そん時は何も考えてなかったけど、そんな重要なこと言ってたとは。
「まあお前は十分力を示した。認めよう!今日からお前が強欲の魔王だ!」
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〈確認しました。条件達成。スキル「強欲」を獲得。称号「奪略者」が「強欲の王」になりました。〉
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「よし!とりあえず俺はお前のもとに付こうかな。」
「いいのか?」
「ああ。どうせこれからも教えていかないといけないしな。」
そして、強欲の王、"マモン”が仲間になった。
「で!これからどうすんだ?」
「とりあえずここでいろいろな準備をして、万全の状態にする。その後、地上に出て、他の七つの大罪メンバーを探す。それでいいな。」
「はい!異論ありません!」
「僕もないですよ。」
「私もありませんわ。」
「まっ。リーダーの言うことに俺は従うよ。」
まだ召喚されていないこの17枚のカード達も召喚してやりたいしな。
俺は、必ず、この世界の理不尽を壊し、弱い者にも反撃の許される、そんな世界を作ってみせる。
俺は心に誓った。
世界感の説明が10話になってやっと出てきました。遅すぎるだろ!何やってんだ俺!って自分を責めてます。まあそれは置いておいて、今回もおもしろい、続きが気になる!と思った方はブックマーク、評価、コメント、よろしくお願いします!