【令和記念】三人飲めば呑んだくれ プロローグ
精霊記3000年、エール王国が異世界から召喚した勇者によって、魔王は倒された。
勇者は成人して間もない若さであったが、異世界者特有の膨大な魔力、類稀な剣の腕前、そして誰よりも強い正義の心でもって人々を導いた。
その勇者の姿に、他国も含め世界中の人々が奮い立ち、魔物を支配する魔王の討伐を支援したのだった。
魔王を討伐した勇者に対し、エール王国は爵位と領地を与え、さらには勇者とともに魔王を討伐した魔法使いでもあるトラピスト王女との婚約を申し出た。さらには王国だけでなく、魔王討伐を支援したラム帝国、エルフやドワーフそして獣人たちからなるウォトカ連合国からも同様の申し出が出た。
『勇者様どんな褒美も願いも叶えましょう。ですからこの異世界で我々を導いてください』。と。
だが勇者は元の世界に帰ってしまった。なんの功績も、地位も、力も無い、成人とすら扱われない元の世界に勇者帰ってしまった。
各国の王たちは嘆き悲しみつつも勇者の選択を受け入れたが、一方で疑問にも思った。
『なぜ勇者様は元の世界に帰ってしまわれたのだろうか。我々の世界には、勇者様をつなぎとめる何が足りなかったのだろうか。』
その『足りなかったもの』について、あるものは愛と語り、またあるものは国のあり方を説いた。あるものは文化の成熟さを訴え、あるものは勇者に見捨てられたのだと嘆いた。
答えの出ない疑問のはずだった。
トラピスト王女が勇者の世界への転生魔法を開発するまでは。王女は稀代の天才魔法使いだった。
『勇者本人に答えを聞けば良い』
そう言って王女は転生魔法を使い、勇者の元へと旅立った。
他の人々も同じ転生魔法を使い、勇者の世界へと旅立った。皆答えを知りたかった。
これはそんな異世界から勇者の世界へ来た人々が集まり、飲みニケーションする話。
〜三人飲めば呑んだくれ プロローグ〜
作者名は
令和に入った→令和in→れいわいん→冷ワイン
です
私はドイツワイン(甘い)を冷やしたのが好きです。
皆さん何が好きですかー?