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童顔でチビの僕は悔しさから努力し続けた

作者: 阿川竜一

GREEのコミュニティ『あなたは携帯小説を書きますか?』とpixivにも連載しています。

 いきなりだけど、自己紹介をする。僕の名前は『坂本武蔵さかもとむさし』。高校生。でも僕には悩みがある…。


女子:キャー!武蔵ちゃんよ!かわいい!


僕は顔が童顔で身長は小学生のようにチビだ。クラスの女子達は僕を見るなり「かわいい」などとキイロイコエ…。でも僕は「かわいい」とかって言われるのは苦手だ。だって…高校生にもなって子供扱いされているようで恥ずかしいからだ…。


女子:かわいい!


武蔵:やめてよー…。


女子は僕に容赦なく抱きついてくる。恥ずかしい…。子供扱いされてるし…男子達からは痛い視線を向けられる…。


「おう!キャーをワシに言ってくれやー!」


突然。僕達の前に1人の男子が寄って来た…。


大牟田:おう!ワシにもキイロイコエヲオクレ!キイロイコエ聞きたいんじゃー!


女子:いやぁァァあ!


大牟田:キャーを言わんかぁぁぁ!


女子達は乱入してきた男子を見るなり悲鳴を挙げて逃げ出してしまった。その男子の名は『大牟田厚』。自称:イケメンらしい。女子のキイロイコエが聞きたいらしいけどそれはいつも僕に向けられているので…。


大牟田:武蔵ー!いつもいつもお前ばっかり!キャーはワシの特権なんじゃアァァ!


痛い!大牟田は僕に八つ当たりして殴ってきたりする…。僕だって好きでキイロイコエをもらってるんじゃない…。


大牟田:このチビ助!坂本武蔵って坂本龍馬と宮本武蔵を掛け合わせたような名前なんかしよって!


パァン!大牟田の凄まじく痛いビンタまでされる…。僕は涙が出そうになると…。


「コラぁ!大牟田!武蔵をイジメないの!」


すると1人の救世主女子がやって来た。


武蔵:沙苗…。


僕を助けに来た女子は『宮本沙苗みやもとさなえ』。僕の幼馴染。身長は僕よりも高く、気の強い性格だけど本質的に優しい。


沙苗:大牟田!アンタ、カッコ悪いよ!いつもいつも武蔵のことイジメて!中身が最悪なのにキイロイコエをもらえると思っているワケ?バッカじゃないの!


沙苗は大牟田に怯まずに自分の意見を堂々と言い、そんな彼女を見た周りの連中もヒソヒソと大牟田への不満を言う…。


大牟田:うっさい!このオトコ女!お前にワシの気持ちがわかるかぁぁぁ!?お前と武蔵が結婚したら宮本武蔵になるじゃろがぁぁぁ!


大牟田はわけわからない捨て台詞を言って逃げ去った。僕はいつも沙苗に助けてもらっている…。


沙苗:大丈夫!?武蔵!


武蔵:うん…。ありがとう…。沙苗…。


沙苗だけが唯一僕を味方してくれる…。僕はそんな沙苗がスッキー!でも僕はカッコ悪い…。女の子に守ってもらうなんて…。


沙苗:大牟田は自分のことをイケメンなんて思っててウケるし。武蔵の方が全然イケメンなのにね。


えっ!?ってことは…僕には可能性があるってことだよね…。


沙苗:何かあったらすぐに私に言ってね。力になるから。


沙苗はぱあッとした笑顔を僕に向けて去っていった。その後に僕は他の男子達にからかわれた。大牟田が凄い睨んでくるんだけど…。



 放課後。部活の時間となった。僕はサッカー部に所属している。昔からサッカーは好きだったからだ。でも高校ではあまり成果がでなかった。


先生:どうした?坂本。お前の蹴りにはなにやら迷いが見えるようだが…。


顧問の先生は僕の伸びない成果について何か見抜いていたかのような発言に何か感じた僕は悩みを話してみる…。


先生:そうか。武蔵。お前は勘違いをしているぞ。


武蔵:えっ?でも僕…。


先生:お前は小柄だから相手が大勢で攻めてきても回避しやすい。しかもお前は脚が速い。だからドリブルとパスを意識して動いてみろ!お前の悩みは長所にだってなっているんだからな!


武蔵:先生…。


僕は先生のアドバイス通りに練習を重ねてやってみると僕はグングンと活躍していくようになっていき、ついにウチの高校のサッカー部は関東大会進出にまでなっていき、決勝戦…。あと僅かな点差の勝負に差し掛かってきたところで…。


先生:武蔵!


武蔵:!


先生が僕に送った合図に僕は何かを捕らえて駆け出し、ダイビングヘッドをしてボールが勢いよくゴールに飛んでいき、ピピピー!僕のダイビングヘッドシュートがゴールに決まってウチの高校は勝利した。


部員&先生:おぉぉぉ!


ウチの部の部員達と先生は勝利に感極まって僕は初めて胴上げをされた。良かった…。僕はチビで男に見られなかったこと…大牟田にいつもイジメられていた悔しさを背負って練習してきた甲斐が現れたことが嬉しかった…。努力は裏切らないって言葉を聞いたことあるけど…それはきっとどういう想いで努力してきたかではないかと僕は思った。



 僕の学校のサッカー部は関東大会上位まで勝ち登った。そして、僕の活躍も伝わって僕はみんなからいい声をもらうようになっていった。


男子:武蔵!お前やるな!


女子:かわいいと思ってたけどカッコイイ!


などと。でも僕はただ1人だけにいいとこを見せたかった…。その相手は当然、沙苗だ。僕は沙苗が好き…。だから彼女には男として見てほしかったのもあって必死に練習した。部活が終われば僕は1時間ぐらい残ってはリフティングチャージやドリブル、シュート練習、ストレッチなど日によって変えて練習していた。そして、ある日…。


大牟田:おう!今日こそはお前からキイロイコエを!キャーを言わせたる!ちょっと強い先輩連れてきたからお!頼むぞ!キャートリアン!


マサトリアン:マサトリアン言うとるやろ!?このキャー牟田!モンモンちゃん!キイロイコエヲオクレ!


僕が帰宅しようとすると女子が大牟田と仲間?のマサトリアンに絡まれていた。あの女子って…。間違いない!沙苗だった…。


沙苗:大牟田…。またそうやってカッコ悪いことしてるの?


大牟田:うるさい!いい加減にキャーを言えば許しちゃる言うってんじゃ!


沙苗は負けじと大牟田とマサトリアンに注意するが…。


マサトリアン:モンモン!


大牟田:ファイヤー!


沙苗:ひゃー!


マサトリアンは沙苗の脚を触り、大牟田はこともあろうか…下装備からマムシを解放し出した…。って沙苗が泣いている…。これはマズい…!でも恐い…。でも僕は大牟田からやられてきた悔しさから必死にサッカーを頑張ってきたんだ!僕は勇気を振り絞って大牟田に向かって駆け出した…。


武蔵:うおぉぉぉ!


僕は無我夢中で走って…大牟田に向かって走り、サッカーでは十八番おはことしていたダイビングヘッドを放ち…。


大牟田:おごぉぉぉ!うごぉぉぉ!


僕のダイビングヘッドは大牟田のマムシにヒットし、大牟田は男にしかわからない激痛で声にならない叫びを挙げている。


マサトリアン:オトコキライ!イラナイ!


武蔵:!?


沙苗:武蔵!


マサトリアンが隙を突いて僕に攻撃しようとすると…。


マサトリアン:キャー!


マサトリアンは通りかかった男に撃退された。


???:また着ぐるみかよ。しかも同じパターン…。


男は僕と同じくらいの高校生かな…。すると今度は男と制服の違う綺麗な女の子も現れ…。


男:お前ら。早く逃げな。そこの着ぐるみは俺が引き受けるから!


女:大丈夫!私の彼は凄く強いから!


武蔵:ありがとう…ございます…。行こう!沙苗!


沙苗:うん…。


僕は助けてくれた高校生カップル?にあとを任せて沙苗と一緒に走り去っていった。


エイジ:なんで俺達はいつも警察沙汰に巻き込まれるんだろうな…。


朱里:多分…エイジ君がヒーローだからじゃない?


エイジ:意味わからないし。まあ、さっきの男、小さい割にはなかなか勇気ある奴だったな。


朱里:あの2人って付き合っているのかな?


後にマサトリアンは警察に逮捕されたらしい。



 夕方。僕は沙苗を家に送る。


沙苗:武蔵。さっきはありがとう。助かった。


武蔵:そんな…。僕…。カッコ悪いよ…。凄く恐かったし…。


沙苗:そんなことないよ!武蔵は大牟田と違ってサッカーに対して必死に努力しているし、さっきだって勇気出してくれたのわかってるから。


武蔵:そんな…。


沙苗:私…。本当は怖かったんだから…。そんな私を助けてくれたのは武蔵だよ!でなかったらさっきのカップルだってきっと見て見ぬフリしてたはず…。だから武蔵は私のヒーローだよ!


僕が…沙苗のヒーロー!?そうか…。僕の今までの気持ちで沙苗を守れたんだ!だったらもう一度勇気を出さないといけない…!


武蔵:あの…。沙苗!


沙苗:武蔵?


武蔵:僕、童顔でチビで臆病だけど…いつも僕を助けてくれる沙苗は僕の憧れだった…。だから…。僕は沙苗が好きです!付き合ってください!


僕は決意した。沙苗に想いを伝え、沙苗は…。


沙苗:はい。私も武蔵が好き。武蔵はいつも頑張っていて諦めない…。他の誰よりも武蔵はカッコイイよ!


こうして、僕と沙苗は付き合うことになった。後日、僕と沙苗が付き合っていることが知れ渡り、誰も僕を子供扱いしたり、キイロイコエを送ってこなくなった。一方で大牟田は沙苗にわい●●しようとしていたことが学校にバレて退学になった。高校卒業して成人になった僕は身長が一気に180くらいに伸びて沙苗を追い越した。それでも沙苗との関係は続いている。いつも僕を助けてくれた彼女を今度は僕が助ける!僕はそう決めていたのだった。



 ~ Fin 完 ~



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